The Godfather 壮大なる叙事詩

黒文字で大まかなストーリーを紹介し、グレーの文字で詳細を書き記します。
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ボナセーラの頼み

 "I believe in America."

庭でドン・ヴィト・コルレオーネの娘の結婚式が進行する中、

その華やかさとは対照的なヴィトの書斎で、葬儀屋ボナセーラの一言から映画は始まる。

" America has made my fortune. And I raised my daughter in the

American fashion. I gave her freedom, but -- I taught her never to dishonor her family. She

found a boyfriend; not an Italian.

(アメリカで財産を築きました。私は娘に自由を与え、アメリカ風に育てましたが

家名を汚すなと教えてきました。やがて、イタリア人ではありませんがボーイフレンドが出来ました。)"

そして、そのボーイフレンドと彼の友人に、ボナセーラの娘は暴行されそうになるのである。


 企画当初、オープニングは原作通りに進められるはずであり、コニーの結婚式で幕が開く予定だった。

それにより、結婚式に参列した人物を描写することで登場人物の紹介に変えようとしたのである。

ところが、コッポラ監督が友人に脚本を見せたところ、パットン大戦車軍団(コッポラ監督作品)のような

奇抜さが無いと告げられたため、ボナセーラが懇願する場面を最初に移した。

当時の技術では、あれほどスローでズームアウトするのは難しく、コンピュータ式レンズを利用して

3分間のズームアウトに対処した。


 一人娘を強姦されそうになった彼は訴訟を起こしたが、

"若さと前科のないこと、立派な家族、加えて、尊厳な法律はその尊厳において復習を旨としないこと"

を考慮して、その2人は無罪放免となってしまう。

彼らにより娘が重傷を負わされた彼は、薄笑いを浮かべながら法廷を立ち去る2人を前に、

ドン・コルレオーネに復讐を依頼する事を誓う。


 コッポラ監督がインタビューで語るとおり、これは、”たとえ善良な市民として法を守ろうとも、

必ずしも法は守ってくれない”ことの象徴的なエピソードである。


 ボナセーラはヴィトに対し、”金はいくらでも払う”といって復讐を頼むが、ヴィトは拒否する。

"Bonasera, What have I ever done to make you treat me so disrespectfully?

(ボナセーラ、なんで私がこの様な仕打ちを受けなくてはならんのだ?)"


 ヴィトは、金を払う事によって殺しを依頼しようとするボナセーラの考えが気に食わないのである。

本来、マフィアの社会というのは荘園制度下での地主・地頭といった有力者と、

彼らの庇護を受ける農民などで成り立っていたのである。

その関係でドンが求めるのは金銭ではなく、尊敬の念と、できる限りの恩返しといった

主従関係だったのである。

実際、ヴィトの妻はボナセーラの一人娘のGodmother(教母・名付け親 詳しくは後日)であり

ボナセーラはヴィトに対して、祝いの品を届ける・食事に招待するなど、

出来る限りの恩返しをすべきなのである。

ところがボナセーラはヴィトに干渉される事を嫌い、ヴィトを敬遠していた。

そのため、娘が被害にあったときもヴィトの所ではなく警察に駆け込んだのである。

これがヴィトの機嫌を損ねる原因になった。

ボナセーラの行動がオメルタ(沈黙の掟)に反するという理由もある。

(注)たとえ自分が被害にあおうとも、警察や国家機関には沈黙を貫くというのもオメルタの一部である。

オメルタが形成された社会的背景に関しては後日。


 ヴィトは話を続ける。

"We've known each other many years, but this is the first time you came to me for counsel,

for help. I can't remember the last time that you invited me to your house for a cup of

coffee, even though my wife is godmother to your only child. But let's be frank here: you

never wanted my friendship. And uh, you were afraid to be in my debt.

(互いに知り合ってから長いというのに、助けを請いに来たのは今回が初めてだ。

お前が最後に家に呼んでくれたのは遠い昔の話。私の妻はお前の一人娘の名付け親だというのに。

腹を割って話そう。

お前は私の友情を欲しなかったのだ。私に借りを作るのも恐れていたな。)"


 最終的に、ボナセーラがヴィト(ゴッドファーザー)に友情を誓う事で復讐の約束が交わされる。

" I want reliable people; people that aren't gonna be carried. ( 彼ならやり過ぎはしないだろう)"

という理由から、その仕事をコルレオーネ・ファミリーの幹部であるクレメンザに回す事を、

コンシリエーリ(秘書兼相談役)のトム・ハーゲンに命じる。

"I mean, we're not murderers, despite of what this undertaker says.

(彼は勘違いしているが、我々は殺し屋ではないからな。)"


 原作及び未公開シーンを追加したTrilogyでは、トム・ハーゲンはコンシリエーリ代理となっている。

癌で闘病中の正式なコンシリエーリであるジェンコ・アッバンダントの死去前だからである。


そして、庭で盛大に行われているコニーの結婚式の場面へと変わる。