幕末から明治にかけての激動の時代に、剣術・禅・書の達人として活躍したのが山岡鉄舟です。
有名なエピソードに、勝海舟の使者として西郷隆盛と単身で面会したことがあげられます。
山岡鉄舟は、この大役を見事に果たして勝と西郷の会談への道を拓き、江戸無血開城に貢献しました。
明治に入ってからも、明治天皇の侍従などを歴任。その間も様々なエピソードが知られています。
この山岡鉄舟が詠んだ歌に、次のようなものがあります。
「晴れてよし 曇りてもよし 富士の山 もとの姿は 変わらざりけり」
晴れの日の富士山がすばらしいのは当然ですが、「曇りてもよし」としているところが、この歌の味わい深いところだと思います。
曇って雲の多い日には、富士山の姿は見えませんが、その雲に覆われた先には、いつもと変わらない本来の富士の姿があるという意味です。
これは、前回の記事で紹介した「妄想の雲に覆われた私たちの心の姿」と相通ずるものを感じます。
普段、悩みや不安の雲に覆われがちな私たちですが、その雲の向こうには、清らかで美しい富士のような本来の心があると思うと、少し晴れ晴れとした気分になれる気がします。
本来の自分の心を信じて、富士のごとく輝いていたいものですね。