2019/11/29追記

この記事は2018〜2019年の神奈川県での一例です。今後の法律の改正等で状況が変わることがあります。もし第一種動物取扱業を登録を考えているのであれば、この記事を鵜呑みにせずに、必ず管轄の都道府県や市区町村へ問い合わせのうえ、必要事項を確認して下さい。

 

最初に

第一種動物取扱業の登録がつい先日完了しました。

 

私は今までペット産業に関わったことも、動物関連の学校にも在籍したこともありません。そんな私がなぜ動物取扱業の登録を目指したかと言うと、ペットスネーク(爬虫類)の繁殖・販売を行おうとしたからです。

 

コーンスネーク(ラヴァ)

コーンスネーク(ラヴァ)

 

経験が何もない私でも1年弱で動物取扱業の登録ができました。この経験をもとにこれから動物取扱業の登録を目指している方の助けになれば良いかと思いこの記事を書きました。

 

ここでは2018〜2019年の神奈川県での体験をベースに記事にしております。

 

土地と建物

動物取扱業を取る上で一番重要なものは、飼養施設の設置です。施設を設置するには土地と建物が必要となります。(飼養施設を設置しなくても動物取扱業の申請はできるようですが、繁殖・販売をする場合は必ず飼養施設は必要となります。)

 

まずは飼養施設を設置しようとしている土地・建物で動物取扱業が営むことができるか確認が必要です。土地と建物を所有している場合は問題ないのですが、アパート等賃貸の場合は大家さんや管理会社から「使用承諾証明書」を貰わないといけません。私の場合土地・建物(一軒家)を所有していたのでクリアできました。

 

また、都市計画法で第一種動物取扱業の営業ができない場所もありますので、事前に役所へ確認をします。私の場合は市役所の都市計画の担当と相談し営業しても問題ないことを確認しました。

 

ここまで確認し、ようやく飼養施設の準備と配置に取り掛かることができます。先走って飼養施設の配置を先にすすめて、いざ申請しようとしたときに「実はこの土地・建物では動物取扱業の営業はできません。」となると時間とお金が無駄になってしまうので、確実に確認を取りましょう。

 

飼養設備の準備と配置

飼養施設に必要なケージや給水設備をなどの施設の配置をします。決められた設備を全て準備・配置する必要があります。私の場合は下記のような設備を設置しました。

 

①ケージ類・隔離設備

→飼育用プラスチックケース・メタルラック

飼育用プラスチックケース・メタルラック

 

②照明設備

→シーリングライト

シーリングライト

 

③給水設備・排水設備・手洗い設備

→洗面所(家庭用)

洗面所(家庭用)

 

④洗浄設備

→浴室

浴室(家庭用)

 

⑤消毒設備

→次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ソーダ

 

⑥汚物、残さ等の廃棄物の集積設備

→蓋付きのゴミ箱

蓋付きのゴミ箱

 

⑦動物の死体の一時的保管場所

→4Lの蓋付きプラスチック容器

プラスチック容器

 

⑧餌の保管設備

→小型冷凍庫(家庭用とは別で用意)

冷凍庫(家庭用とは別で用意)

 

⑨清掃設備

→バケツと雑巾

バケツと雑巾

 

⑩空調設備

→エアコン

エアコン

 

⑪遮光するため又は風雨を遮るための設備

→雨戸シャッター

シャッター

 

⑫温度計

→デジタル温度計

デジタル温度計

 

※「遮光するため又は風雨を遮るための設備」は屋内の場合設置は不要のようですが、元々雨戸シャッターがついていたので一応記載しました。

 

また、建物の構造では「清掃が容易で衛生状態の維持管理がしやすい構造」が必要となるようで、私の場合和室を飼育部屋にしていて床面が畳でした。さすがに畳では衛生状態の維持管理は出来ませんのでPVCシート(粘着)に貼り替えました。

 

畳を剥がして…

和室

 

PVCシートを貼りました

PVCシート
 
ケージは「衝撃による転倒防止措置」が必要となります。私は天井までつっぱることができるメタルラックと100円ショップで売っていたベルトを巻いて転倒防止措置を図りました。後々、調査員が来たときにラックの固定具合やベルトの張り具合を入念に調べていたので、この転倒防止措置は重要な事かもしれません。
 
つっぱり付きメタルラック
つっぱり
 
万能ベルトでケージ飛び出し防止
 

動物取扱責任者

2020/2/3追記

動物取扱責任者の要件が2020年6月より変わる見込みです。

下記の記事では資格のみで責任者になれると記載されていますが、

6月からは「資格+実務経験(6か月)」「学歴+実務経験(6か月)」が必要とされています。

よって、資格のみで責任者になることは今後は不可能になると思われます。

 

第一種動物取扱業を登録するには、動物取扱責任者を設置する必要があり責任者になるためには、決められた実務経験・学歴・資格が必要となります。私は今までペット産業には関わったことがないので、もちろんどれも持っていませんでした。

 

サラリーマンである私はペットショップで職務経験を積んだり、動物関連の学校へ入学する時間がないので、私は15歳以上であれば誰でも申し込める「愛玩動物飼養士2級」の資格の取得に挑戦しました。資格の取得にあたって課題報告問題を解答したり、講習会に出席する必要があり、申込から合格までは約10ヶ月ほどかかりました(合格までの道のりはまた別の記事にしたいと思います。)。

 

合格すると認定証とバッジが送られてきます

 

資格取得にかかる金額は、申込み料が30000円、合格した後に支払う登録料が最低5000円となります。意外と高いです。
 

動物取扱業申請の準備

土地・建物・飼養施設・動物取扱責任者の準備ができましたら、動物取扱業登録申請を行います。

 

