👣❔佐々木大蔵👊❔
39戦22勝(5KO)16敗1分。
KREST所属オーソドックスの選手。
前田憲作氏のチームドラゴンが作り上げたガチスパー上等の龍の巣は今もKRESTで継承されており、佐々木はその中でも強いとKRESTの選手に言われているのをよく目にする。
武尊曰くキックボクシング界のレアル・マドリードKREST軍団の中でもかなり強いという事はさぞKO率も高い選手なのかと思えば、22勝の中でもKOは僅か5回。
しかもそのKOも約5年前に遡る。
そこから勝ちは全て判定。
瑠輝也が会見で言っていた通りぶっちゃけ地味だとは思う。
私個人の意見を言うなら日本人の中では強い。
ただK-1が滅多に呼ばない世界的な強豪にはまず太刀打ちできないだろうという印象。
ただ地味だろうがkrush王者になり世界トーナメントに二度出場。
去年のトーナメントでも準優勝しているのだから油断できる相手ではない。
何故地味な筈の佐々木大蔵はガチスパーで強く、それだけの戦績をおさめているのだろうか(有力ジム所属で優遇的な試合の機会は多いとは思うが)…
👼クイック左ミドル👼
昨今の佐々木の試合運びの最大の特徴の一つとしてクイック左ミドルが上げられる。
一般的な左ミドルはサウスポーが打つモーションのある蹴りだが、オーソドックスの打つ左ミドルはノーモーションの蹴り。
📀佐々木大蔵VS平本蓮Ⅰ📀
クイック左ミドルは勿論それだけでKOできる様なモノでは無い。
だがノーモーションの蹴りは反応し辛く、特にパンチ主体の選手ならば近寄る前に中間距離でペースを握られる。
瑠輝也の様にリーチのある選手ならできる対策はフラッシュの左ジャブ…と言うより強打の“左突きを”合わせる事…
クイックだろうがそうでなかろうが蹴りを打つ時はガードが下がるそこを狙う。
📀マラット・グレゴリアンVSスーパーボーン・バンチャメーク📀
クイック左ミドル対策としてはマラット・グレゴリアンの動き。
📀金子晃大VS隼也ウィラサクレック📀
そして金子晃大のこの試合はクイック左ミドルの分かりやすい攻略法だろう。
ガードを固めてしまえばペースを握られる。
無理やりにでも強打をぶつければ良い。
👼 左ジャブ👼
個人的に特殊な左ジャブでまず思い浮かぶのはフリッカー。
フリッカーと聞いてまず想像するのはボクサーのトーマス・ハンズ。
📀トーマス・ハーンズハイライト📀
或いは漫画はじめの一歩の登場人物の間柴了のフリッカー…
これらは腕をだらりと下げたデトロイトスタイルと呼ばれる構えからしならせる様に打つ下からの軌道のパンチだが、佐々木の打つジャブはフリッカーとまでは言わないがやや下からスナップを効かせて打つパンチ。
前手を出し肩を下げた所からスナップを効かせて放つ左ジャブは到達距離が短く相手からすると対処し辛い。
📀佐々木大蔵VSサム・ヒル📀
対策としては佐々木が左ジャブで組み立てをする序盤に思いっきり右の強打を合わせる事。
📀中澤純VS左右田泰臣Ⅱ📀
或いは逆に佐々木自身リーチは長くないので逆に佐々木の得意なクイック左ミドルを蹴り込む事。
左ジャブ単発で組み立てする選手ならこれらで対処できると思う。
…と言うかボクテクもリーチも瑠輝也が上回っているので、ジャブの差し合いでも瑠輝也が勝つような気もする。
まぁそこで右オーバーハンド狙われたら万が一もあるし…
ただそこを敢えて誘うのが手ではあるが(後述)。
👼印象的な攻撃👼
佐々木は基本的にはクイック左ミドル・左ジャブ主体の地…じゃなかった基本に忠実な選手だが、お前そんなんできたんかい⁉️みたいな印象的な攻撃を出す事がある。
📀平本蓮VS佐々木大蔵Ⅱ📀
