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cookieの雑記帳

興味を持ったことなどを徒然なるままに書き留めていきます。半分は備忘録。音楽(classicからpopsまでなんでも)、美術(絵画、漫画、現代美術なんでも)、文学(主に近現代)、映画(洋画も邦画も)、旅や地理・歴史(戦国以外)も好き。「趣味趣味な人生」がモットーです。

新型コロナウィルスの影響でライブの開催もままならない状況が続いていますが、今回は久しぶりに生演奏を聴きに行ってきました(ブログをアップするのも、とっても久しぶり😅)。
昨日(8/1)ようやく梅雨明けした関東地方。気温も上がって暑くなりましたが、夏が来たなという感じでした。

この夏、名古屋と東京で予定されていた高松あいさんのヴァイオリンリサイタル「colorful」。チケットは発売と同時に瞬殺状態で、埼玉での追加公演が決まりましたが、こちらも数十分でsold out。時節柄、隣の席は空けておくなど、ホールのキャパの半分くらいの人数での開催となりました。
17LIVEの生配信やYouTubeでの動画配信などで注目を集めている高松さんは藝大の現役大学生。本格的なコンサートはまだ少ないですが、今回のチケットの売れ行きを見ると、多くのファンが生演奏を待っていたのだなぁと思います。
埼玉公演は所沢市民文化センター ミューズの小ホールであるキューブホールでの開催。西武新宿線の航空公園駅からバスで2、3分です。自宅から30分圏内というアクセスのよい会場ですが、初めて訪れました。



今回のコンサートツアー「colorful」は名曲x超絶技巧と謳っているように、誰もが耳にしたことがあるクラシックの名曲とヴァイオリンの超絶技巧を披露する難曲からセットリストが組まれています。会場ごとに少しずつ曲目は違いますが、いずれも堅苦しくならないように工夫されています。



いまどきの可愛らしいcuteな容姿に騙されてはいけない、本格派のヴァイオリニストです。
私もたまたまネットで聴いた演奏に引っかかったのですが、難曲をこれでもかと聴かせる感じではなく、クラシックの定番もポップスもさらりと、いい意味で圧が強すぎない演奏が好みに合いました。


開場30分くらい前に到着しましたが、すでに20人くらいの方が並んでいました。
会場は名前のように立方体で天井は高め。室内楽用のホールですね。舞台正面の席で聴かせていただきました。

プログラムはガチなクラシックの作品で構成されていますが、ソナタなどの少し規模の大きな曲は無く、小品を中心とした構成です。かと言って安易な選曲でないことは、無伴奏のゴツい曲目を見ても明らかです。

開演前のアナウンスはピアノで共演のこへまること大野紘平さん。その他のスタッフも皆お仲間の方々のようで、自分が学生時代にやっていたステージ作りを思い出してしまいました。
こへまるさんのアナウンスとステージトークはとても楽しく、この日の演奏会に欠かせない、重要な役割を果たしていましたね。

この日の高松さんは鮮やかなブルーの衣装で登場。

前半は、いきなりサラサーテのツィゴイネルワイゼンでスタート。普通はもう少し緩めな曲から始めることが多いと思うのですが、聴く方も気合が入ります。誰しもが聴いたことのある名曲ではありますが、難曲でもあります。
こへまるさんとは普段から共演する機会が多いこともありますが、息の合った演奏で、速いパッセージも安定したピッチで聴かせてくれました。耳がいいんだろうなと思いました。

曲間は自身で解説などを挟みながら進行。
二曲目はパガニーニのカプリースから一番有名な24番。後の多くの作曲家がこの曲をモチーフにした作品(ラフマニノフの曲などがよく知られてます)を生み出すことになる、これまた難曲で名曲。ヴァイオリン・ソロの定番曲でもあります。全く危なげない演奏でした。



次は本人も好きだというクライスラーの作品から、穏やかで甘々な愛の喜び。ここで一呼吸という感じ。

前半最後はバッハのシャコンヌ。今回のプログラムの中で、一番聴かせるのが難しい曲かな。壮大な変奏曲をヴァイオリン一本で約15分間。いわゆるメロディラインを聴かせる作品ではなく、聴き手にも集中力が要求されます。
高松さんの演奏は、堂々としていて迷いのない、聴衆を引き込むものでした。

ここで休憩となりました。
物販の案内などがあり、3月に録音したという、本人作曲の無伴奏ヴァイオリンのための7つの小品が収められているCD「白いケース」、そして今回のツアー用のトートバッグを購入。



