次の窃盗罪の説明の正誤を答えよ。
窃盗罪は、他人の占有する財物を占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移す犯罪であるので、
客観的に経済的な貨幣価値、交換価値がない物を窃盗した場合、たとえば、ラブレターや、破損して使えなくなった日銀銀行券などは積極的な財物性が認められないので、それらが盗まれても窃盗罪は成立しない。
なお、ラブレターを盗まれた場合は、民事訴訟において精神的損害を受けたことによる損害賠償および慰謝料を請求することで別途救済し得るので、窃盗罪が成立しなくとも著しく不当とは言えない。
○ 正か × 誤か?
答えは↓のテキストを反転させて下さい。
Ans. ×
客観的、経済的な交換価値がないものであっても、主観的、感情的価値が存する場合、また悪用されないことについて消極的価値が存するような場合には財物性は肯定され、窃盗罪は成立する。従って、設問の説明は誤り。 で、あるけれども、もちろん処罰に値する程度以上の価値のある財物であることは必要。その程度を満たしていないなら違法性は阻却されよう。