平本蓮との2戦目に魅せたアッパー。
📀佐々木大蔵VS中澤純📀
中澤戦で魅せた上段右ヒザ蹴り。
あとYouTubeに動画は無いが、一度敗れている岩崎悠斗との試合でダウンを奪った左ボディの位置から軌道を変えたショベルフック?は会場で観たが芸術だった。
試合中の閃きか試合前から準備していたかは分からないが、普段の試合で出さない技で乾坤一擲のダウンを奪う佐々木は今回の試合でも事前に何か用意してくるかもしれない。
勿論至近距離でのアッパー・ショベルフックは要注意だが、瑠輝也相手に佐々木がダウンを奪う為に準備してくる可能性のある技は恐らく“右オーバーハンドフック”だろう。
右オーバーハンドフックは分かりやすく言えば大振りの右スイングパンチで、勿論それだけを連発する様なモノでは無いが下からの軌道で読み辛く、前手を出す構えで意識していない時に貰ってしまえばKO必至の一撃になる…
右オーバーハンドフックについては私の格闘技の技術について考える様になったきっかけのメキシカンボクシングの“ボラード”があるが、現状はMMAの選手やキックボクサーがメキシカンボクシングの動きをしているのは見た事は無い。
ただキックボクシングでも右オーバーハンドフックを得意とする選手は複数人いる。
その中で右オーバーハンドフックが得意な木村ミノルと神保克哉が攻略されている試合がある。
📀ジョーダン・ピケオーVS木村ミノル📀
この試合においては木村ミノルの右オーバーハンドフックをピケオーはガードを固めてブロックで対処している。逆に城戸や牧平の様な前手を出す構えだとモロに喰らってしまう。
私は縦ガードどうなんだと言及する事があるが
云わば力任せに真正面から振り回すオーバーハンドフックに縦ガードは有効な構えであると言える。
要は使い分けだと思う。
分かりやすく言えば…
📀ゴンナパー・ウィラサクレックVS瑠輝也📀
ゴンナパー戦の様に八の字。
いわゆるムエタイガードなら右オーバーハンドフックは貫通する。
📀瑠輝也VS山崎秀晃📀
この試合の様にきちんと縦ガードの構えで固めれば大丈夫。
📀小西拓慎VS神保克哉📀
また、この試合では神保の右オーバーハンドフックを小西がウィーピングで対処している。
あくまで顔面を狙うスイングフックなのでウィーピングして上体を振れば貰い辛いし狙い辛くなる。
右オーバーハンドフックはあくまでボラードとは違うのでこれで充分対処できる。
また余談だが、この試合の小西は神保の右腕に左ミドルをよく当てている。
パンチを殺す手段として良策だと思う。
…以上ここまでは佐々木の良い部分とその対策。これは私なりの考えだがKRESTのガチスパーはいわば狭い空間で真正面で相対する逃げ場のない攻防。
武尊が相手を失神させているのをインスタで見掛けた事があるが、あくまで基本的に相手をボコボコにする実戦さながらのガチスパーと言え試合の様に相手を倒す事はあれども失神させる事は稀だろう。
真正面の攻防の中でガードを固めてクイック左ミドル・左ジャブを巧みに使える佐々木のファイトスタイルなら相手を支配できるのでは無いだろうか。
だからこそ佐々木はガチスパーで強いのかもしれないし試合でもそれが活かされている。
ではこれからは佐々木の悪い部分のその対策。
佐々木の得意技のクイック左ミドル・左ジャブはあくまで相手がオーソドックス前提の技でありサウスポーには相性が悪い。
そして佐々木の場合は考え過ぎるが故にゲーオ・ゴンナパー戦の様に手が出なくなってしまう。
5年前にサウスポーの早坂太郎をKOした時はそれらの武器は無く右オーバーハンドフックと飛び込み左フックでKOしているが、得意技が出来てからそれ前提の試合運びが念頭にある為にサウスポーが苦手になったのかなとは思う。
