エリザベス・ボーエンの小説「日ざかり」を
やっと読み終えた。
昨年この作者の「パリの家」という本を読んだが
まあそれも読みやすいものではなかったけど、
それなりに面白かった。
この「パリの家」という作品は
20世紀の世界の文芸ベスト50に選ばれたそうで
イギリス文学の最高傑作のひとつと言われているらしい。
がしかし、今度の「日ざかり」という本、
私には恐ろしく読みづらかった。
私も60代半ばとなり、
頭の働きは鈍ってきているが、
忍耐力だけはかなりついてきているので、
それでやっと読めたような作品で、
30代40代ならすぐに途中っで止めてしまっただろう。
後書きによると
これは1940年代の英国、戦時下という非日常の世界での
恋愛小説であり、
当時のロンドン生活の変容や人々の精神的変化(劣化と変化)を
描いているらしい。
訳者は太田良子氏で、
ボーエン研究の第一人者らしい。
この作品は70年位前に吉田健一氏の訳したものがあるそうだが、
今回太田氏は原文に可能な限り忠実に訳した・・そうだ。
だから読みにくいのだろうか。
多分原文がやけに論理的で
かなり回りくどくい文章なのだろう。
何度読み返しても意味不明というか
理解不能な所が何か所もあった。
そもそも欧州の歴史的な知識や教養がないと
向かない本なのだろう。
風刺的な面白さを感じられなったり
他の文学作品からの引用に気が付かなかったり・・
この作品を分かって楽しむ事が出来ないという事だろう。
私にはハードルが高すぎた。
翻訳の文章の不自然さもあるが
文化的な理解がないと海外文学は楽しめないね。。
後書きを読んで、はぁ、そういう内容なのかと
初めて知る感じ。。
「カラーマゾフの兄弟」の様に、
訳者が変わって新しい翻訳になったことで
読みやすく面白くなったと言われる本もあるけれど。。
今回の「日ざかり」は
改めて翻訳作品の難しさを感じた本だった。
やっぱり文学作品ってちょっと疲れるね。
イギリスと言えば、来週友人たちと
「ボヘミアン・ラプソディー」を見に行く事になった。
楽しみ(*^^*)