岡田ジャパンはデンマーク戦を3-1で快勝し、決勝トーナメントに駒を進めた。大会前の不調から予選突破の期待が薄かっただけに、マスコミの盛り上がりは大変なものである。みんなが余りにはしゃぐので、天邪鬼な私は逆のことを考えてしまう。
 デンマーク戦は試合開始早々に大久保選手がファールを取られたが、主審の方を見なかったので呼び戻されて警告を与えられた。この主審は明らかに試合をコントロールしたがるタイプで、ラフプレーにはレッドカードもあり得る印象を与えた。このあと遠藤選手と長友選手が遅延行為で立て続けにイエローカードをもらってしまうが、2枚目は不用意と言えるだろう。
 日本が攻撃的なシステムに変更したことで、試合序盤はデンマークの選手を捕まえ切れなかったと、試合後のインタビューで岡田監督も認めていた。直ぐに元の守備的なシステムに戻して、試合を落ち着かせることができたが、失点していれば試合結果が変わっていたかもしれない。相手により陣形を変えるべきと先日書いたが、システムの変更はとてもリスキーのようだ。
 本田選手と遠藤選手によるフリーキックからの得点は、日本の長所が活かせた場面だったが、デンマークのGKに助けられた面も見逃せない。特に2本目のフリーキックは右側の壁が明らかに1枚足りなかった。だから次の試合もフリーキックで簡単に得点できると思わない方が良い。
 デンマークは2点ビハインドしたことで前線を強化したが、日本は粘り強く守った。また、チャンスを捉えては反撃を加えたので、デンマークも守備に時間を割かざるを得ず、後半35分まで試合が動かなかった。ただ、日本にも追加点のチャンスが幾つかありながら決め切れなかった。本田選手が先制点を毎試合入れてくれる訳ではないので、できれば大久保選手に得点してほしかった。
 終盤にデンマークにPKを与えたが、GKの川島選手が折角セーブしたにも拘わらず、ハンブルしたボールを蹴り込まれて失点した。このときの失点は避けられなかったが、それでもハンブルに備えてダッシュに遅れをとるべきではなかった。日本は出来ることを一つでも多く積み重ねなければ、勝つ確率は上がらない。小さいことを疎かにしない執念が必要だ。
 本田選手のアシストで岡崎選手が3点目を奪い試合はほぼ決まったが、長谷川選手のゴールエリア内のハンドでPKになっていれば、同点になる可能性もあった。試合は紙一重なのだ。
 この試合は引き分けで日本が予選突破できるため、日本に心理的な余裕が持て、先制点で試合の流れを掴めた。決勝トーナメントで先制された時に、それでも試合をひっくり返せれば、本当に日本チームが進化したと言えるだろう。

 W杯予選が終って、南米のチームの好調と欧州のチームの不調が対照的である。前回大会の優勝国イタリアと準優勝国フランスは予選敗退し大会から去った。日本vsデンマーク戦の夜はイタリアvsスロバキア戦もテレビ観戦したが、イタリアの選手が両手を上げて頭を抱え、苦悶の表情を浮かべるシーンが度々見られた。
 イタリアやフランスのチームは予選突破が当然と考えられているが、強豪国は決勝トーナメントに向けて調子を上げていくため、予選初戦の入り方が難しい。FIFAランキング1桁の強豪国と言えども、万全の準備なくして予選を突破できる状況ではなくなってきたのだろう。ましてチーム内に不協和音があれば、実力を発揮するどころの話ではない。
 イタリアは自力突破するためにはスロバキアに勝つ必要があった。攻撃的な意識が強すぎて守りの意識を甘くしたようだ。1点目は不用意な横パスを自陣で奪われた結果であり、3点目は相手がスローインしたボールを易々とゴール前まで運ばれた技ありプレーのせいだった。
 イタリアはラスト10分で2点を入れる粘りをみせた。確かにイタリアは実力がある。しかし、その実力を発揮する時期を間違えたのだ。結果的にはイタリアはスロバキアに引き分けでも予選を突破できた。イタリアは戦略も誤ったと言えるだろう。
