娘が医療センターに入所して

まだ一か月も経っていない。


単純に物理的に離れたという寂しさと、どうしようもない無力感がある。


寂しさは、きっと時間が解決してくれるだろうと思い、無力感をどうにかしなければと、毎日パンを焼いてみたり、手芸をしてみたりしている。


気分が落ち込んでいると、趣味をする気も起きないとよく言われているので、趣味の手芸ができているなら、落ち込んでなんかいないはずであると、脳に思い込ませようという試みである。

まあ、一時期の落ち込みからは、少し脱したように思っている。

寝たきりの脳障害児だった娘も、もう半分大人。

施設に入所してしまったら、私は何もやってあげられることがない。

健康な息子たちも大きくなってきたら、私のやってあげられることなんて、本当に少ない。

元々、私は小さな子どもの世話をすることが好きだ。

子どもの親離れは、一気にやってくる。

今まで、とても忙しく過ごしていたのがどんなに幸せなことだったかと、今更ながら思い返している。

この心のスキマは、パンがどんなに発酵しても、ミシンを踏んでも埋まりそうにない。

子どもが小さくて、お母さんが忙しい時期って、ほんとにキラキラしていて宝物がちりばめられていたような時間だったと思う。

そう思って、大切に過ごしてきたけど、やっぱり寂しいものですね。

あーあ、もう一回赤ちゃんを育てたいなぁ。

でも、私が赤ちゃんを抱いていたら「おばあちゃん」って思われるな。