LALAPALOOZA (ララパルーザ)とは地響きという意味で、初めてその言葉を知ったのははじめの一歩というマガジン連載のボクシング漫画の主人公である幕之内一歩とライバルである千堂武士の試合…
個人的な認識としては好敵手と巡り合う事で互いに刺激を受け、試合中に本来の力以上のパフォーマンスを魅せた試合の事だと思っている。
この他にも私自身が実際観戦した試合では野杁正明VS山崎秀晃1戦目・塚越仁志VS渡部太基2戦目も該当する様に感じるが、小笠原瑛作VS江幡塁の試合についてもLALAPALOOZAと呼ばれるに相応しい名勝負だった。
1R:10-10(ドロー)
序盤より互いに前に出る二人…
江幡がインロー・右ストレート・右ハイで小笠原を脅かせば、小笠原は左ロー・回転の速いパンチで対抗する一進一退の展開。
ただ江幡は縦ヒジを入れ、江幡に鼻血が見られる…
見返せば1Rから江幡は明らかに右ストレートを最初から狙っている。
生放送を視ていた時はガードをきちんと構える江幡と、ガードを低くする構えの小笠原ではそれまでガードをきちんと意識する江幡が正しいと感じていたが、今回の試合に限ってはガードをきちんと構える動作すら邪魔となり、スピードで小笠原が優位に立つのかと感じていた。
2R:10-9(小笠原)
1Rのスピードより更にギアを上げ前に出る二人…
徐々に小笠原がオーソドックスの江幡に対し、左奥足ロー・左インロー・左ミドルの蹴りを交えたコンビネーションでペースを握り始める。
一方の江幡は蹴りが少なくなって来たが笑みを浮かべながらパンチを奮う。
3R:江幡ワン・ツーにてKO勝利
2Rの余勢を駆り前に出る小笠原…
一方の江幡は早いテンポのパンチの6連打のコンビネーションを魅せる。
決着が着いたのは試合中盤、解説者の「小笠原選手の…毎回違う攻撃って嫌ですね」という言葉に反する様に、小笠原が強い左ミドル1発・2発・3発、4発目は前蹴り、左回りにスライドする江幡に小笠原は5発目の左ミドルをかわされ6発目に右フックを打った所に狙い澄ましたワン・ツー。
小笠原は大の字で失神KO敗けとなった…
小笠原瑛作のオフェンス技術は威力・スピード・センス全てに置いて他団体含めても軽量級ではトップクラスだろう…
他団体の話にはなるが、サウスポーの武居由樹のフットワークを止められる様な強い左ローを打てるのは小笠原しかいないと思っている。
ただオフェンスに意識が行き過ぎる傾向がありディフェンス面では危うさがあり、今回はモロにそこを突かれてしまった。
格闘技の神様に愛された小笠原の次戦に期待したい m(_ _)m
江幡塁については前回の宮元啓介戦では真価を発揮できなかったが、今回は素晴らしい勝利を収めた。
対ムエタイに特化した静のファイトスタイルであり天心とやれば厳しいかもしれないが、今後も強豪との試合…出来れば双子の弟の江幡睦と一緒にKNOCKOUTで活躍する姿を楽しみにしている m(_ _)m