高熱や関節痛、筋肉痛、頭痛が出て病院を受診し、

インフルエンザと診断された場合、

普通であればインフルエンザ治療薬が処方されます。

 

そこで今回、情報収集を観点として、

インフルエンザ治療薬を考えてみます (大人の場合を想定)

今現在販売されているインフルエンザ治療薬の種類は下記の通り

 

1) タミフル 

2) リレンザ

3) イナビル

4) ラピアクタ

5) ゾフルーザ

 

「どれでもいいじゃん」

 

と思う事なかれ。

 

幾つか情報を加えていきます。

 

まず、どのように服用するか (服薬経路)の情報を加えます。

 

1) タミフル (口からカプセル)

2) リレンザ (口から吸入)

3) イナビル (鼻から吸入)

4) ラピアクタ (点滴)

5) ゾフルーザ (口から錠剤)

 

次に服用方法とその期間

 

1) タミフル (口からカプセル) 1日2回 5日間

2) リレンザ (口から吸入) 1日2回 5日間

3) イナビル (鼻から吸入) 1回だけ使用

4) ラピアクタ (点滴)  1回だけ使用 (15分以上かけて点滴)

5) ゾフルーザ (口から錠剤)  1回だけ使用

 

 

次に医者からの情報を与えてみます。

医者はこう言うかもしれません。

 

「良く使われているのは、タミフルとイナビルです」

 

これで心理的バイアスがかかります。

 

あるいは医者によってはこう言うかもしれません。

 

「今年発売された新しいインフルエンザ薬の

ゾフルーザは1回飲むだけでいいんですよ。

今までの薬とは機序も違いますし」

 

これらの情報に加えて、薬代の情報までまとめて提示すると、

こんな感じになります。

 

 

AnswersNewsより引用

 

 

ここから先は、お金や自分のライフスタイル、

周囲の環境 (同居者の有無)・・・etcが絡んできます。

 

例えば、イナビルであれば1回の吸入ですが、

この吸入が意外と曲者になるかも・・・

つまり病院で看護師が吸入してくれるのであれば、失敗する確率は小さいが、

薬を貰った後に自分で吸入するのであれば、失敗する確率は多少上がります。

吸入失敗の場合、当然ながら薬の効果は弱まります。

 

一方、ラピアクタなら病院で15分程度の点滴なので確実です。

ところが、病院が混んでいると点滴するスペースがないので、

医者はラピアクタを選択しない可能性が出てきます。

結果、あなたは別のインフルエンザ薬を処方されてしまうかもしれません。

 

それなら、1回だけ内服するゾフルーザしかない!!!

 

となるかもしれませんが・・・・

(実際、今年はゾフルーザの処方数が

もの凄いことになると予測されています)

 

実はこの薬、あまり報道されていませんが、

「投与された約1割の患者で、インフルエンザウイルスに

遺伝子変異が生じ、一過性のウイルス力価の上昇が認められた」と

薬の添付文書に記載されていますドクロ

 

つまり治療しようと思って、ゾフルーザを使用したのに、

この薬に対する耐性ウイルスが体内で出現して、

無治療の場合よりも逆に、

インフルエンザ症状を長引かせる可能性が1割の人にはある。

 


一応補足しておきますが、

他の薬剤、タミフルなんかにも耐性ウイルスは報告があります。

ただ薬が効かないだけですので、基本的にはタミフルを内服しても

治療しない場合と同様の経過を辿るだけでなんです。

ところが、ゾフルーザの場合、1割の方で治療しない場合よりも

あべこべに症状が長引くかもしれないということに・・・

 

 

 

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さらに悩ましい情報を追加します。

 

① 発症から48時間以降に抗インフルエンザ薬を処方しても

  効果はありません。

 

② 上の5種類の薬剤は、症状が改善するのを1日程度

  早めてくれるのですが、普段健康で特別な持病が無い方が

  インフルエンザに罹患した場合

  (高齢者や免疫不全の方などの持病がある方は別です)、

 安静や十分な睡眠でもインフルエンザから回復します。

 

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もう、わけがわからなくなりませんか?

 

でもですね、このような情報はネット上に確かに存在しています。

ただ点在しているんです・・・

 

そのため、ちゃんと理解したいと思うのであれば、

適切な情報を適切に収集する能力が必要になります。

 

これが難しい・・・

 

情報の一部しか把握しておらず、理解が不十分となり、

間違って解釈してしまいます。

(これは医師もありえます)

 

情報収集は徹底的に様々な角度から

可能な限り行った上で、

集めた情報を再構築すべきです。

 

 

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とはいえですね、

普通、インフルエンザを疑って病院に行く人は

キツイから行くんです。

 

「キツイなぁ~」

 

と思いながら病院に行って、インフルエンザと診断され、

上のような情報を延々と説明をされても

 

「話はいいから、効く薬を出してくれよ!

キツイんだよ!!」

 

ってなるかもしれません。

しかし、何とか耐えてですね、

自分の生活環境とか、きちんと聞いてくれて、

状況に応じて最適な薬を出してくれる医者を見つけましょう。

(生きてれば、何度かインフルエンザに罹ると思いますので)

 

 

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最後に、どのインフルエンザ治療薬が適切なのかは

(ひょっとしたら必要ないかもしれない)

その人の置かれている状況に依りますので、

一概には言えません。

 

ここでは情報収集の適切性について論じるために、

インフルエンザ治療薬を例として提示しただけですパー

 

まぁ僕なら、ラピアクタの点滴か、

イナビルを看護師さんにやってもらうかな・・・