無駄な日記 -9ページ目

無駄な日記

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あの日は雨だった。雨は嫌いだった。でもあの子が変えてくれた。 あの日あの子がいなかったら、あたしはいなくなってたかもしれない。


すごい雨だけど傘はささなかった。
まだ家には帰れないけど、いく場所なんて友達なんていないから。
適当に座って、誰かをずっと待ってる可哀想な女の子を演じてた。

「一緒だね。」

急に上から声がした。 そこには見たことないような、不思議な子がいた。

「びちょびちょ。傘無いの?」

あたしの思考じゃついていけなかった。どんどんこの子に呑み込まれてった。すごく綺麗な顔なのに、瞳が顔と合ってない。なんというか、顔は高校生位なのに、瞳は全部学んできた大人みたいな。

「あ、傘、ある…あ、あります」

普通だったら、傘とか渡さないだろうけど。今は普通じゃないから、傘を手渡した。

「なんだ。あるじゃん。傘、入れてね。」

あ、止んだ。あたしとこの子の上からは。
この子になら、何を言っても大丈夫な気がした。

「あ、あたしは頑張ってんのに、でも実際できてなくて。こんなのただの言い訳なのはあたしが一番分かってるけど、できないものはできないの。」

もう、止まらなかった。いったあとに後悔したけど。 でも、なにかフォローとかしてくれると期待もしてた。

「ほんとに、そんなんただの言い訳じゃん。」

「とは、言わないからね。大丈夫だよ。君の周りはアホばっかでも、俺は違うよ。大丈夫だよ。大丈夫。」

やっぱり期待してよかった。後ろから抱き締めてくれた。優しかった。

傘がそっと手から離れた。

「あはは。結局濡れちゃったね。ま、いっか。君最初から濡れてたしねー。帰ろっか。」

あたしは、この子の名前も知らない。なんでこんな流れになったかもわかんない。
でも、繋がれた手は温かかった。手が暖かい人は心が冷たいらしいけど、あれは嘘だね。いま嘘になった。

「うん。帰る。」

また、頑張れる気がした。あたしは大人にはなれないけど、頑張ることを頑張れば、大丈夫だと思わせてくれた。

雨も悪くないね。こういう出会いがあるなら。

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