季節がどんどんと進んでいる。去年のペースよりは遅れているように思うが。

 

↓ハナズオウ(花蘇芳)

 

ハナズオウ(花蘇芳、Cercis chinensis)は中国原産のマメ科ジャケツイバラ亜科[1]落葉低木で、に咲くが美しいためよく栽培される。

 

高さは2-3mになり、はハート形でつやがあり、葉柄の両端は少し膨らむ。早春に花芽を多数つけ、3-4月頃に先立って開花する。花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。は紅色から赤紫(白花品種もある)で長さ1cmほどの蝶形花。開花後、長さ数cmの豆果をつけ、からに黒褐色に熟す。花蘇芳の名は、花弁の色がスオウ(蘇芳)で染めた色に似ているため。

 

半生の狂ひしときの花蘇芳 山田みづえ

筆文字の艶に色増す花蘇芳 河野多希女

形見には帯こそよけれ花蘇芳 神尾久美子
愚直なる色香の蘇芳咲きにけり 草間時彦

紅梅の空は蘇芳や実朝忌 久米三汀

 

ラクウショウ(ヌマスギ)の新芽(若葉)

 

ヒラドツツジは咲きはじめ

モッコウバラも

日当りのいい場所のアカバナ トキワマンサク 2,3日で満開のはず

万作と常盤万作とでは印象が全く異なる。

どちらも満作として詠われているのであろう。

掃き集め常盤木落葉ばかりなる 高浜年尾
 
常盤木の堅木を頼め鬼打木 中村泰山
 
白きもの又常盤なりふじの雪 雪 正岡子規
 
常盤木や冬されまさる城の跡 冬ざれ 正岡子規
 
常盤木にまじりて遲き紅葉哉 紅葉 正岡子規
 
常盤木の落葉に鳥の声凄し 常磐木落葉 正岡子規
 
常盤津の会ある寺の桜哉 桜 正岡子規
 
常盤木の林の中や赤椿 椿 正岡子規
 
雪折れの枝落つ常盤御前の墓 山口耕堂
 
滑木割る常盤御前の墓の前 森 靖子
 
常盤木の闇そだてをり十三夜 本宮鋭太郎

以下の句には常盤満作を詠ったものはない。

万作は微風を糧として漫ろ 高澤良一 石鏡
 
万作黄葉亡母天空にありとせり 金子皆子
 
鶏乗り童子山駆けて万作が咲く 金子皆子
 
万作や万葉仮名の八一の書 田部みどり
 
万作まんず咲いて妻の大きな欠伸 山鹿精一
 
万作の花の貧しき黄色かな 倉田紘文

高澤さんの句はみな面白い

谷間谷間に満作が咲く荒凡夫 金子兜太
 
満作の鉤十字(ハーケンクロイッ)靡かせて 高澤良一 素抱
 
ヒトラーの雄辯満作前にして 高澤良一 素抱
 
満作はお天道様のおかげ咲き 高澤良一 素抱
 
満作植う根方を強く足固め 高澤良一 寒暑
 
満作の小出しに咲ける臆病花 高澤良一 寒暑
 
満作の昼臈たげな気息かな 高澤良一 寒暑
 
満作の昼素通りの郵便夫 高澤良一 寒暑
 
満作の綻び初めぬ空鳴る日 高澤良一 寒暑
 
桃・満作咲きてとんとん拍子の春 高澤良一 寒暑
 
満作を前に餃子のげっぷかな 高澤良一 寒暑