 フランスについて何も言うことはない。試合後の握手を拒否する監督やチーム内の内紛を晒して国民を失望させたチームに同情はできない。欧州予選でアンリがハンドでアシストした決勝点でフランスはアイルランドを降したが、W杯出場を辞退していたなら、2度も非難を浴びることはなかったことだけは確かである。
 決勝トーナメントのベスト4は、ウルグアイ,ブラジル,アルゼンチン,ポルトガルが順当であろうか。しかし、ガーナ,チリ,ドイツ,日本であったなら面白いかもしれない。

 デンマーク戦を前にテレビのスポーツ番組では、コメンテーターが盛んに対戦予想をしている。多くは日本チームが勝利するというものだが、聞いていてこれ程虚しい行為はない気がする。というのも、日本チームが勝つ場合もあるし、負ける場合もあるからだ。
 日本の勝利を予想することは皆をワクワク楽しい気分にしてくれるが、日本の勝利を保証してくれる訳ではない。勿論、勝利を信じて戦わなければ、日本の勝利を望むべくもないというのも分かる。それでも、日本勝利の予想はある番組で紹介された南アの占い師の予想と何ら変わりのないものである。
 岡田ジャパンがカメルーンを撃破し、オランダに善戦したことで、デンマークに勝利する予想が多いが、果たして本当だろうか。カメルーン戦は少ないシュートチャンスを活かした結果であったし、オランダ戦では川島選手の2つのファインセーブがなければ、0-3で完敗もあり得たはずである。結果として日本有利に展開していると考えた方が正しいのではないだろうか。
 デンマーク戦はこれまでと同じ布陣が予想されいるが、本来は対戦相手に応じた布陣とすべきである。W杯前の連敗状況と比較して守備が安定してきたという見方や、布陣を変更することで生まれる選手間の僅かなズレを衝かれるリスクを回避する意味から、同じ布陣を選択する方が安全なのは分かっているが、実は守備的な意識に陥ることで知らず知らずのうちにモチベーションが下がっているかもしれないのだ。
 日本がデンマークに勝つには先制点が何んとしてもほしいが、攻撃力はさびしい状況にある。オランダ戦前半では松井選手が右サイドから中央に蹴り込んだボールがゴール前で左サイドに流れ、本田選手がやや下がりながらボールを追い、遠藤選手が本田選手より左サイドへ回り込んだシーンがあった。
 おそらく遠藤選手は左サイドからクロスボールを揚げようとしたのだろうが、本田選手が単にボールを前に供給すれば、遠藤選手が中央に切り込んでシュートできた気がしてならない。何でもかんでもクロスボールを揚げようとする固定観念がないだろうか。
 大久保選手は体がキレていて絶好調という評価だが、試合後半に連続して放った3本のシュートにまったくドキドキしなかった。データを確かめた訳ではないが、シュート確率が悪い気がしてならない。シュートの多くが枠を大きく外すか、GK正面のシュートである。岡崎選手のような得点を臭わすようなシュートが少ないように思える。
 駒野選手が右サイドを駆け上がってクロスボールを揚げたとき、長谷川選手と本田選手がオランダのDFと並走して何とかゴールマウスに迫ったが、もう一人遅れてきた日本選手は大久保選手ではなかっただろうか。おそらく日本サイドに近い位置で守備的なプレーを求められるためだろうが、それでは日本の得点力が落ちてしまう。すべてはチームバランスによるが、少ない得点チャンスに絡めないのであればFWの資格はない。
 岡田ジャパンが今夜のデンマーク戦に勝利して、決勝トーナメントに進出してほしいが、フロックで勝つよりも常に決勝トーナメントに臨めるチーム構想に沿ってプレーすることを望みたい。
 岡田ジャパン、頑張れ!