と、ステージに現れた高松さんとこへまるさん。物販が好調で、トートは売り切れ、CDも残り数枚とのこと。そのまま退場するかと思いきや、ピアノの椅子に座った高松さんがおもむろに弾き始めたのは、つじあやのさんの「風になる」でした。YouTubeではヴァイオリンで演奏していますが今回はピアノ。
嬉しいサプライズに会場からは盛大な拍手。人前で弾いたのは5年ぶりくらいとのことでした。

さて、後半はナタン・ミルシテインのパガニーニアーナ。前半で演奏したカプリース24番をモチーフにした、技巧的な無伴奏曲。ミルシテイン自身が素晴らしいヴァイオリニストであり、数々の編曲作品などもあるのですが、オリジナル作品として最近注目されているのがこの曲。
難しい曲を難しそうに聴かせない、高松さんの演奏には好感がもてます。

次は一転して自作曲「通り雨と」。ご本人が、変な曲ですよと何度も言っていたので、どんなにヘンなのかと思ったら、曲ではなく奏法がヴァイオリンをギターのように持ってのpizzicatoでした。後半は普通にarcoで。拍手のところでこへまるさんが登場し、メロディをピアノで弾き始め、結局ヴァイオリン+ピアノでもうワンコーラス演奏してくれました👏
この曲は高松さんのYouTubeのエンディングで流れてますよね。

プログラムでは次が最後の予定でしたが、「時間に余裕があるので、ここでもう一曲やっちゃいます」と、ヴュータンのアメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」による変奏曲、日本で言うところの「アルプス一万尺」による変奏曲です。これはとても楽しい小品。ヴュータンも自身が名ヴァイオリニストだったため、技巧的な作品を数々残しています。

最後はチャイコフスキーのワルツ・スケルツォ。こちらもご本人が好きな作曲家(でも1番はブラームスとのこと)と言うことで、このチャイコらしい甘く、軽やかな3拍子を淀みなく弾ききって、予定のプログラムは終了となりました。

本人は緊張したと言っていましたが、楽しくて仕方がないというくらい音がキラキラと会場に降り注いでいました。

そして、もちろんこれで終わる訳はありません。
万雷の拍手に応えてのアンコールは、お馴染みのモンティのチャールダッシュ。緩急を伴うハンガリーの舞踊音楽。速弾きのパッセージを軽やかなボウイングでさらりと演奏する様は流石でした。
続いてのアンコールも、これまたネットの動画でも人気の「情熱大陸」。ノリノリの演奏に聴衆も喝采。
そして、「これがホントに最後です」と演奏したのは、乃木坂46のヒット曲「サヨナラの意味」でした。

正統派のクラシックから流行りのポップスまで、どの曲も自分のものにしているあたりに、あなどれない若手の登場を感じずにはいられませんでした。

今後もさらなる高みを目指してもらえればと思います。いずれは古今東西のコンチェルトを弾く姿が見たいですね。

終演後はグッズへのサイン会。オフステージでの表情は、まだあどけない年齢相応な感じでした(自分の子どもとあまり変わらない💦)。
ピアノのこへまるさんもブラヴォーでした!



たいへん気を使う時期のイベントで、開催にもいろいろご苦労があったことと思いますが、とても素敵な夏の清涼剤になりました。


《セットリスト》
1. サラサーテ: ツィゴイネルワイゼン
2. パガニーニ: 24のカプリースより第24番
3. クライスラー: 愛の喜び
4. バッハ: 無伴奏パルティータ第2番よりシャコンヌ

Intermission  つじあやの: 風になる(pf 高松あい)

5. ミルシテイン: パガニーニアーナ
6. 高松あい: 通り雨と
7. ヴュータン: アメリカの思い出「ヤンキー・ドゥードゥル」による変奏曲
8. チャイコフスキー: ワルツ・スケルツォ

Enc.1 モンティ: チャールダッシュ
Enc.2  葉加瀬太郎: 情熱大陸
Enc.3. 乃木坂46: サヨナラの意味


今回取り上げられた曲の多くは、彼女自身が配信するYouTubeチャンネルで観ることができます。

後日YouTubeにこの演奏会に絡んだ動画がアップされていましたので、貼りつけておきます。




写真の一部は高松さんのtwitterなどからお借りしています。多謝🙇🏻‍♂️