■主題:お腹が膨れず満腹になり後でも苦しくならないもの
■メインキャスト:浦埼美咲



お昼の時間になった時計
美咲はいつも通りコンビニで激軽のローカロリーフードをちょっとだけ買うつもりでいた。

「主任!!飯行きましょう!!ひなっちも一緒に行きましょう!!

歓波(わいは)が誘ってきた。

何となく無下に断るわけにもいかない気がした。

「ワイ、ごっつ男らしい店見つけたっすグラサンがっつり男らしくいきましょう筋肉

「歓波(わいは)ちゃん・・・ガーン男らしくって・・・それに括麗隊(くびれたい)でダイエット中だって忘れたのはてなマーク

「美咲先輩、たまには歓波(わいは)ちゃんに付き合ってあげましょう。」

「そだね、たまにだけならいいよねえー

3人はぞろぞろと会社を後にした。

「で、歓波(わいは)ちゃん、どこに行くのはてなマーク

「すぐそこっす。多分、主任も多分知ってるっすニコニコ

歓波(わいは)が案内したのは会社のあるビルのすぐ裏手にある定食屋だった。
美咲はもちろん知らないはずがなかった。
しかし、美咲はよほどでない限りこの店を訪れることはなかった。

理由は単純だ。

そんなに特別においしいお店というわけではないからなのだ。

美咲は急に気乗りしなくなってきた。

歓波(わいは)はそんなことも気にせずガラガラと戸を開けた。
恵比寿の街の中でも美咲と同意見の者が多いのだろう。
店内はお昼時だというのにほとんど空席だった。

美咲は歓波(わいは)の耳元でささやいた。

「ここって、そんなに美味しくないって噂だよえー

「そんなことないっすムキー旨いっす!!ワイ、ここの魚なら食べられるっす!!

仕方なく美咲と陽菜は向かい合って座った。

「あっ、ひなっちは主任の隣にお願いしたいっす。」

おばちゃんが水を持ってきた。

「煮魚定4つ!!

歓波(わいは)が勝手に注文してしまった。

しかも、3人で来たのに4つ注文した。

「歓波(わいは)ちゃん、もしかして一人で2つ食べるのはてなマーク

「そんなわけないっす笑い泣き

歓波(わいは)がそう答えた瞬間、戸がガラガラと開いた。

「おっ、モカッチャ注文しといたっすニコニコ

「ありがと~ラブ

「あっ、そういうことだったのか。萌華(もか)ちゃんも来るんだったのね。」

「はい、お待たせしました。」

「萌華(もか)ちゃんってこのお店によく来るのはてなマーク

「歓波(わいは)ちゃんとのときはここが多いですニコニコ

美咲は身を乗り出して萌華(もか)の方にささやきかけた。

「でも、ここそんな美味しくないんじゃなかったえー

萌華(もか)も身を乗り出してささやき返した。

「以前はそんなでもなかったんですけど、一度歓波(わいは)ちゃんときたらここの煮魚定食にはまっちゃてニコニコ

「そんな美味しいのはてなマーク

「私、煮魚あんまり得意じゃないですけど、ここのは美味しいです。」

美咲も陽菜も最近の子だ。
実は4人が4人とも煮魚はあまり好きではないのだ。

それなのに歓波(わいは)が勝手に注文してしまいどうしようと思っていたが、萌華(もか)もおいしいって言うのだからもしかして本当においしいのかもしれないと思い始めた。

この手のあまり流行っていない定食屋らしく提供時間が長い。

4人の会話が途切れたころやっと出てきた。

恵比寿というおしゃれ感を全く感じないものだった。
見事なまでの一汁一菜構成だった。

「いただきま~すラブ

歓波(わいは)と萌華(もか)は目を輝かせながら食べ始めた。

「やっぱモカッチャ、ここの煮魚は最高っすねラブ
「うん、おいしいねラブ

ちょっと騙された気がしながらも美咲も箸を付けた。

「うん!?おいしいびっくり

陽菜も続いて煮魚を口に運んだ。

「本当だびっくりおいしいラブ意外ですね。」

値段も手ごろで、特に店内が汚いというわけでもなく、単純に味がいまいちだから客が寄り付かない、そんな感じのお店だった。

それなのに4人にとってはとてもおいしいものに感じられたのだ。

しかしすぐに困難が立ちはだかった。

 

今日はアジの煮つけだったのだが、頭も付いたままで、ぜいごもそがれていない。
もちろん小骨もすべて残っていたのだ。

とにかく小骨が気になり悪戦苦闘しなければならなかった。

その面倒さを考慮しても歓波(わいは)の言う通りおいしかった。

ヒミツ天からのAbooの囁きヒミツ

コルセットで締めあげているとき、Abooの経験上一番食べやすく感じるのは煮魚です。
煮魚は砂糖やみりんをふんだんに使うのでカロリーが気になるかもしれませんが、とにかく胃腸への抜けがよくお腹が急に膨れることもないので安心して食べられます。
それと魚の場合はあの食べづらさが無意識のうちに食事の速度を遅くしてくれるので、さらにいいです。
タイの仲間は親骨が硬すぎるので食べられませんが、イワシやアジの場合は骨まで食べてしまうことで、カルシウムもたっぷり補給できたという錯覚が別の満足感ももたらしてくれます。
ただ、消化が良すぎる側面もあり、翌日にはすっかりいなくなっています。
それと青身魚の場合、消化に悪いなんて言われますが多分そんなことないと思います。
火を通しすぎたものはゴムみたく硬くなって、しかも煮汁を煮詰めてしまっているとさらに硬くなってしまいます。
魚の場合臭いを気にして火を通しすぎてしまう人がいますが、魚こそレアくらいの火の通し方でプルプル触感を楽しんだ方がよさそうです。