また、恐らくKRESTのガチスパーは真正面からの攻防であり、サウスポーに距離的優位の試合をされるのには対応し辛くなるのだろう。
📀ゴンナパー・ウィラサクレックVS佐々木大蔵📀
📀ゲーオ・ウィラサクレックVS佐々木大蔵📀
👿平本蓮と似た様なタイプ👿
📀平本蓮VS佐々木大蔵Ⅱ📀
K-1での平本蓮との試合で魔裟斗氏が「お互い似た様なタイプですよね。」と言う旨の言葉を何度か発している。
当時の私は「えっ?一緒にすんなよ。」と感じていたが、実際見直してみると体格・構えとよく似ている。
魔裟斗氏は解説を聞く限り事前に選手の試合動画をわざわざチェックしているとは思えない。
だが本質を捉える解説をする。
この試合では平本蓮が3Rに佐々木を得意の打ち合いでダウンを奪い勝利したが、2Rに佐々木がアッパーの連打でペースを握っていた。
佐々木の構えについては後述するが要はアッパー、つまり下からの攻撃が入りやすい構えだと思っている (因みに元朝久道場の岩下隆樹にはアッパーでダウンを奪われて敗けている 。良い選手だが引退したらしく残念だ。)
👿筋肉ブロック👿
📀HIROYAVS佐々木大蔵📀
この試合を視れば分かりやすいが、佐々木は兄弟子の山崎秀晃と同様にアウトローを筋肉ブロックで耐える傾向にある。
HIROYAは日本キックボクシングにおける強いローを蹴れる選手の1人であり、まぁHIROYAレベルでなければこの試合の様にはならないだろうしそれだけの耐え得る修練を積んでいると思う。
だからインロー・関節蹴り(直下型)・ヴァレリーキックの様な蹴りは有効に感じる。
耐えてくれるなら耐えられない蹴りを出せば良い。そこに意識を集中させて二段蹴りを狙う。
…以上が大まかな悪い点。
そして私が佐々木が世界に通用しないと考えてしまう点が最後の1つ。
👿構えの癖👿
佐々木は基本は前手を出す構えだが、連打を浴びる際にはガードを縦ガードに固める。
ヘッドギアがあればそれで凌げるだろうが実戦ではそうはいかない。
KRESTの選手でもディフェンスの局面でガードを亀の様に固める選手がいるが恐らく武尊・山崎秀晃の様な豪腕系の選手と普段からガチスパーをしているからだろう(バダ・ハリとスパーしてるピケオーなんかもそう)。
それ自体は間違っていないが、事前に分かっていれば隙間を攻める戦略を立てれば良い。
📀武居由樹VS石田圭祐📀
ダウンを奪われるきっかけは大体は側面のディフェンスの穴…
📀木村ミノルVS佐々木大蔵Ⅱ📀
連打で追い込みガードを固めさせて側面から回し込む様な大振りのフック…
佐々木のガード自体は顔のやや側面に固めている為、その奥にある耳の裏…つまりアンダー・ジー・イヤーを狙うのが良いだろう。
因みにこれが私が佐々木が日本人の中ではともかく世界では…と思う要因であり、もしフィジカル便りの強豪外国人を相手にすれば強引に大振りのフックで攻められればどうしようも無いだろう。
そしてもう1つ…
強打…例えば右ストレートを打つ時に左ガードが下がってしまう傾向にある。
これはゴンナパー戦の卜部功也もそうだったが、空手家故の引き手の名残なのかもしれない。
先ほどのガードを固めさせるのとは逆にガードを固めて誘い、ガードの下がった所ならリターンの右フック。
あるいはウィーピングorバックステップ→右ハイ(ゲーオも以前石井宏樹相手に打ってたが、ここはゴンナパーハイとしよう)を当てる事も可能かもしれない…
これらの構えの癖こそが佐々木の最も付け入る点と言えるだろう。
✨戦略✨
