新型コロナウイルス流行の影響で多くの産業が被害を受けているなか、とりわけ危機に瀕(ひん)しているのがホテル業界である。観光地のホテルや旅館では、ウイルスの脅威が広まるにつれ、日本人観光客だけではなく外国人観光客の予約キャンセルも激増。2月には愛知県蒲郡市の観光旅館「冨士見荘」が、中国からの団体ツアーのキャンセルが相次いだことを受け経営継続を断念している。
ホテル評論家の瀧澤信秋氏は昨今のホテル業界事情を次のように語る。「インバウンド需要は年々増加しています。2015年に約2000万人だった外国人観光客は、19年には約3200万人まで増加。今やインバウンド需要はホテル業界にとって欠かせません」
だからこそ今、新型コロナの流行による外国人観光客の激減が大きな痛手となっているわけだが、実はホテル業界の苦境はそれ以前から始まっていた。それはホテルの「供給過多」の問題だ。「16年頃は外国人観光客が増え続ける一方で、京都などの観光地では深刻なホテル不足に陥っていました。18年の民泊解禁で状況はやや解消されましたが、宿泊料金は高いまま。そんな状況を受けて、ホテル開発計画が次々と立ち上がったのです。
しかしその結果、今ではホテルが増えすぎてむしろ供給過多になりました。それだけでもマズいのに、追い打ちをかけるように新型コロナの影響が広がり、関係者の思惑は完全に空振ってしまった形です」(瀧澤氏)
情報元
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200316-01109160-playboyz-bus_all