ここでは神奈川県(横浜、川崎、横須賀、相模原を除く)で個人が動物取扱業(ヘビ販売)を申請する場合を記載しています。※他県や法人では若干違いがあるかもしれません。

 

まずは必要な書類を揃えます。ほとんどの書類のテンプレートは神奈川県のホームページよりダウンロードできますのでこちらを利用します。

 

①第一種動物取扱業登録申請書

→メインとなる書類です。住所や氏名などの基本事項の他、扱う動物や飼養施設の構造などを記入します。私が少しわかりづらいと感じた項目に「主として取り扱う動物の種類及び数」を記入する欄がありますが、ここには取り扱う動物と最大数を記入します。今現在飼育している動物の数ではなく、飼育できる最大の数です。私の場合は「ヘビ(80)」と記入しました。

 

②動物取扱責任者の資格要件を示す書類

→私の場合は愛玩動物飼養士2級が適用されますので、認定証の「原本」を用意しました。

 

③動物の愛護及び管理に関する法律第12条第1項第1号から第6号までに該当しないことを示す書類

→こちらは動物取扱業の登録にあたり「違反していません」と宣言するような書類です。

私の場合は特に該当するものは無いので、住所や名前等を記入するだけで済みました。

 

④事業所及び飼養施設の土地及び建物について必要な権原を有することを証明する書類

→私の場合は土地と建物の登記事項証明書を用意しました。

 

⑤第一種動物取扱業の実施の方法

→販売・貸出を行う場合必要となります。販売する動物管理の実施方法などを、該当する項目の中から選択します。爬虫類の場合は「販売に供する動物の生育段階」は無記入で良いそうです(哺乳類のみに適用されるようです。)。

 

⑥飼養施設の平面図

→飼養施設を上から見た図を書きます。間取りと設備の配置されている場所を書けば良いです。この書類をもとに調査されますので、抜けが無いように記載します。

 

⑦附近の見取図

→これはテンプレートが無かったので、私はフリーソフトのInkscapeを使いシンプルな地図を作り、コンビニや郵便局などの目印となる場所と共に事業所・飼養施設の場所を記載しました。

 

必要な書類は以上となるのですが、書類の記載や申請方法など不明な点があれば、動物保護センターに問い合わせると、優しく教えてくれると思います。

 

書類が揃いましたら、動物保護センターに電話をかけて、訪問する日時を予約しましょう。平日しか予約できませんので注意が必要です。

 

また、申請料(1つの事業につき15040円)が現金で必要となりますので、こちらも準備します。

 

動物取扱業申請

予約した日に必要書類・申請料と共に動物保護センターへ向かいます。神奈川県の動物保護センターは平塚にありますが、駅から遠く離れた場所にありますので、自家用車で行くことをおすすめします。
 
保護センターに到着して動物取扱業を申請しに来た旨を伝えると、担当の方と相談室へ移動し書類のチェックをします。チェックはそこまで厳格な感じではなく、軽微な不備であればその場で訂正されます。書類に問題なければ申請料を支払い、施設調査の日程を決めます。私の場合は一週間後に予約が取れました。
 
受理された後に昨年度の動物取扱責任者研修テキストを参考にもらいました。
 

施設調査

施設調査の日は調査員の男性が一人で来ました。基本的な調査は平面図に書かれている飼養設備が揃っているか、機能に問題ないか確認しているようでした。一通りチェックをした後は、簡単な質疑応答をして終わりです。質問されたの内容は「ヘビはコーンスネークだけですか?」「給水設備の水はでますか?」というものでした。
 
最後に調査員に言われたことで印象的だったのは「調査とは関係ない話ですが、もし爬虫類の知識が全くない方がヘビを購入したいと言ったらどうしますか?」と聞かれたことでした。「その時は丁寧に説明して販売します。」と答えたのですが、「商売の事なので私は介入はできませんが、安易に購入して飼えきれなくなって逃したりしてしまう人もいますので…」という事。遠回しに「買う人もしっかり見極めてください」と言われているようでした。
 
「7〜10日で登録が終わるので、電話にて伝えます。」とのことでしたが電話がかかってくることはなく、12日後に郵送で登録証が送られてきました。
 
念願の動物取扱業登録証
登録証
 
これで動物取扱業の事業を行うことができます。

登録後にする事

事業が始まったら、毎日巡回を実施し動物に異常がないか確認する必要があります。
 
また、下記の事項は記録台帳に状況を記録し、5年間保管する必要があります。
①販売にかかる契約時の説明及び顧客による確認、貸出しに係る契約時の情報提供の実施状況
②清掃、消毒及び保守点検の実施状況
③動物の数及び状況の確認のための巡回の実施状況
④動物の繁殖の実施状況
⑤動物の取引状況
 
フォーマットは特に決まっていない様なので、私はエクセルを使って台帳を自作しました。
 
このような台帳を使い毎日点検をしています
台帳
 
あとは、動物取扱責任者の研修が年1回、取扱業の更新が5年に1回あります。
 
今年(2019年)の研修は秋頃あるようです。

最後に

当初、動物取扱業の登録はとてもハードルが高く感じていて、極一部の限られた人間しか登録できないものと思っていましたが、登録が完了して思ったのは「そこまで難しくない。」と言うことです。
 
登録まで1年弱の時間がかかりましたが、動物取扱業を持つことで、自分のできる事の幅が広がったと思います。まだ取扱業を取って間もないスタートの段階ですが、この経験は必ず自分の将来の役に立つと思っています。
 
以上、語彙力が無いなりに頑張って書いた記事ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。