前回同様に開幕左ハイ(ゲーオハイ)をR始めに狙うのは勿論アリだが、下が貫通するのであえて思いっきり倒すつもりで顔面前蹴りを狙うのはアリかもしれない。それでまず動揺させる。
そこからの試合運びとしてクイック左ミドル・左ジャブを打てないサウスポー構えで左ハイ・三日月蹴りを伺わせながら、左ミドルでまずは右腕を潰し右オーバーハンドフックを満足に打てなくする(オーソドックス構えにしてもクイック左ミドル主体)。
どこかで右オーバーハンドをぶちこんで来る可能性あるのでガードは要注意。
ただそこにゴンナパーハイを合わせられれば…
今回も身長差があるので打ち合いはしない方が良いとは思う。だから一方的に殴る。
パンチで攻める場合は連打で固めて、側頭部(耳裏)をまずは狙いそこからバリエーションを増やし左鉤突き、アッパー、顔面に飛び膝を突き上げる。
キックならブラジリアンハイキックは間違いなく有効だろう。
二段蹴りを狙うならアウトローのみでなく、インロー・関節蹴り(直下型)・ヴァレリーキックで意識を持っていった所に打ち込む。
以上、試合を終わらすイメージが一番あるのは右の大振りを誘って左のガードを下げた所に右のゴンナパーハイm(_ _)m
😆👑👑試合動画確認👑👑😆
1R:瑠輝也(10-8)
瑠輝也はサウスポー構え。
開幕左ハイから試合が始まる。佐々木はバックステップでかわす。
佐々木はやはりサウスポー相手には攻め手が少ないか手数が少ない。
瑠輝也は右腕を左ハイで蹴り込む。
逆に佐々木は右ミドルを蹴るがクイック左ミドル程のキレは無い。
その後も左ハイ連打、下がらせた所に左ストレートを打ち込み瑠輝也がダウンを奪う。
試合再開後オーソドックス構えになり顔面前蹴りで攻め、パンチの攻防。二段蹴りも繰り出すがここはバックステップで避けられる。
ここで瑠輝也は再びサウスポーにスイッチ。
そこからやや互いに手が出ない展開が続く。
瑠輝也が無理矢理攻め込むシーンもあるが佐々木はかわすのに終始したイメージ。
2R:ドロー(10-10)
2Rも瑠輝也はサウスポーからスタート。
瑠輝也は左ストレート・左ハイと攻め佐々木はインロー・足払いと返し瑠輝也はやや体勢を崩す。
瑠輝也はオーソドックスにスイッチしている。
瑠輝也のインロー。
そこに佐々木のクイック左ミドル。
オーソドックスにはこれが打てる。
佐々木は更にワン・ツー。やはり明らかに右を打つ時ガードが下がっているが、瑠輝也はバックステップで回避に留まる。
ここからは真正面からの攻防。
佐々木がスマッシュ気味のパンチを出せば瑠輝也はワン・ツー→左ボディ→左ジャブ→右ハイと繰り出す。佐々木は笑顔を浮かべている。不気味だ…
そこから瑠輝也は左のクイックミドル。
佐々木は顔面前蹴りを繰り出す。当たりはしないがこれは驚いた。
瑠輝也も顔面前蹴りを返すが佐々木は巧く回避する。佐々木は突き上げるスマッシュの軌道のパンチに、弱いオーバーハンドライトを匂わせ右インローを奥足に入れて瑠輝也の体勢を崩す。
威力は全然無いだろうが物凄く嫌な攻撃をする…
ジャブの差し合いでは瑠輝也が勝るが、瑠輝也のクイック左ミドルに佐々木は奥足への右インロー…度々瑠輝也が崩れる場面がある。
そこから前進する瑠輝也に佐々木はクイック左ミドルを連打。右アウトローをコツコツと当て地味ながらペースを握る。
尚も佐々木は右ヒザを上げながらスーパーマンパンチ気味の右パンチに左フック。
瑠輝也はガードはしっかりしている為ダメージは無いだろうが嫌な流れだ…
更に佐々木は一旦右ヒザを上げて急角度の顔面前蹴りを繰り出す。これも瑠輝也は本当によくかわした。
そこから瑠輝也はサウスポーにスイッチ。
