この試合の期待度は正直それ程では無かった。
軍司泰斗はバンタム級としては明らかに体格が大きく、金子晃大は無敗とは言え6戦目で王座挑戦…
Krushバンタム級は正直層の薄い階級の印象で順当に軍司がフィジカル勝ちしてそろそろ王座返上するのかなくらいの予想だった。
1R:10-10(ドロー)
1R開始後右ミドルから入る金子にインローを返す軍司。
その後再び金子が右ミドルを当てた後はパンチ主体の攻防が始まる…
体を振りながら動く金子はパンチのクリーンヒットを貰わない、避けきれないパンチもきちんとガードしている印象。コンビネーションも素晴らしい。
残り2分32秒に金子のワン・ツー→左フック→右フックに軍司が左フック→右ストレートを巧く合わせて金子がダウンの様に思えるシーンあるもここはダウン判定にならず…ただこれは右フックを打って体勢が崩れた所に入っているのでダウンでないのが正解のように思える。
その後は軍司の左ボディー、右フック→左ボディーが金子を捉えたか。
このRはドローだろうか…
2R:10-9(軍司)
2Rは金子の左ジャブ、右ローからスタート…
やはりパンチのコンビネーションは金子だが、軍司は力強い左ボディー→左フックからのコンビネーションが金子を捉える。
その後もガードの低い軍司に有効打を入れているのは金子だが、やはり軍司の左ボディーの力強さは目立つ。R終盤には軍司の右ミドルにやや体勢を崩したがこれはタイミングか。
拮抗した展開だったが、左ボディー→左フックのコンビネーションの印象から採点は軍司のRだろうか…
3R:10-9(金子)
金子の左前蹴りに軍司がバランスを崩す所からスタートもやはりその後はパンチの打ち合い。
パンチの技術、蹴りのタイミング的にも金子が素晴らしいが軍司のフック主体のコンビネーションも負けてはいない。特に軍司の左フック→ワン・ツー→ワン・ツーのコンビネーションのスピードには目を見張った。
その後のローの蹴り合いも力強さでは軍司だが、単発右ストレートを頭を振ってかわす金子のディフェンス技術も素晴らしい。
その後も拮抗した展開が続くが印象的には軍司となるかと思いきや、金子の打ち下ろしの右が軍司を捉え始める。軍司も負けずに応戦し互いに譲らぬ打ち合いで試合が終わるかと思われた終了間際に、軍司の左フックの打ち終わりに至近距離から金子の打ち下ろしの右が軍司にクリーンヒット‼️このRは明らかに金子…
判定は三者三様の軍司、金子、ドロー。延長へ…
10-8(1ダウン奪い新王者金子)
金子の右ローが軍司を捉える所からスタート…見返すと毎回先手は金子だな。
自信を持って前に出る金子に負けじと軍司が応戦し、一進一退の展開が続く…
拮抗を破ったのは金子。軍司はガードが元より低く、密着した状態からの金子の右の打ち下ろしが軍司を捉える。負けじと前に出る軍司に金子の左のテンカオがボディーを捉えダウン‼️と思いきやこれはローブローにて試合が止まる。
試合再開後意を決した様に前進する軍司。
右ハイ・右の飛びヒザといった今までに無い攻めも見られる。
これが王者の底力か…
それでも引かずに応戦の金子を軍司の右ハイがクリーンヒット‼️
この右ハイで金子の右目尻にカットが見られるがキレたのは右目尻だけでは無かった…
スイッチが入ったかの様な金子の怒濤の如き右の打ち下ろしが一発二発三発四発‼️その後も右の打ち下ろしの三連打‼️右の飛びヒザから右の打ち下ろし二連打‼️三連打目をかわす為に後ろに引いた軍司に金子の追撃の打ち下ろしの右‼️
軍司は踏み留まるもワン・ツーを打ちながら崩れる様にダウン‼️鳥肌モノの素晴らしい攻防だった…
打ち下ろしの右のイメージは…
こんな感じで長身の選手が真上から打ち下ろすイメージだったが、金子はそれ程長身ではない。
だが特に3R終盤の打ち下ろしの右はストレート系のパンチを満足に打てない至近距離ではかなり有効だと思う。
そして金子の右の打ち下ろしを躊躇いなく振り抜く姿には、以前西成の路上で目の前で見た若いヤンキーの顔面にフルスイングの右の打ち下ろしを叩き込んでいた日雇い労働者の姿…じゃなかった普段おっとりした可愛らしい武居由樹が試合中に魅せる無慈悲なまでな攻めに通ずるモノを感じた。
武居由樹VS金子晃大…
POWEROFDREAMとシルバーウルフという互いにパンチの技術の高い選手を育てるのが巧いジム同士の、また違ったテクニックを持つパンチャー対決がK-1の舞台でもし実現すればどうなるか楽しみにしているm(_ _)m