オイリュトミー仙台公演 「蝶たちのコロナ」

オイリュトミー仙台公演 「蝶たちのコロナ」

コロナ311仙台実行委員+月のピトゥリ より発信させていただきます

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      オイリュトミー仙台公演 『蝶たちのコロナ』

および、講演会・オイリュトミーワークショップ のご案内

新しい年も早、節分の時期を迎えました。寒明けとは申しますが、厳しい寒さの中、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、私共、コロナ311仙台実行委員会+月のピトゥリ は、来たる2014年3月11日() エル・パーク仙台スタジオホールにおきまして《オイリュトミー仙台公演「蝶たちのコロナ」》を上演する運びとなりました。また、本公演を間に挟みまして、3月9日()には講演会「境域の時代を生きるオイリュトミー」を、翌12日()にはオイリュトミーワークショップ『「蝶たちのコロナ」を内側から体験するワークショップ』講師笠井叡氏(両日共) を企画しております。

オイリュトミーについては本公演パンフレットの中で、「ブリタニカ国際百科事典」より引用の内容を参考にしていただければと思いますが、ルドルフ・シュタイナーによる、19世紀初頭のオイリュトミー誕生から一世紀を経て現在、オイリュトミーは芸術・教育・治療と、各分野にて多様に展開されております。

ルドルフ・シュタイナーは晩年の講義の中で、様々な色彩を伴う黒板絵と共に、多くのイマジネーションに富んだ言葉群を遺しました。それらは黒い紙にチョークで描かれた1000点に及ぶ講義画で、半世紀以上もドルナッハ(スイス)の倉庫に眠っていたものが1986年に再発見され、日本では1996年に「遺された黒板絵」として筑摩書房より出版されました。現代アートに通じるその内容に、発掘者は驚嘆したと言われています。

本公演「蝶たちのコロナ」は、それらの言葉群より20数点を選び出し、オイリュトミー作品として、動き、音楽、朗読、照明等を融合した総合的な舞台作品となっております。


一方で笠井叡氏は、ダンサー・オイリュトミスト・コレオグラフアー(振付家)として国内外で数多くの作品を手がけて来られましたが、そもそも仙台と笠井叡氏とは、1980年にオイリュトミーが初めて日本に紹介され、各地で上演された当初以来、30余年のご縁があり、その間に仙台からは4名のオイリュトミストが、氏の主宰するオイリュトミーシューレ天使館から輩出されて今日に至っております。

さて、3年前の 2011年3月11日 東北を襲った「千年に一度」と言われる天変地異の体験に加えて、その翌日から私たちは、原子力発電による天文学的数字の、不可視の脅威に動揺することになりました。

___世界は変容した。との思いを自らの内に沈めた上で、今、私たちはそれぞれの “それから” を生きようとしている とは言えますまいか。

東北の 大地・自然 のみならず、地球規模で、人間と大自然との間に生じた出来事の意味を俯瞰しようとする時、あるいは、ベクトルを内に向け、自らの魂に出来事の意味を問い佇む時、オイリュトミーについて語る笠井叡氏の言葉はひとつの”道標”となり得るのではないか、“あの時”から満三歳を迎えるこの東の地にこそ、氏の語るところの「コトバとカラダとが出会う、その一瞬の火花」の瞬間が必至と感じた次第です。


―2013年9月「蝶たちのコロナ」東京公演プログラム笠井叡氏挨拶文より抜粋―

「声としての言葉」とカラダの融合を目指しているオイリュトミーの身体技法において、日本語の響きの中に潜んでいるものを、カラダを通して掴み取り、その言葉の本源のちからを、あらためて、この大自然に投げかけて行きたいと思います。

「遺された黒板絵」は、人間の側から自然のほうへ投げかける「言葉の力」によって、大自然との新しい関わりの創造という一点に、すべての精神をもたらすよう、私たちを促しています。

自然がどれほど壮大で偉大であろうと、自然そのものは決して、私たちに宇宙的な創造力を与えてはくれません。生命創造の力は、コトバとカラダとが出会う、その一瞬の火花に於いてです。


新年、節分、ひな祭り、そして311へ、と季節の流れが結びつくようになって、今年2014年は、三回目の3月11日がめぐってまいります。

オイリュトミーを通して顕される カラダ と、その 空間性 には、機器とシステムとヴァーチャル の区画を生きる私たちの未来に、ひとつの有機的な波紋を生じさせる可能性があることに期待して、本公演および、本企画をご案内申し上げる次第です。

春の植物たちの芽生えの頃、多くの皆様にお運びいただきまして、未来に向かう発芽の兆しを共有して頂くことができれば、私共実行委員会一同、何よりの幸甚でございます。




二月吉日

               コロナ311仙台実行委員会+月のピトゥリ

                          代表  鯨 井   園