「ギタリストにとって最大のエフェクターは自分の手だ」
確か土屋昌巳がその様に昔語っていたのに大いに共感した覚えがある。
ミドルティーンの頃ロックバンドがやりたくて、なけなしの小遣いをはたいてギターを手に入れた。
ロックから入りそのルーツを辿ってブルースに行き着き様々なブルースマンのコピーをした。
「こんな風に弾きたい!こんな音が出したい!」
練習や音作りの試行錯誤を繰り返し、腕も上がり何とか様になってきた。
人からどんな音楽をやってるのかと聞かれればブルースをやってるとイッパシに答えていた。
しかし自分の腕が上がるにつれて、薄っすらあった違和感が増幅していった。どんなに完璧に演奏が出来たと思っても
「自分のは何かが違う・・・なんなんだ?」
行き着いた答えは最終的にはもう手が違うんだなと・・。
弦を押さえる指の力加減や弦を弾く微妙なタッチの違い。聞き取れない程に微細なリズムのズレや狂いから生まれるGroove感。
もうそれは個性としか言いようがなく、その人がどの様なバックグラウンドで生きてきたか、そんな事からきているんだろう。それこそ血が違うんだからどうしようもない。まさにブラックミュージックだ。
そんな頃だったか冒頭の言葉を聞いてその通りだと思った。そしてもう自分はブルースをやってるなどと恥ずかしくて言えなくなった。
自らの内側から溢れ出た強烈な個性や衝動は美しいし感動的である。そんな事を感じられるギタリストや音楽に心惹かれるのである。
例え弦が一本しかないボロボロのギターであっても・・。
そんな訳で今日の一曲。
弦一本だけど他の人が演っても絶対こんな風にカッコよくならないんだろうな・・。