またもIT系(?)でいまどきの本ですが
いい刺激になりました。
「クラウド化する世界 」
「フラット化する世界」を意識してつけたとしか
思えない邦題。
最近の流行というかITベンダーの宣伝文句(?)の
クラウド・コンピューティングを意識したネーミング。
よくある、「今だけのビジネス書」かと感じそうですが。
著者ニコラス・G・カー氏は
「ITにはもはや価値はない」
(IT Doesn't Matter")
をハーバード・ビジネスレビューで発表し、
ベンダーに敵視される立場になった(?)ような人。
セールス用の将来像を語る人ではないです。
英語でのタイトルは以下。
The Big Switch
Rewiring the World, From Edison to Google
私の感覚で訳すとすると
「大転換~Googleがエジソンに代わり世界を繋ぐ」
くらいでしょうか。(売れなさそう・・・)
【内容】
2章に分かれていて、
1章ではいわゆる「クラウドコンピューティング」に
近い話が展開されます。
産業革命以降、電力の発明により
動力を意識した工場が必要なくなったことを、
Googleが実現するようなデータセンターが、
世界にコンピュータの計算能力を供給し、
あたかも1つの大きなコンピュータを誰もが
使えるようになることと比較し、
各企業・各家庭でアプリケーションを
インストールして使用する時代が終わると
伝えています。
2章では。
その「大きなコンピュータ」が実現する将来に
思考を広げます。
・所得格差の拡大
・思想や価値観の極端化
・人工知能化
などなど。
1章は現実に起きたこと、起きていることなので
わかりやすいです。
一方で2章は全て鵜呑みにする内容ではないと
思いますが、知っておいて損はない内容でした。