言っとくけど、長いよw
カン劇cockpit第9回公演 「変調・三人吉三巴白浪」無事に閉幕しました。
今年で参加2回目の本公演参加。
去年の「変調・夏祭浪速鑑2015」では一瞬出演しましたが、今年は公演期間も3日と1日長く、そもそも休みが取れるか否か解らず、舞台演出の一部を担うかも知れなかったのですが、制作の手伝いだけの予定となりました。結局職場への交渉が通り、3日間とも制作の手伝いとして、裏方と相成った訳です。
嬉しかったのは、昨年も参加されていたヴェテランのスタッフの方に、「近平さん、今年は出ないの?」と言って頂いたり、制作の経験の長い方に「違和感ない」「慣れてるんだと思ってました」と言われたり、去年も出ておられた出演者の方に「現場に居るのが自然」と言って頂けた事。
兎に角邪魔したり足を引っ張ったりはしてなかったんだな、と。
SNSでも出ません宣言をしていたにも関わらず、初日に指摘したのもあって、座長に「普段、沢山観てるから出来るでしょ」と前説を仰せつかり、断るのも悔しいのでつい二つ返事で受けてしまいました。
本編に関係ないとは言えども、前説は芝居の雰囲気を壊しかねないし、知ってる役者さんや観劇仲間も来場しているし、緊張感は半端じゃありませんでした。
一緒に手伝いをしていた、何年も舞台経験のある、カンセイの法則の森口裕貴くんですらやった事がないと言うし、同じく手伝いをしていたカンセイの法則の中山圭祐くんにも、「まぁまぁ大役ですよね」と呆れられ、益々募る緊張感。
人知れず内容を考えて、一応何回か練習して、甘噛みしつつも何とか形にはなったかな?とは思います。
何だかんだで、結局人前に出る羽目になってしまいましたw
本編はというと、特筆すべきは、先ずはお嬢吉三役の西村快人さん。
役柄は女装の盗人で、女としての「しな」もあり、男としての勇ましさもあり、クライマックスでの演舞ありと、大役を見事にこなしておられました。
元々ダンスも日本舞踊も出来る多彩な人で、ショウにも出演されているので、クライマックスの刀を持っての演舞は、目と心を奪われる綺麗さ。
西村快人ファンにとっては、最高の出演だったのではないでしょうか。
そして弁士他の役を演じられた、上杉逸平さん。
出演作を幾つも拝見してきて、関西演劇界のスターだと思っていた役者さんと、間近で対面して会話をするとか、そりゃもう夢のようで…。
バラシでも一緒に作業をさせて頂きながら、密かに「お前、気安く話しかけてるけど、バンタムクラスステージにもスタージャックスにも出てはる、凄い俳優さんやで…ネスタリゾート神戸のCMの人やで…」と自分に言い聞かせていましたw
あとゲストで来られた、劇団五期会の牛丸裕司さん、劇団空組の空山知永さん、イズムの山本香織さん、塩尻絢香さん、テノヒラサイズの川添公二さん、KING&HEAVYの飯嶋松之助さん。
空山知永さんの歌唱力、山本香織さんの人を惹きつけるエンターテインメント性、川添公二さんと飯嶋松之助さんの巧妙な掛け合い。
去年も出演されたお2人、牛丸裕司さんの持つ唯一無二の語り口調は去年の楽屋の雰囲気が蘇ったし、塩尻綾香さんは沢山の舞台に出られ、去年よりも綺麗さと貫禄が増したように見えました。
また前述のお2人や、演出の山本拓平さん、来場して下さった佐藤智美さん他、去年ご一緒させて頂いた方々が、対面するなり誕生日のお祝いの言葉を掛けて下さったり、3日が誕生日だった西村快人さん、4日が誕生日だったヴェテランの寺本愼吾さんと一緒に、現場で誕生日のケーキを頂いたり。
ど素人の裏方を役者さんと一緒に祝ってくれる座組の暖かさ。
エレベーターで初対面した川添公二さんは、挨拶をしたら俺がTwitterでフォローしている事を把握して下さっていたりと、やはり引く手数多な役者さん達というのは、心配りも素晴らしいんだなぁ…と感心する事しきり。
観劇好きとして特にシヤワセなのは、お客様が目にする事がない、ヴェテランの役者さん達が楽屋でチョケるやり取りや、本番より豪華なメンバーでのふざけたリハーサルなどを目の当たりに出来る事。
役者さん達がホントに芝居が好きなのが垣間見えて、しかもクオリティが高くて、観客は数人のスタッフだけ。
それだけで数千円払う価値がある…と思える位のプレミアムなショウ。
例えて言うなら、ジャズのライヴ本編の後、名だたる手練れのミュージシャン達が、閉店後にジャム・セッションをしているのを見ているような、贅沢で至福の時。
去年も出演された、迫力もコミカルな面もある大ヴェテランの舞夢の唐木ふとしさん、何ともキュートなアコヤの木の曽木亜古弥さん、もう何年も色んな芝居を拝見している、カンセイの法則の田中之尚さん、舞夢プロの寺本愼吾さんの落ち着いた演技が芝居を締め、兵庫県立ピッコロ劇団の浜崎大介さんが華を添える。
