結婚関係の推理小説
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2005-01-10

 昨日ブックオフ行って本を大量買い。ブログのタイトル「結婚関係の推理小説」とかいったけど…これに絞るとかなり少ないのに気がつきました…昨日。そんな中で貫井徳郎著「崩れる-結婚にまつわる8つの風景」ていうのがありました。短編8つでどれもありそうな風景をミステリー仕立てにしたものですが、その中の「追われる」っていう短編は面白かったです。商売柄けっこうリアルで。

『女性との付き合い方セミナー』の女性カウンセラーとセミナーに参加し、その女性に好意を持って徐々にストーカーっぽくなっていく会員男性の話です。数時間のカウンセラーとのデートによって女性との付き合い方を学んでいくわけですが、やはりカウンセラーとしては『お客様』だから優しくしちゃう。そうすると男性会員は「勘違い」してプレゼント攻撃から始まりストーカーになり警察沙汰に。結末は、その会員さんとは別の「常習痴漢」にやられちゃうって所で終ります。

結婚相談所という商売の中でも、会員さんがお見合い相手の方にしつこく付きまとっちゃう場面とか実際にあるので、その点はリアルだなって感じです。ただ、この小説ではカウンセラーの女性は「被害者」なのですが、現実では「被害者」は男性会員であることのほうが多いです。

まず、小説の舞台の『女性との付き合い方セミナー』つうのが現実に、良心的なシステムとしてあったら凄く人気になるはず。何故かと言うと、うちの会員さんでも超エリート、超高収入、見た目もカッコいい、人間としても良さげな方なのに、女性とのお付き合いだけなぜか苦手って言う方がかなり多いんです。そんな人達が「弱点」を克服したら、それはもう、…結婚相談・お見合いビジネスが危ういです。

だけど、現実にはそういう良心的なセミナーって無くて、代わりにあるのは『ザ・アポ商法/ダイヤ商法』です。現実では男性会員はモロ『被害者』。気のあるそぶりを見せながらドンドン男性会員を『囲い込み』して何百万円も巻き上げます。女性カウンセラーも悪質で面の皮が厚い奴が多いんで、この小説のようにストーカーされたら逆手にとって慰謝料だなんだで個人的に恐喝するチンピラの真似事なんかは日常茶飯事なんじゃないかなと思います。

…本の紹介とかいっておいて業界事情になってしまいましたが、よくいう「事実は小説よりも奇なり」という感じでしょうか。集英社97年発売でハードカバー1,600円。単行本は出てるか知りませんが1~2時間で読めちゃうので…図書館で充分かな?という感想でした。

ブログ初挑戦。

 推理小説マニアなので自分で読んで、
有名じゃないけど面白かった本や、
広告につられて買っちゃったけど「買うんじゃなかった!」みたいなもの
をちょこちょこ書いていこうと思います。
 商売柄(ブライダル関係なので)結婚にまつわる犯罪小説なんかを
「業界からの視点」で、紹介してこ、って考えてます。