この"新川社長インタビュー"は、日本一ソフトウェアの設立20周年を記念する特設ページ"電撃日本一ソフトウェア"の連載コーナー. 2013年の7月までの長期間にわたって、社長である新川宗平氏にさまざまな話をお聞きしていく. 第13 回目となる今回は、都市伝説を題材にしたテキストアドベンチャー『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』の開発秘話をお聞きした. 『ファントム・ブレイブ』と作業期間がもろかぶり!? 苦難の『流行り神』制作秘話 日本一ソフトウェア代表取締役社長の新川宗平さん. ――『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』は制作がかなり難航したと公式サイトで語られていましたが、具体的にどのように大変だったのでしょうか? 新川: これはもう、本当に大変でした. テスト版を作った段階では、雰囲気とかテイストは今の『流行り神』に似たものができあがったんですが、問題はストーリーの部分でした. このタイトルは当初、外に発注してシナリオを作ってもらう予定だったんですが、あがってきたものが目指していた方向と違っていたので、書き直すことになったんです. そうこうしているうちに『ファントム・ブレイブ』のシナリオ制作の時期になってしまい、作業量がパンクしてしまいました... . ――『ファントム・ブレイブ』のシナリオ制作と時期がかぶってしまったわけですか!? 新川: 私、あの時期の記憶が飛んでいるんですよ. 時系列とか細かなことをほとんど覚えていない状態です. 最終的にイメージ通りのものにするために、私のほうで0話と1話を書いて、それを基準にするという流れで2話と番外編3編を外部の方にお願いして、最後に駆け抜けるように、おまけシナリオの犬童蘭子編を私が書いて形で取りまとめたっていう感じだったと思うんですが、かなり記憶があやふやです(笑). 最終的に私のほうで全般にわたって手を入れたんですが、あの時期は昼12時に出社して朝の7時までガーっとシナリオを書き、ちょっと寝に帰って、また昼から仕事という変なサイクルの生活を強いられました. いやー、ほんとに苦しかったです. 1つ幸運だったのは、当時私は営業部の部長だったんですけど、ちょうど営業部の規模が大きくなっていたので、細かい販促や販売店さんのサポートを、部下たちに任せられるようになり、シナリオ制作に専念できたことですね. ――『ファントム・ブレイブ』と『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』は、同時並行で作業していたんですか? 新川: 『ファントム・ブレイブ』を先に書き上げました. 『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』の基本部分を作って、これをベースにお願いしますといって外部に発注して、『ファントム・ブレイブ』のシナリオ制作に集中しました. その後、『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』に戻ってきてラストスパートという流れでしたね. ――『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』の都市伝説という題材やホラーテイストは、どのようにして生まれてきたのですか? 新川: AVG好きで、かつ、ホラーゲーム好きなスタッフが集まったので、必然的にホラーに決まりました. ただ、普通にホラーではなく、何かおもしろいギミックを入れたいと思っていて、それなら"都市伝説がおもしろくできそうだ"という話になったんです. 都市伝説を題材としたホラーアドベンチャー『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』. ストーリーは、大まかに科学的検証ルートとオカルト肯定ルートに分かれて進んでいく. そして、すべての結末を見ると事件の真相が推測できる流れとなっている. 例えば、フジツボの都市伝説. 海でケガをしたら、ヒザの裏に貝がビッシリ繁殖していたという話ですけど、これは僕自身、子供の頃から聞いていて知っていた話でした. でも、それが都市伝説であることを知らなかったんです. "話としては知っているけど、都市伝説のカテゴリとは思わなかったというエピソード"や"身近で、でもそれが本当なのか嘘なのか誰もわからない". そんな話を集めたらおもしろそうだと思ったんです. さらに、それらの都市伝説を科学的な検証とオカルトを肯定した検証でルート分けし、両方を体験したときに初めて真実が見えるという流れにすれば、ギミックとしても楽しめる、という感じに話が膨らんでいったので、題材が都市伝説に決まりました. 【次回のインタビューは2月21日掲載予定.