阜市と関市・各務原市の境目近く、

大洞という土地に”願成寺”という古刹がある

そこの境内にある桜の老木が はなはだ貴い



中将姫誓願桜 - Chujo-hime Seigan Zakura -



齢1200年、ヤマザクラの変種という

変種といっても、この桜は世界でここだけ、ただ1本しか存在しない

それだけでも貴重な桜であるが

その縁起もこの桜を高貴なものとしている





は奈良時代までさかのぼる

朝廷の実力者・藤原豊成には娘がいた

その娘は幼い頃から才色兼備

帝の寵を受け、三位中将にまで叙せられた

人々はその娘を”中将姫”と呼ぶようになった





かし中将姫の継母は そんな姫の存在が疎ましく抹殺をはかった

中将姫はかろうじて難を逃れるも、追っ手を怖れて都を落ちていった

諸国を放浪してたどり着いたのが美濃国の願成寺

願成寺の本尊は中将姫の父母が姫を授かる前に願掛けした長谷寺に同じく

十一面観音である






れども流浪を重ねてきた中将姫は体を壊し婦人病に苦しんだ

姫はこの寺の観音菩薩に救いを求め、一心に祈った

すると姫の病は平癒し、喜んだ姫は

観音菩薩に御礼の祈りを捧げ、当麻曼荼羅を織って納めるとともに

この寺の境内に一本の桜を植えたのだった

天平勝宝八年(西暦756年)のこととされる


の桜こそが今私の目の前にある桜の大木、”中将姫誓願桜”なのだった