10時に役所に着き新聞に目を通した。
テレビはずっと震災一色で、被害状況が伝えられている。
日に日に被害が拡大していた。
役所の人に新幹線はいつ復旧するのか聞いた。
一週間、10日は間違いなく回復しないと言う事だった。
予定で行くと今日帰る予定なのに…。
ガックリうな垂れ、抜け殻状態でボーとテレビを見ていた。
どうしよう…。
時間の感覚が無くなり記憶も薄れ意識も無くなったような感じがした。
何十時間もテレビの前にいたような気がして時計を見ると
まだお昼前。
ああぁ思わず頭を抱えた。
取り合えずホテルに戻り出直して来よう。
ホテルの売店は棚から物が落ちて大変な状態になっていた。
今日になって自分が泊まっているホテルの状況を知った。
昼も電気が点かず薄暗いのと、余震ですら震度5強とか5弱で
寝不足と精神的な疲れで回りの様子を見る余裕も無かったのでしょう。
お手伝いしましょうか?
いいえ大丈夫ですから…。
一度部屋に戻り、昼食をとって売店に…。
私は、落ちていても割れたり壊れたりしていない物を、
買いあさり札幌へ送って貰う事にした。
いつ着くか分かりませんけどいいですか?
そうですよね…。
私が先に届くか、荷物が先に届くかですね!
緊張して作業をしていた若い女の子が私の冗句で微笑んだ。
ずっと緊張して固まっていた顔の筋肉が緩み少しだけホッとした瞬間でした。
一緒に箱詰めをしながら、今の私に出来る事はお世話に
成っているこの宿への恩返しで、ありったけのお金を
全部使っていく事だった。

