光を失った あなたへ





                     あなたが 完全に光を失うほんの少し前


                    あなたの悲しみや不安の感情が伝わってきて


              どうにもしてあげられない私は ひどく胸を痛め落ち込んでいました



                         そんな私とあなたの事を知り


                        離れて住む母が、私にこう言った



                  「目が見えない人を助ける犬たちが居るやろう?


                       道案内したり、暮らしを支えたり


                       クッキーの目が見えなくなったら


                     千恵が クッキーのそれになればいい」




                          母の何気ないその言葉が

                       泣いてばかりの私を 奮い立たせた




                                そうだ 


                      私があなたの目となり、光となればいい


                 あなたが もう見ることができない この世界のすべて


                          私が心で  あなたに伝えよう