またおとせ役の舞夢プロの吉崎加奈さんは、急に決まった代役の上、本編に最初に登場し、導入でのお嬢吉三とのやり取りでの、「あ〜い〜!」の声で初笑いを誘い、観客を温めるという大役。
端で見ている以上に大変だったろう事は想像に易く、演出を受けたり上演の間に稽古をしたり、とても真摯に芝居と向き合っておられた印象。
忘れてはいけない、劇団員の3人。
先ずはお坊吉三役の松本大志郎座長。
良い声と滑らかな口調で、益々安定感抜群。客演の方達もだけれど、こんな人と身近なのかと、自分の置かれた立場を嬉しく思うくらい。
特にお嬢吉三との、友情とも愛情とも取れる2人芝居は、綺麗で切なくて見惚れてしまいました。
いつも良い役柄の伊藤一壮さん。
去年の「変調・夏祭浪花鑑2015」での一寸徳兵衛が素晴らしく、「あぁ、今回のこの芝居は、この人の為の芝居だなぁ」と思わせる程だったけれど、今年の演目でも、1人で縁と因果と友情をどうにかしようとする、全てを背負った和尚吉三はとても良かった。
特に血を分けた兄妹を手に掛ける直前の苦悩するシーン、とりわけ大楽は観客誘導の都合で劇場内に居たのだけれど、あまりの良さについちょっと泣いてしまいました。
そしてカン劇cockpit名物、田島篤さん。
白塗りで甲高い声で現れる、気持ち悪いキャラ。
大楽ではやりたい放題で和尚吉三を笑わせて、観客からも一番ウケていたっけ。
楽屋で「去年は白塗り(田島篤さん)と青ヒゲ(俺)が…」という声が聞こえてきたけれど、また俺が青ヒゲで舞台に登場する日が来るのでしょうかw
(またプレッシャーは半端ないだろうけど、そんな機会があるならちょっと嬉しい)
今年は舞台の裏側の、沢山の人が地道な作業をしていて、それに自分が携われたという事も、またシヤワセでした。
幕が開くまでの準備、起こるハプニングへの対処、現場での判断力、効率良い作業の為の段取り。
そんな事を考える楽しさと、ホンの少しでも役に立って、極一部とはいえ、微妙ながら芝居を支えているという実感。
例えば劇場で手にする、アンケートのバインダー。
チラシの挟み込みから、その束やアンケートやエンピツを留める作業、上演後にバラバラになったチラシを集め、アンケートを回収し、並べなおす。
例えば降った紙吹雪。
ホウキやモップで搔き集め、何もなかったように劇場を元通りにする。
例えばチケット。
予約状況を把握し、メールやSNSで演者さんが受けた予約を、チケットとして準備する。
そういった細かな事の裏側には必ず人が居て、地道な作業の上に、全てが成り立っている。
役者さん達の演技だって、音響や照明だって、脚本があって、演出がついて、役者さんが咀嚼して、また演出がついて…の繰り返し。
華やかで非現実的な世界を支えているのは、多くの人の地道で現実的な作業。
想像は出来ていたけれど、そんな事を改めて知れたのも、とてもありがたい経験だった。
また制作でも、役者さん達のおふざけと同じく、過去の経験(特に公演の修羅場を切り抜けた話)などをコッチョリ聞けるのも、貴重な経験でした。
台詞もないたった30秒程度の出演だから、そういうのもおこがましいけれど、去年は演者でもあったので、役者さん達と一緒に劇場の片付け作業をしていました。
今年は制作なので去年とは違った場所での作業で、劇場の片付けに入るタイミングが遅くなり、照明を設置・調整する為のキャットウォークにまで登りました。
ここで上杉逸平さんと「逸平・近平」コンビで作業出来たのも、やってる最中から良い思い出になるだらうなぁ…と思える贅沢な時間でした。
また顔見知りの役者さん達が幾人も来場され、(前説を見られるのは緊張するけれど)驚いた顔をされるのを見るのは快感でした。
中には差し入れを下さる方もあり…。
あと嬉しかったのは、親しくしてくれている東京小劇場の売れっ子舞台女優、柚木成美さんを通じて知り合った、観劇仲間とも言える前田さんが、俺の告知を見て観劇に来て下さった事。
それを素敵な言葉で綴って下さいました。
観劇が趣味の一つ(何なら最近のメイン)になって、早6年。
観劇を始めた頃に、まさか自分が舞台に上がったりとか、制作の手伝いをしたりとか、そんな事になるなんて、これっぽっちも思っていませんでした。
芝居や制作の裏側を知る事で、観客として良くあろうとも思うし、大勢の人が作り上げてゆくモノを、丁寧に扱ってちゃんと受け止めようとも思います。
そんな機会をくれた、カン劇cockpit松本大志郎座長、同席を許して下さり、心安く接して下さる役者の方々、制作チーフのP・T企画の丹原祐子さん以下スタッフの方々、ご来場下さったお客様、皆様本当にありがとうございました。
またお手伝い出来る機会がある事を、切に願っています。
やっぱり舞台は面白い♪