 初戦のカメルーン戦に1-0で辛勝して、日本は予期せぬ勝利に沸騰した。W杯前の強化試合を悉く負け続け、とても予選突破は無理と多くの人々が予想していただけに、その反動は大きかった。
 参議院戦を前に鳩山首相が突然辞任し、菅新政権の発足で支持率がV字回復した民主党への、国民の哀しいほどの期待に似ていなくもない。ヒーローものの映画よろしく、主役が敵役に痛めつけられればつけられるほど、主役の活躍は痛快に感じるものである。
 翌日のニュースは日本選手の活躍を大々的に報じた。特に、得点をあげた本田選手への過剰なほどの賞賛が際立った。スポーツ新聞のトップは「本田選手」の大きな文字で占められた。スカパーで解説をしていたオシム前監督は、「新聞の1面がすべて本田なら、次の試合は危ない」と、彼らしい表現でマスコミへの皮肉を込めた。
 NHKや日テレは、後半に投入された岡崎選手が相手キーパーの弾いたボールをゴールポストに当てた惜しい場面や、日本のゴール前でこぼれたボールに逸早く反応したカメルーン選手のシュートを川島選手がファインセーブしたシーンを褒めちぎった。
 岡崎選手や川島選手が試合に集中して、勝利に貢献したことに異論はないが、岡崎選手のプレーはオフサイド後であったし、川島選手のセーブはカメルーンのファール後であった訳で、マスコミの編集方針に不快感を感じざるを得ない。こんな報道をするから、私を含め普段サッカーに馴染みのない一般の視聴者は誤解してしまう。そうした環境が少なからず日本サッカーを弱めていると思えてならない。
 テレビは日本の初戦勝利で早くも予選突破の期待を膨らませ、これまでやや盛り上がりに欠けていると言われた国内のW杯人気に火を点けたいようであった。しかし、冷静に考えればオランダ戦とデンマーク戦に勝利どころか、引き分けさえも難しいかもしれない。予選突破は最低でも1勝1分が必要な状況になった今、オランダ戦をいかに負けずに切り抜けられるかが、最大の焦点になった。
 カメルーン戦でシュートは僅か5本、ディフェンダーの裏に持ち込んだサイド攻撃の選手は孤立し、セットプレーは殆ど見られなかった。一方、終盤のディフェンスラインはゴール前に釘付けになった。守備に注力するにしても、DFとMFがしっかり2ラインを敷かなければ、オランダの攻撃をかわせそうにない。MFが勇気を持って前に出られるかが、勝負のキーになるのではないだろうか。


 14日日曜は10時過ぎに自宅を出て川崎に向かった。マイナーな競技を観戦したが、応援したチームが接戦ながら勝利した。ただ、日差しがとても強くて、帰宅したときには左右の腕が赤く日焼けしてしまった。
 川崎で映画を観て帰りたかったが、その時間に観たい映画を上映していなかったので、途中の乗換駅で下車し、カラオケ店で20曲近く歌ってから帰宅した。
 夕方、最寄り駅近くのいつものお店で、焼き魚と揚げ物と刺身定食を食べた。お酒もいつもどおり。この店はお酒の種類が少ないので、結局この酒に落ち着いてしまう。焼き魚はカマスだったが、少し小振りで水っぽかった。
 カマスは脂が乗っていないと、身がパサパサなだけに、上手く焼くのは難しい気がする。パサパサな感じはなかったが、水分も適度に抜けていない。揚げ物は鰯の大葉包み揚げだったが、衣が油を吸っていてねっとりしていた。大葉で包まれたせいか、魚の水分が上手く抜けず、衣がカラッと揚がらなかったようだ。
 夜はワールドカップをテレビ観戦。セルビアvsガーナ戦は、セルビアの選手がゴール前のハンドでガーナにPKを与え、セルビアが0-1で敗戦した。セルビアは終盤に退場で一人少ない状況だったが、ガーナのゴールポストを脅かす場面もあり、緊迫した試合だった。
 この試合やイングランドvsアメリカ戦などを観ると、日本の実力が相当劣っていることが良く分かる。FIFAランキング40位台の日本が予選を突破するには、優れた戦略と緻密な戦術なしにはあり得ないだろう。
 その意味で、岡田監督が高い目標を設定して、選手を鼓舞する戦術に出たのは理解できる。しかし、その後のチーム育成や選手選抜に戦略が見えてこない。それがサポーターを苛立たせる結果になっている。
 試合に勝てないことは残念であっても、それ自体が問題とは思わない。問題はWカップ直前でシステムを変更しようとしていることだ。選手の怪我や敗戦が続くことで、システムを変更するのであれば、この4年間に長期戦略が存在したのか疑問を持つ。どこか鳩山前政権に似ている気がしてしまう。
 最近の日本チームの変調は、中村俊介選手の不調と本田選手への過度な待望論から来ている印象を持つ。本田選手を先発させることで、返って悪循環に陥っていなかっただろうか。今夜の試合でどのようなシステムを採用するか分からないが、ベストな布陣が敷かれることを祈るばかりだ。
 ところで、惑星探査機「はやぶさ」が昨日の深夜に大気圏に突入し、予定された地域に落下した。当初、「はやぶさ」は様々なトラブルで帰還が絶望視されていたが、関係者の必死の努力が実って奇跡的な帰還を果たした。岡田ジャパンも「はやぶさ」に続いてほしい。