中学生の頃からなぜかAUTOSPORT誌を読んだりしてた。
昔は今と違ってモータースポーツに関連するテレビ番組とか映像とかほとんど
なかった時代。
高校の頃F1inJAPANが富士で行われた。
その日、中継番組を旅行先の旅館のロビーのTVで観て、すごいなと思った。
ニキ・ラウダのフェラーリ 312T
ジェームス・ハントの マルボロカラーのマクラーレンM23
Betaマーチのオレンジ色。とかテレビの映りが鮮やかだった。
高校時代、中学生の頃からジャッキー・イクスのファンだったという奴が
同じクラスにいた。
そいつと一緒に富士にG.Cを観に行ったのが初めてのレース観戦。
とにかく「音」。 そしてもう一つ。富士SWのトイレの汚さが印象に残った。
そんな流れで、30数年前、ラリーとかダートラは全然知らなかったが、
その友人と、もう一人の友人と共に地元のモータースポーツのクラブ
(たしかJAF加盟だった)に入れてもらった。
TE71、KP61全盛の頃。ボロい日産車に乗っていた。
AE86が出て友人が購入。紹介された同じ営業マンから比較的に安く
86トレノ(角目の方が明るいという理由で)を思い切って購入した。
ボディー強度で2ドアを勧められ、何にも付いてないグレードのGT。
その頃、所属クラブ主催のラリーがあり、なにもわからないのに
チエック要員に駆り出された。
土曜夕方スタートで日曜朝ゴール。ローカル戦アベレージラリーだったと思う。
初めてのラリーは、ローアベからハイアベになるCPの要員。
チェック長から指示されてもよくわからずに右往左往。
通過時間が近づき、遠くの山に補助灯の閃光が反射してる。
はるか遠くから、バーン、バーンと激しい打撃音の様な大きな音がこだまする。
深夜、長い編成の貨物列車が発車する時の連結器のぶつかる衝撃音の連続みたいな。
何の音? と、思った。
ボディーの下回りを打つ音だと言われ びっくり。
エンジン音も聞こえないのに最初に聞こえる音はボディ(アンダーガード)を
路面で打つ音かよ、って。
確かにこのCPの場所まで、わだちが深く、チェック長の71は、5人乗車で
腹を擦り、轍を跨ぎながらそれなりのアベ速度で登ったのだ。
やがてゆっくりと1号車がCPイン。笛担当は友人。
時間を受け取ったナビがドラに指示速度を言うと同時に全開で発進する。
CPのTE71のボディーに跳ね石のシャワー。
車内にも石が飛び込む。
その後何台もその繰り返し。窓は閉めめられずに手で顔を覆うしかできない。
何台目かにAE86。まだ発売1カ月経ってない。こんな荒れた道「新車」で
走ってきたのか。
ドラはCPの誰かと短く言葉を交わす。「ミッションだめ」みたいな話。
振動でギア抜け(?)するらしい。
全車通過しCPを閉じ山を下る。全車(たぶん60台ちかく?)競技車が通過した
林道は、頭大の石が掘り返され、超深いわだち。
「コーナー攻める」とか、「直線は床まで全開」、とかって、なんだそりゃ。
どこにタイヤを置くの? って感じの本当にひどい道。
その後のミーティング。あれを見た後、他のクラブ員の会話は普通に聞けなく
なった。
借金いくらとか、あいつより俺が速い、崖から落とした、とかそんな会話が
飛び交う。
車を車と思っていたら競技はできない。単なる道具(金の掛かる)と思わないと。
あの人たちはおかしい。
経済的に今の自分には出来ないと思った。
納車された86。
キャロッセのLSD、足回り1式。TRD?のシート。とりあえずそこまで。
それとなにより、最初の夏に耐えられず後付けでエアコン取り付け。
(後付けは高価だった)
その後、クラブは1年もたずに退会してしまった。
その後、中島悟参戦のF1がちょっとしたブームになり、また、90年代から
世界ラリー選手権に、スバル、三菱、トヨタなど日本車が大活躍。
リーマンショックを経て下火になったが、2018はトヨタがドライバーズタイトルは逃したものの、WRCマニュファクチャラーズタイトル獲得。
またハチロクが欲しいと思う今日この頃。
おしまい