過去世(5)エジプト
古代エジプト。自分は、王家に使える女性の給仕。耳は聞こえていたのかどうか定かではないのですが、障害があり口がきけない、話すことができない女性でした。物事は理解でき、仕事もそれなりにできる女性でした。身分も、身寄りもない、ただの給仕係の女性(20歳前後)でしたが、王様は私が話せないことを重宝し、人に言えない愚痴や悩みや・・人に言えない弱さや・・そういったことをお話しなさるのでした。私は、ただ、黙って聞くのみ。あまり感情もなく、ただ確かに、そこに在る存在でした。私が覚えている1シーンは、王様が涙を流して、私を幸せにすると、この恩を返すと・・向かい合って私の両肩に手を置いて、そのようにお辛そうな表情と決心で、そうお話しされているのでした。もちろん、その時代には、王様にはお妃さまがおり、守るべき民と国があり、その様なことが許されるはずもなく、それは王様が一番良く理解した上での、涙だったのかも知れません。このシーンの後か前か・・お妃さまに王様との関係を疑われ、お妃さまが取り乱すことがありました。王様は、自分の立場をよくわきまえる方でした。ここは定かではないのですが・・私に暇を出したか・・とにかく会うことのないように遠ざけたのだと思います。その王様は、長い長い時を経て、今世で、私の旦那様になりました。口が利ける奥さんで、うるさいかもしれません。わがまま放題で、大変かもしれません。それでも、一緒にいてくれる主人に、心から感謝です。王様、ありがとう。幸せにしてもらっているよ。これからも楽しく過ごそうね。