名探偵コナン 時計じかけの摩天楼



コナンくんの見どころといえば、

事件に関連するトリックやコナンくんの名推理、阿笠博士のメカを使ったアクション、新一と蘭の恋愛模様が挙げられると思っています。

そしてもう一つ、犯人の人物像も見どころとして大事な要素だと思っています。(トリックがすごくても、犯人の動機が薄っぺらいとしらけてしまいますよね…)


というわけで、このブログでは推理・アクション・恋愛・犯人の4つの観点で、感想を残してみようと思います。


 あらすじ

※ネットから引用。

新一宛に世界的に有名な建築家・森谷教授の邸宅で開かれるパーティーの招待状が届いた。コナンは、蘭と小五郎を誘い出席する。それが事件の始まりだった・・・。 プラスティック爆弾用の特殊火薬が大量に盗まれる事件が発生した。その犯人と名乗る男から予告電話が入り、現場に賭けつけるコナン。そこへ「なぜ工藤が来ない!」と再び犯人から電話が入る。ヤツはどこからか見ているのか?!そして、連続して犯人からの爆弾予告。いったいどこに爆弾を仕掛けたのか?恐怖が大都会をパニックに陥れる。刻々と迫るタイムリミット、コナンに打つ手はあるのか!

(c)1997 青山剛昌/小学館・読売テレビ・ユニバーサル ミュージック・小学館プロダクション・TMS


 感想

観終わった直後の感想としては、おもしろい!の一言です。

いやあ、どんな作品でも共通すると思うんですけど、やっぱり1作品目がいちばんおもしろいですね。(偏見)

まだコナンくんぜんぶは観てないので、このあと覆る可能性もありますが、この作品がいちばん好きな予感がしてます。


展開や見せ場が丁寧で考え尽くされてる感じがあってほんとに好きですね。

冒頭の黒川邸の話、コナンくんの普段の話(おっちゃんがヘボ推理して、コナンが麻酔銃で眠らせて蝶ネクタイ型変声機でおっちゃんになりすまして推理する)を入れることでコナンくん初見の人にも優しくしてるのかなと思いましたが、それだけのためかなと思いきや、この黒川邸もあとで出てくるんですねえ。

あと、新一の関わったいちばん大きな事件として、西多摩市市長の事件が回想で出てきますが、これは新一の推理力の見せ場、かつ市長の息子がスケープゴートにされるためかと思いきや、しっかりと犯人の動機にも絡んでくるんですよね。

本筋の連続爆破事件以外のこういった事件のエピソードも、本筋にしっかり絡んでくるんです。

もちろん、本筋の爆破事件のトリック、推理もすばらしい。無駄なシーンがなく、伏線がきれいに回収されていくので気持ちよく観れます。

では、細かいコメントは推理・アクション・恋愛・犯人の観点で以下に書いていきます。


推理

以下の4つの爆弾事件が起こります。


▽ラジコン爆弾

犯人から新一に電話があり、最初の事件が起こります。

爆弾の種類はプラスチック爆弾で、最近倉庫から大量に盗まれたとニュースになっていた事件が関与していることが判明します。

起承転結の起となる事件ですね。


▽ねこケース爆弾

木の下→木の根っこ→ねこ!

という阿笠博士の出すダジャレクイズのようなヒントでねこケースに爆弾があると判明します。

児童公園前でなぜ爆弾のタイマーが一時ストップしたのか?という謎も残ります。

この謎もいいアクセントになってますよね。


▽電車爆弾

この電車のエピソード、好きなんです。

「××の×」「時速60km」「日没になったら爆発する」というヒントと、阿笠博士の「まるでわしの作ったスケボーと逆じゃな」という発言でコナンくんがひらめく!

まさか線路の間に置かれてたなんて…

私もおっちゃんと同じく「網棚の上」「座席の下」とかしか思い浮かばなかったよ。

この、車体の長さと日陰になる時間の仕組みおしゃれじゃないですか?

乗客の怒りや不安、駅員さんたちの焦りの描写もしっかりとあって、視聴者側も焦燥感に駆られますよね。


▽ビル爆弾

コナンくんがカマをかけて、自白に追いやるのはさすがの手腕。

なぜ森谷の作品が爆破されていくのか、なぜ新一が巻き込まれたのかが明るみになり、そして蘭がいるビルに爆弾が仕掛けられていることがわかる…

謎を解いた→犯人は捕まえられた→だけどまだ最後に置き土産の爆弾があった→蘭が危ない!

アツい展開ですね。


アクション

最近の作品ではコナンくん人間辞めてるようなのがありますが、1作目というのもあってか、コナンくんがまだ人間です。

ド派手なアクションシーンとかはないですが、しっかり博士のメカを使ったシーンが出てきますね。

脚力増幅シューズでラジコン爆弾を空中爆発させたり、スケボーでタクシーを追いかけたり。

タクシー追いかけるときの疾走感好きですね。

最後のビル爆破のインパクトもすごい!


恋愛

蘭ちゃんかわいいです。

もうね、最後のシーンが好きなんですよ。

森谷もコナンも、赤い色が好きで今月のラッキーカラーが赤な蘭は、赤い線を切ると思うわけですよ。視聴者もやべえ!と思うわけです。

違うんですねえ。

赤い糸切りたくないから残すんです蘭ちゃんは。

この乙女心がみんなを救ったんです。

蘭ちゃんかわいい。

新一は扉の向こうで「死ぬときは、一緒だぜ」ってめちゃクサいせりふを言うわけですよ。

君たちまだ高校生ですよね?って思うわけですよ。

クサい…だがそこがいい。

新一と蘭、ふたりの恋愛模様はコナンくんの見どころですよねやっぱり。


あと、線を切るシーンの演出も好きです。

クライマックスでは画が白黒になって、視聴者は蘭ちゃんがどちらの線を切ったかわからない。

だんだん色づいて、青を切っていたことが判明します。

この演出おしゃれじゃないですか?ベタかな?

個人的には好きな演出です。


犯人

森谷帝二、シンメトリーにこだわるあまり自分の名前まで左右対象になるように改名したほどの人物です。

コナンくんが「ほとんど病気だな」的なコメントしてますが、こういうエピソードで、森谷の人物像がわかりますよね。

森谷という人物像から、自分の過去のシンメトリーではない作品が残り続けていくことがゆるせない、西多摩市の構想が実現できなかった原因となった新一がゆるせない、という理由にも個人的には納得感がありました。

最後に3分間残してやる、という展開も、森谷らしくてとても好きです。魅力的な犯人だと思います。

コナンくんの作品でいちばん好きな犯人かもしれない。まだぜんぶ見てないけど。


ちなみに、森谷帝二という名前は、シャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授からもじったんだろうなと思いますが、こういう細かいところもちょっと嬉しくなりますよね。


 総評

★★★★★

満点の星5です!

1作品目は、本当は満点ではなくて、評価の基準となる点数をつけるべきかなとも思ったんです。4とかね。

だってこれよりもおもしろい作品があるかもしれないから。最初から5をつけちゃったら、5以上がつけられなくなっちゃうから。

でもこの作品はほんとにすばらしいので、最初から星5にしてしまいました!

コナンくんを観ようと思ってる人、最初に観る作品として、時計じかけの摩天楼おすすめします!