こうなると途端に佐々木の手数が減る。逆に瑠輝也はワン・ツー→右フック→右ジャブ→左ハイ→ワン・ツーと猛攻を仕掛ける。
瑠輝也は魔裟斗氏に攻められたら弱いと実況で言われているがサウスポー構えなら攻め辛くは出来る。
佐々木はまたしても笑っている…
瑠輝也はワン・ツーを打つも隙間を縫う様な左ショートフック。当たりはしないし威力も無いだろうが恐ろしい…
瑠輝也はオーソドックスにスイッチ。
そうなると佐々木は中に入りコツコツと左アッパーをガードの隙間から入れる。
威力は無さそうだ。
その後の攻防でも佐々木は弱右オーバーハンドから右奥足インローで瑠輝也を崩す。
瑠輝也は左ジャブ。
これは佐々木の顔面を捉えるが右ハイは避けられて当たらない。
その後も佐々木は左アッパーをコツコツ入れラウンドは終了。
3R:10:9(佐々木)
瑠輝也はサウスポー構え。
瑠輝也の左ハイから試合がスタート。左ミドルに佐々木はインローを返す。
瑠輝也は更にテンカオを打つが巧く当たらず転倒する。
佐々木は右ミドルを狙うが瑠輝也には当たらない。本当にサウスポーが苦手だな…
続けて瑠輝也の左ハイ、これは佐々木の右腕を捉えている。
ここで瑠輝也はオーソドックスにスイッチし左ジャブ。これが顔面を捉え前進しパンチ・飛びヒザ・サウスポーにスイッチしての左ストレートと攻撃するが佐々木には巧く当たらない。
最後の左ストレートは前蹴りで止められている。
ここからはオーソドックス同士の真正面からの攻防だが明らかに佐々木が優勢。ボディブローを交えクイック左ミドルを巧く交えている。
打ち合いでも佐々木優勢だが瑠輝也は左前蹴りで距離を空け左フックを巧く当てる。
そのままの展開で試合終了。
📀安保瑠輝也VS佐々木大蔵📀
😆👑👑雑感👑👑😆
今回の試合で感じたのは瑠輝也と佐々木の格闘技観の違いだった…
佐々木が62.5キロのkrushの王者だった時から瑠輝也は佐々木を何度も挑発してきた。
瑠輝也は恐らく王者なら俺の挑戦を受けてみろ。
俺の方が強い。
俺の方が王者に相応しいという思いがあっただろう。
佐々木は散々歳下の生意気な若造に挑発され、今回の試合前の会見でも散々地味だと言われ続けてきた。
増していつもセコンドにいる兄弟子の山崎秀晃が大阪でKOでやられている。
そして迎えたさいたまスーパーアリーナという何万人もの観客を飲み込んだ格闘技の聖地での試合…
ここまでのシチュエーションが揃えば格闘家なら…いや格闘家で無くても生意気な若造を倒して俺の強さを思い知らせたいと思うもんじゃないだろうか?
1Rにダウンを奪われ無理矢理にでもダウンを奪い返してやると思うもんじゃないだろうか?
その展開で佐々木が繰り出しペースを握った技は背の高い瑠輝也を右オーバーハンドで殴り倒すのではなく、弱右オーバーハンド→奥足インローだった。
そこからの上段前蹴りは当たりこそしなかったが、瑠輝也が海人に上段前蹴りでKOされているシーンを観た事のある私にとってはまさか狙っていたのかと肝を冷やす思いだった。
試合中笑みを浮かべて前に出る佐々木にははっきり言って凄味を感じた。
チャムアクトーンが浮かべる笑みとはまた違う…
山崎秀晃戦の猛獣同士の殴り合いで瑠輝也自身が浮かべた笑顔ともまた違う…
まるで豹に仕留められかけたシマウマが狂喜の笑みを浮かべて突進している様な感覚だった。
どう考えも噛み合う訳が無い…
年間最高試合賞を獲得し今回も俺が会場で一番のKOを魅せてやると炎の如き闘志を持って臨んだ瑠輝也の対戦相手は、まるで水流の様に相手をいなし会場を盛り上げるではなく自分のやるべき試合運びを遂行する男だったのだからm(_ _)m