私の趣味、一杯、プロフィールに書きこんでいるが、
書きおとしているものの中に、family tree(家系譜作成)がある。

         我が始祖は赤松村の踊り子草

姫踊子草


私、一応、美作生れ。しかしそこに今も居住する一族は、17世紀の末(1689年 元禄2年)に、その地の移転してきた人物を初代としている。

 そこへ移転する前の村の名は分かっている(今も、美作インターから湯郷温泉へ向かう道路の大きな交差点の名として残っている)が、その村の何処に住んでいたのか、その墓は何処にあるのか、何故移転した(移転せざるを得なかった)かは家伝としては本家その他どの分家にも残っていない。
(残っていないということは、隠された可能性が高い。栄誉・名誉・成功・繁盛と関係あれば、高らかに誇張されて残されたはずである)。

 私は、交差点の名になっている旧村の中心地がどこであるかさえ知らない。

 我が近祖はしかし実家の屋号の初代ではない。4代目である。
分家初代は1860年(桜田門外の変があった年)に亡くなっている。

 1689年にこの地に居を構えた一族から約200年後に本家から分家したことになる。
 分家の先輩は3家ほど同じ集落に残っている。その分家からまた別れた家も何軒かある。

私が「近祖」と呼ぶ人物は、よって「初代」でも「本家」でもない。ましてや始祖ではない。 遠祖・始祖・近祖などと使い分けしているが、用語不足である。
私は、時代順に現在の親族関係の基礎になっている人物を「近祖」。その近祖が有する屋号の初代を「初代」、その初代が居住する現在地へ最初に移転してきた人物を「始祖」と呼ぶ。

 しかし始祖の移転は1689年、今から320年ほど前の元禄期である。
その前に美作の地へ新住地を得た「遠祖」がいる。名前も最低一つは残っている。(同一人物が頻繁に名を変える。百姓用の姓を名乗らない公式文書用の名以外に、姓付きの墓石刻み用、さらには系譜記入用など)。

 その父親は1600年9月17日に関ヶ原での戦傷で没している。西軍だったので、ここで地下に潜ることになり、亡命先に美作の地が選ばれた。そこに保護してくれる人(集団)がいたのであろう。

 私の姓はそこから出発するのではなく、一家の系図によれば、14世紀半ばにこれまた親方が戦いに敗れた地で、姓の変更を行い現在の姓を名乗ることになる。変更通知を提出する役所などはなかったのであろう。

この人物こそ「遠祖」であるが、すでに「遠祖」は別の人物用に使用したので「源祖」とでも呼ぶことにする。

 

 ところで、現在は二つの集落に分かれて先祖祭を「若宮祭」と称して行っている集団が、「ご先祖様」として敬っている人物は、現在姓ではない。智頭急行の駅名になっている人物である。

 私が「源祖」と呼ぶ人物たちを従属させていた(血縁その他の事情により)親集団が、これまた途中から採用した姓である。


 その集団を代表する人物こそ赤松村居住経験がある人物であり、その孫あたりが、ごく短期間、日本の正史に登場する。当時の政権を代表する人物を京都の自邸に招いて暗殺し、全国指名手配される。まさにalive or dead である。

「原源祖」とでも名づけるしかない祖先が
上にあげた 我が始祖は赤松村の踊り子草の始祖である。 

 源祖のご先祖様(らしき)人物(「原源祖」)にもご先祖がいる。
著名な系譜学者が編集なさった分厚い解説書(研究書ではない)によれば
この源祖のご先祖のご先祖(「元祖」ーがんそではなくげんそと読むことにするー)は「秦氏」であったようである。

秦氏とは平安京の地を提供した渡来人である。
何国人か? 朝鮮半島から来たので、朝鮮人と言えないことはないが、
この集団は、中国での政権移動によって半島へ逃れた逃亡者である。

ここでわがご先祖は、日本の弥生時代に相当するところまで遡ることになる。
秦の始皇帝が天下統一をしたのはBC221年(今から2230年前)。その宮廷官僚の書記官の側室の子供の養育担当乳母の父親の孫だって秦氏一族であったろう。

 画像は私の家系譜調査の拠点。霧がかかっている。



奈良朝時代、漢字の学習から初めて、生活全般にわたって諸技術・技能を、弥生人の後裔は渡来人から学ぶ。秦一族のヤマトへの移動は半端な数ではない。
500万人前後であったところへ、最大見積もりで10万人くらい移動してきていて
桓武天皇の母親もまたこの秦氏一族の出であったといわれるほど中央・地方(備前を含む)で影響力を発揮した。

 秀吉は、朝鮮半島へ兵を送るのに、何艘の船を利用したのかしらないが、
10万人が海を渡るためには、一艘に100人が乗って1000艘。難破して海の藻屑となった人も同数以上いたのではないか。
直近の事例では7メートルの小舟に乗って、4人の男性が冬の日本海を500キロメートル移動している。

                  正史から逸れて家系譜天の川

この句も家系譜作成作業中の感慨である。

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