「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」
この言葉だけで「けしからん」と報道されることに違和感があります。
議論の一部を切り取ることは、事実を伝えていたとしても
真実は伝えていないことが多いと思います。
論文そのものの話に入る前に個人的見解を。
歴史は戦勝国が作るもの。
旧日本軍は戦争に負けた、だから歴史も押し付けられる。
「統治しやすいように教育する」のは勝者の権利とも言える。
と考えたとき、個人の人格や、民族の歴史を否定してしまう
戦争は絶対的に悪いもので、「侵略国家」と呼ばれるか
どうかということは大きな意味を持たないのではないかと。
論文そのものはA4で9ページ。たいした量ではないです。
↓全文
http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf
抜粋してみます。
もし日本が侵略国家であったというのならば、
当時の列強といわれる国で、侵略国家でなかったのは
どこかと問いたい。
よその国がやったから日本がやっていいということには
ならないが、日本だけが侵略国家だと言われる筋合いもない。
そう。別に戦争を全面的に肯定しているわけではないのです。
一方で、彼の記述には論文としては客観性を欠く部分もあります。
そして日本軍に直接接していた人たちの多くは日本軍に
高い評価を与え、日本軍を直接見ていない人たちが日本軍の
残虐行為を吹聴している場合が多いことも知って
おかなければならない。
誰が言っているのか、正直わかりません。
失敗の本質~日本軍の組織論敵研究 を読むと、
旧日本軍が兵站・補給を「現地調達」に頼っていたともあり、
だとすると進行した国で略奪があった可能性は否定できず、
「高い評価を与え」には違和感を覚えます。
そもそも。
戦争に反対をする人々を「非国民」と呼び、
沖縄での自決 を引き起こし。
「旧日本軍の評価が高い」とは何を言うかと。
つまり。戦争をした旧日本軍は悪い。
それは侵略国家だからとか、そういう議論ではない。
「侵略国家ではない=悪くない」
という安易な切り分けで主張を解釈してしまうあたりが
問題ではないか。
一方で「政府見解と異なるから更迭」となるのであれば、
仮に政府が軍国主義に傾斜した際、反戦思想を持っていたら
更迭されてしまうということでしょうか?
軍人の立場で、戦争の目的や戦略に意味を見出せず、
戦争すべきでないと声を大にすると更迭されると。
それこそ第二次世界大戦に逆戻りです。