(久々の更新です。)
セールスプロモーションの企画制作会社に転職して、
某ヘアケアブランドのイベントを担当してから、ジェットコースターの毎日でした。
舞台造作、演出、運営、デザイン制作、事務局、PR計画、キャスティング、諸々。
畳み掛けるようなトラブル、終わらない交渉、大量のデータ制作、確認、調整、確認、確認。
24時より早く退社するのは数えるほど、途中でチームメンバー2名の退社、
週2徹、26日間連続出勤、解熱剤とドリンク剤とフリスクのチャンポン、脳のオーバーヒート・・・
“忙しい”自慢は見苦しいものですが、攻めるしかない怒涛の数ヶ月でした。

広告の力が弱まってきている現在、個人の手に届くのはSPツールとWEB/モバイル、
心に届くのは個人が発するメッセージと、空間と時間を巻き込むイベントです。

SPが力を発揮し始めてきた背景には、
体験に飢えている人々がいるのではないかと考えています。
生活環境が整い、兄弟が少なく競争も少ない中、必要なものはあらかじめ用意され、世界の裏側の映像どころか、ふと気になったキーワードの詳細すら即検索できるのに、将来発展の希望が少ない中で、
創意工夫とか、死に物狂いで欲することとか、未知の世界への好奇心とか、
自ら行動し、体験し、何かを強く感じること自体が得がたいものなのではないでしょうか。

そんな中、ターゲットのインサイトを見極めて、メッセージやブランドビジョンを伝える為に
現代の技術と表現を駆使したイベントやツールは、用意されたものであろうと、その人にとって感動体験となる。

感動体験は人の心と前進欲求を動かす。

そんなことを思うこのごろです。
『ピカソ 偽りの伝説』
『伝記 ウォーホル』『イーディ』『ポッピズム』
『マン・レイ』
『イサム・ノグチ』
『メイプルソープ』他

年末から新年にかけて読書三昧。
天才を構成する要素や生き様はまた別の機会に置いておくとして、
今回気にかかったのは、20世紀の文化人達の交流。
デュシャン、ルソー、ダリ、コクトー、エルンスト、ジャコメッティ、ブランクーシ、マティス、ブラック、カポーティ、ラディゲ、ニジンスキー、シャネル、ボブ・ディラン…
「グランドホテル」の様に読んでいる本によってスポットライトのあたる人物やストーリーが違うのだが、“この会合、ピカソの本に載ってた”等、何度もそれぞれの本で同一人物が交錯する。ダダイズムからシュールレアリズム、ポップアート、コンセプチュアルアート、メディアアート等、スタイルの変遷はそれぞれのクリエーター同士が刺激し合って大きなうねりを生み出していたのだなあと実感した。
昨日は大阪に朝イチで出張。
プレゼンはクライアントの反応も良く、つつがなくクリア。
早めに終わったので、かの有名な難波辺りをリサーチしよう、としたら度肝抜かれましたわ。
繁華街の看板が皆、超立体的で、どぎつい程前に競り出してくるので、歩くだけでくらくらしてくる。
巨大グリコ、蟹道楽、食い倒れ人形はもとより、魔王のような恵比寿、ネオンが回る蛸、壁を突き抜ける龍、フグ提灯、カラオケ、ビデオ、ラーメン…
デザインの大原則「狙いを絞って、余分なものをそぎ落とす」の真逆=「盛りつける」。
流れている人間も日本人らしい顔立ちで、生命力溢れる感じがする。
垢抜けなくて、精力的で、猥雑で、どこか優しい。
あぁ、ここはアジアなんだなと思った。