妻は大反対したが、辞めたところで生活に困窮するだけ。
会社には負けたくないからとか言ったが、結局は生活の為に従った。
転勤先はオレを入れて四人。
平等な目で評価してくれる上司だった。
少人数だった為、やる事は他の営業所に比べて倍以上あった。
が、俺にはそれが合っていたようで、ひたすら一心不乱に仕事した。
この上司は、使えない奴と評価された自分を一端の戦力として扱ってくれた。
人から頼られると、頑張れる。
それを身をもって感じた。
雪国なので、スタッドレスや雪かきなど、初めての事を多く経験した。
あの街を好きになった。
天涯孤独なら、永住してもいいぐらいに思った。
そんな充実した日々も、転勤してから一年程で変わる事に。