4人は最近の食事傾向について話し始めた。
コルセットを始めてから食べ物の好みが変わった気がするというのだ。
少し物足りなさを感じるくらいのメニューの方がおいしく感じるというのである。

気が付けば一人前をきっちり食べきっていた。
煮魚を自炊するのはなかなか難しそうだからたまに食べに行くのもいいかと思った美咲であった。


To Be Continued...


■登場人物紹介■

浦埼 美咲 (うらさき みさき)

主人公28歳。独身。彼氏あり。
恵比寿のアパレルメーカー(エンジェルスシンジケート)でネットやカタログ向けの画像加工を行う部署でお仕事中。
自宅は大都会埼玉の大宮駅から少し先のJRの駅からすぐのところに家賃8万円の1LDKに乗り換えなしで職場に通えるというだけの理由で一人暮らし。
性格は周りから周りからちょっとちやほやされてみたい気もするけど、目立つのは苦手という結構ありがちなタイプ。
案外見栄っ張りな一面もある。


大関 萌華(おおぜき もか)

美咲と同じエンジェルスシンジケートで経理課に勤める。
Hカップの巨乳の持ち主といえば聞こえがよいが、肥満の家系に生まれ育つ。
子供のころのあだ名は横綱。
コルセットで急にカッコよくなった美咲にいち早く気づきコルセットダイエットを決意する。
美咲と同じ電車で通勤している。
美咲より数駅遠い町で祖父母と両親、兄3人と暮らす。

大関一家(年齢順)

 祖父:寅(とら)
 祖母:桂(かつら)
 父 :健人(けんと)
 母 :貴理子(きりこ)
 長男:塁(るい)
 次男:コナン
 三男:三斗(さんと)
 長女:萌華(もか)

本庄 歓波(ほんじょう わいは)

エンジェルスシンジケートの珍入社員でどこまでも問題児。
自分の気に入ったものにはとことん固執するのにそれ以外はとことんずぼら。
早合点で超短絡思考でおバカを絵にかいたよう。
自分勝手な性格と誤解されやすく取りつきづらいイメージを持たれ孤立しがち。
しかし本当は・・・。

岩槻 陽菜

23歳。
美咲の勤める会社で派遣社員をしている。
社内ではかなりイケているルックスの持ち主。
美咲は彼氏さんの「陽菜ちゃんってかわいいよね」の一言でやきもち持ちを焼いたことから、勝手に美のライバル視している。
陽菜本人はどう思っているかは定かではない。
というかまだ未設定。

阿倍 沃(あべ よう) 商品開発部長

会社で一番の美人で、モデルもこなし、仕事もできる。
社長の愛人という根の葉もない噂もある。
女子社員は陰で「倍沃」(べよう)と呼んでいる。
本人はそれに気づいているが、そのことはまんざらでもないらしい。
なぜなら倍沃(べよう)はコルセットダイエットの一番人気のバーヴォーグ(Burvogue)の漢字名だからである。
そして今では美咲にとってのコルセットの師匠でもある。

戸田 由喜枝

正社員なのになぜか不定期出勤で誰もが一目置く存在。
ミシンの達人であっという間にあらゆる服のお直しをしてしまう。
ミステリアスな存在である。

秋ヶ瀬 翔太

美咲の彼氏で同僚。
お人好しで頼まれたら断れない性格。
美咲にだけはなぜかやたら強気。
それ以外は未設定。

水判土 迦皇(みずはた かのん)

元フリーのSE。
萌華(もか)の兄の塁の友達の弟。
萌華(もか)が片思いを寄せている。

須賀谷メロ、森掛(もりかけ)桜、倍賞泉花(せんか)

WEB営業部WEB企画課の三人組
リーダー格で意地悪な須賀谷メロ
嘘付きの森掛(もりかけ)桜
強欲の倍賞泉花(せんか)
社内ではいわゆる腫物だが、本人たちは・・・


神園社長

美咲が務める会社(エンジェルスシンジケート)の社長。
高校生の娘がいる。

妻沼WEB営業課課長

美咲の直属の上司風。
課付きの課長なので実際には部下はいない。
理屈っぽく行動力はない。
ハゲデブで脂ぎっている

川里経理課長

萌華(もか)の直属の上司。
寡黙でなんでも他人事の態度。
貧相なガリガリ出っ歯。

トリサミットソン社(やしろ)先生

旧姓は小川。
両親が経営する白蓮総合病院の内科医。
ダイエット外来を担当している。
大関一家に毎週土曜日ダイエットレクチャーを実施。


■作者紹介■

)プロクビレイター(のAbooです。
世界中のウエストを くびれ させることが野望のプロのクビレイターです。
クビレイトに欠かせないものといえばコルセット!
コルセットで肋骨を引き締めることでアンダーバストからヒップにかけて整形級のボディラインを作っちゃおうっていう痩身術です。
世間ではコルセットダイエットなんて呼ばれています。