「遠い他国でひょんと死ぬるや」宮内悠介

 

 

なんて言っていいのかわからないのだけど、不思議な小説を読んだ。面白かったけど、なんて説明したらいいのかわからない。

例えるなら、カムチャッカに行ったときに現地の屋台で食べた謎の料理、みたいな感じ。なんか、緑色でスパイシーでなんかの肉っぽいの煮込み?みたいな、おいしかったといえばおいしかったけど、何味って言えないし絶対再現できない。(カムチャッカって本当にあるのか?)

 

カオスすぎて、こんな人におすすめ、やこんな気分になりたい時におすすめ!といういつものような紹介もできない。でもそんな風に感じる本ってめったにないし、ハマる人にはハマりそうなので、この本を読んで感じたことをがんばって言語化しようと思います。

 

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☆あらすじ☆

人生こじらせ気味の40男(テンション低め)が仕事を辞め、フィリピンに戦争で亡くなった詩人の足跡を辿る旅に出たところ、現地の少数民族の女性ナイマと出会い、ひょんなことからトラブルに巻き込まれ、怒涛のハングオーバー的展開(カーチェイスあり犯罪あり結婚式あり赤ん坊あり)に巻き込まれる冒険小説?です。

 

☆テーマ☆

あえてテーマをあげるなら、主人公のおっさんの自分探しの旅と再生、かもしれない。そしてそこに歴史・戦争、SF、恋愛、犯罪、笑いとかをぶちこんでぐるぐるまぜて仕上げている。すごい。そして最後2Pくらいでなんとなくまとまったような気にさせるところもすごい。

 

☆なぜこんなにカオスなのか☆

この小説の一番の違和感、カオス感はリアルなものとそうでないものがぐっちゃぐちゃに混ざっているところから来ているんだろうと思う。

ドラえもん見てたら桜木花道が出てくるみたいな?写真みたいな風景画の真ん中にピカソの描いた女がいる、みたいな?すみません、表現力が足りない!

【リアルなもの】

・主公の40男の存在感、心理描写

・戦争の描写

 めっちゃくちゃリアル。しかも、ここで入れてくるのか、というとこで入る。

・宗教や民族紛争

【リアルでないもの】

・ラノベみたいな「セリフ」を話す登場人物(全員ではない)

 トレジャーハンターのお嬢様とお付きの者とか、財閥のバカ息子とか。

・ハリウッド映画みたいな怒涛の展開

・超能力

 

いや、これ全部混ぜて小説書こうとか思わないし、思っても絶対書けない。

 

そして、そんなカオスな状況でも読者が置いていかれないのは、主人公のおっさん(ディテールがリアルかつテンションも低め)の一人称で物語が進むからだ。つられてなんとなく怒涛の展開も納得してしまう。

 

☆印象に残ったシーン☆

・子育てのところ

 ずっと怒涛の展開が続いていた中で、ふっと凪のような穏やかな赤ちゃんとのシーン

・甲板でのナイマとのシーン

 えっ、そこでそう来る?という女子の真っ直ぐな感じがイイ!眩しい!

・戦争のシーン

 終盤でふっと訪れる戦争のシーン。めっちゃリアル、え、この話どうやって終わるの!?と思う

 

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私はこの著者の本を読むのは初めてだったのだけど、ほんと天才だなあと思う。全然書評になってないけど、気になった方は読んでみてもいいかもです。