管理人の自伝にあたり、その冒頭で決して忘れられないたくさんの記事の中でも特筆すべき記事があります。
2011年6月14日の記事
タイトル:強いとか弱いとか
本文:
どうでもいいんだよね。強さとか弱さとか、そんな基準で寝たきりやってらんないよ
主治医にも言ったけど、楽しいか楽しくないか、そこだけさ
別にオイラが楽しくなくても先生が楽しけりゃそんで良いし、誰かが楽しんでて欲しいよ。
その先でオイラが一番楽しんでやる。
病的骨折の胸椎オペのために寝たきりのまま整形外科病棟に移る直前頃の記事です。
オペの執刀する整形外科医は県内でも優秀な医師で関節や椎間椎骨のオペには定評のある医師と決まり、血液内科の主治医と一緒に屈託無い話し合いをしたあとの記事だ。
管理人の多発性骨髄腫が大きく蝕んでいるのは既に病的骨折を引き起こし病巣から飛び出した骨髄腫が神経まで数ミリまで迫っているのは画像でも見て取れる。
次いで仙骨には骨折寸前の骨髄腫も見える。
このため管理人は寝たきりを強いられ、大量ステロイドによる極初期治療と放射線照射により骨髄腫を縮めるかあわよくば消し去ろうと挑み始めた頃合いだったと記憶している。
整形外科医も若いながら正直で、真摯な対応をする方だ。
管理人の多発性骨髄腫はかなり進行してステージ的には最悪で骨折からも麻痺はおろか生命も危ぶまれ、オペに当たっては執刀しても止血が見込まれなければオペできない状況にまで進行している。
当然残された時間の宣告も受けている。
管理人にとっても二人の主治医にとっても厳しい状況なのは間違いない。
幸いに放射線照射で仙骨の病巣は縮み、規定回数以内での効果が期待できる。
問題は胸椎である。
病的骨折箇所にボルトを打ち込み椎骨を固定し、飛び出している骨髄腫を外科的に取り除き、神経の圧迫のリスクを排除するというオペだ。
飛び出している腫瘍の画像はブログ内に残されています。興味のある方は参照して下さい。
管理人の多発性骨髄腫はIg-A、多発性骨髄腫自体が希少な症例な上、ステージは最悪だし整形外科でのオペ自体主治医はこれまで二例、実に正直すぎるカミングアウトだ。
管理人の脳裏をよぎったのは心配してくれて見舞いに来てくれた大切な人の一言だった。「病気に立ち向かうって、やっぱり強いよね」。
頭ん中で管理人は素直に、強いとか弱いとか、そんなことで寝たきりやってるんじゃないんだよなって・・・
そして管理人は症例の多い病院に移らずこのまま進む道を選んだ。
楽しいか楽しくないか、、、それはギャンブルに挑む乗るか反るか、アメフトの第四クオーターの残りわずかな時間、ギャンブルでの逆転のタッチダウンを狙うアドレナリンマックスな気分。
タッチダウンできて大逆転できてもできなくても管理人は厳しい。
でもそのキャリアとデータは残り、管理人に続く第四の症例には活かされるはずだ。
そこでは管理人よりも多少なり優れた何かが活かされるはずだ。
苦渋かも知れないが、どんな結果でも管理人はその先で胸を張れる自信と覚悟を確信した瞬間を記事にしたものだ。
その後、放射線照射と大量ステロイドとが効果をある程度見せてくれて数日後に正式に術式などの説明やリスクについて、輸血や手術の同意を経て整形外科病棟に移りオペとなる。
オペ自体は成功だった。だったと管理人も家族も信じている。今でも。
オペは予定どおりに夕方から始まり、ほぼ予定どおりに終わったらしい。
術後、術後管理のための個室に移り全身麻酔から覚醒し始めた頃合いで担当ナース君が感覚と期待できる運動機能の確認に来てくれた。深夜のことだ。
上半身から腰へと感覚は問題無かったが、向こう脛あたりから感覚が弱まり右の膝下は全く感覚がなく更に両足の運動機能が全廃だとナース君が気づいた。実に優秀なナース君だと思う。
1度解散した管理人のオペチームが急遽呼び出され再結成され、管理人は再度オペ室に戻る。
管理人の家族は深夜の帰宅途中を呼び返されたが、事態は緊急を要し、承諾を待たずに再度オペとなる。
案の定、オペ箇所からの出血は大量過ぎ、ドレンからの体外排出も間に合わないほどの出血。
この大量出血はかえって神経を圧迫し、放置すれば自らの出血で良ければ下半身麻痺、最悪は多発性骨髄腫の合併症で・・・
一度閉じたオペ跡を再度開き、内部での出血を確認し、止むを得ず蝋で出血箇所を止血してと言う2度目の緊急オペを行った。
オペが終わったのは翌朝で管理人が覚醒したのは日没後だった。
断っておくが、管理人も家族もオペは間違いない成功だと確信している。
が、主治医は謝罪を繰り返した。
現場は壮絶だったことは容易に想像できる。
その後術後管理のための個室生活は予定の倍の時間を過ごすことになり、ベッド上の半抑制状態の管理人の精神状態は崩壊寸前まで行き、その間には多くのナースさんたちには想像を絶する負担を掛けているはずだ。
毎日のように輸液や輸血を繰り返し、聞こえてくるのは血栓防止のマッサージ機のモーター音。無機質な部屋。
管理人を支えるスタッフの気力に支えられ、管理人には長すぎる時間を経て大部屋に移れた時には人格が変わる寸前だったのかも知れないが、その瞬間から始まる時間は最早管理人だけの時間では無くなっていたはずだが、当時はそんなことは考えもしなかった。
ここでのオペを決めた時には、「その先でオイラが一番楽しんでやる」って気概を込めたはずだったのだが、、、
このオペ以降の時間は管理人に与えられたと言うよりも、管理人に託された貴重な時間であることに改めて後々痛感する。