朝4時ころに猫に起こされて、寝ぼけ眼で台所へ行くと

東の窓がやけに赤い。

 

ちょっと驚き窓を開けてみたら

滅多にないような朝焼けだった。

 

濃い薔薇色となかなか見られないような黒味がかった青の

グラデーション。

原始の空はこうだったのかと思わせるような空。

 

しばらく見とれていて、写真を撮った時には

もう変わってしまっていた。

 

 

 

そしてテレビをつけてE,テレを見てみたら

詩人 吉増剛造のインタビューをやっていた。

 

浅薄につき、私はそれまで知らなかったが、

70代後半の有名な詩人らしい。

 

知らず知らずのうちに、

その不思議さに引き込まれていった。

 

まず詩を作る時の原稿がすごい。

 

それ自体が一つのビジュアルアートになっている。

 

詩の他にも銅板に打ち込みをする作品や

映像作品もあるのでマルチなアーティストの方らしい。

 

東日本大震災の後に作られた詩の話も出てきたが

豪雨被害の今日、タイミング的にもシンクロしている。

 

番組の中で、吉増氏は不思議なものを下げて歩いている。

 

それは小さな洗濯ピンチで、そこに大事らしいものを10個くらい

吊るしている。

コラージュ作品のようでもある。

歩いている姿はかなり風変りだ。

 

歩くにつれ、それらのものがカランコロンと乾いた音を立てる。

 

その中には100歳位で亡くなった母上からのはがきも

吊るされている。

 

そのはがきは絵手紙のようだけれど、

それも素晴らしいものだった。

 

このような特別な詩人を生んだ母はやっぱりさすがだと

思わされるようなのびのびとした絵で、

そこに大きな字で こんにちは と書いてあった。

 

そして羽村のまいまいず井戸にインスピレーションを

受けたという話があったが、

まいまいず井戸というのは、丸い窪地の

底に井戸があり、そこをらせん状に道があるというもの。

 

不思議な世界だ。

 

詩の展示会だけでなく、

朗読ライブイベントもされているようなので

機会があれば一度参加してみたいと思った。

 

吉増剛造という詩人が存在しているのを知り、

こういう前衛的で実験的な詩人が、

文学界というか世の中からも高い評価を受けているのを知って

嬉しくなると同時に、

何かとても良いものに巡り合えたような気持ちになった。

 

朝焼けに始まり吉増剛造と出会い、

インスピレーヨンに満ちた特別な朝となった。

 

大雨被害がひどくならない事を祈りつつ。