先月24日、Connectedのメンバー市川の子どもが通う幼稚園で、保護者向けの勉強会を開きました。
題して<子どもを守る勉強会「秋冬の食べ物と、放射能」>。
福島原発事故による放射能に、親としてどうやって子どもを守れるのか、食べ物のことを中心にお話しさせて頂きました。
会には25名も参加して下さって、「わかりやすかった」「みんなにも知ってほしい」と、多くの声を頂くことができました。
そこで、参加できなかった方にも知って頂けるように、その内容を何回かにわたってこのブログに載せていきたいと思います。
それでは、勉強会の内容、スタートです。
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◇イントロ
僕(市川)は東京に約15年住んでいたのですが、3.11の福島原発事故が起きてすぐに愛知に引っ越ししました。
それは、放射能の影響をとてもリスクの高いもの、と認識しているからです。
特に子どもにとっては、全く安全ではなく、でき得る限り避けた方がいいと思う。
放射能について、科学で分かっていることもあるけれど、分かっていないことも多い。だから、現場で実際に起きていることも重視しています。
また、流れてくる情報のほとんどは「成人」を基準にしたもの。子どもの場合どうなのか、という親にとって最も知りたい情報が少なすぎると感じています。
そして、放射能のことが説明される時、難しすぎる内容だったり、大事なことが抜けていたりすることもあるな、と。
だから、親にとって欲しくて、かつ分かりやすい情報として、今回お届けしたいと考えています。
ただ、これはあくまで1つの情報にすぎず、「絶対に僕の言っていることが正しくて、この通りにすべきだ」なんて全く思っていません。
自分なりに考えるときの参考にしてもらえれば幸いです。
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◇汚染の範囲
まず、原発事故による汚染状況を振り返ります。
文科省のSPEEDIが行った震災翌日から4月末までの放射能の汚染予測です。
東北から北陸、関東、そして長野や静岡、愛知県にまで広がっています。
この予測を裏付けるように、実際に愛知県の東部・新城市のお茶で基準値を超える放射能が検出されました。
いかに広範囲にわたって日本が汚染されているのかがわかります。
次は、予測ではなく、実際の陸の汚染状況を調査したものです。
これは文部科学省が航空機を使って測定した、放射性セシウムの蓄積量です。(10月12日発表。ソースはこちら)
文科大臣は、東北・関東だけではなく、全国を計測することを決定したので(10月19日)、次は愛知、岐阜も入る予定です。
そして今度は海の汚染を予測したものです。
福島原発を起点に、放射能が太平洋に大きく広がっている様子がわかります。
これは、ニュージーランドの海洋コンサルティング会社が提供している8月11日時点での予測です。(ソースはこちら)
放射能汚染というと、どうしても福島のことだけに意識が行ってしまいますが、実際には陸も海も、とても広範囲にわたっています。
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◇放射能のおさらい
では、ここで放射能についておさらいです。
先ほどの汚染によって放射能が問題になりますが、放射能は電磁波の一種で、毒やウィルスとは全く違います。
放射能の影響は2通りあります。
1つは、放射能が外から通過するときに、体を傷つける「外部被ばく」(左図)。
目に見えないものすごく小さな鉄砲の弾に撃たれるイメージです。
もう1つは、体の中に放射能を取り込んでしまって、内側から浴びる「内部被ばく」。(右図)
ものすごく小さなサボテンが体内に入って、体の中がトゲトゲで傷つけられるイメージです。
それから、放射能の単位はいろいろありますが、
μSV(マイクロ・シーベルト)という単位が出てきたら外部被ばくのこと、
Bq(ベクレル)というのは内部被ばくのこと、
と思ってOKです。
高度汚染地域と違い、西日本では内部被ばくが90%以上を占め、そのほとんどはセシウムによるものです。
セシウムは半減期が30年もあるので、今後100年は影響が強く残ると思います。
また、セシウムは一度体内に取り込むと排出まで1年もかかり、その間ずっと骨格筋や甲状腺、あらゆる臓器を傷つけます。
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次回は「被ばくの作用」についてお伝えします。