
こちらは20年ぶりのJR東海新型通勤電車として注目を浴びた、315系電車。中央線へ次々投入されているほか、1ヶ月前に関西本線にもデビューしたばかりです。
選ばれたのは特急ひだ号でした。




2022年7月1日にHC85系がデビューし、特急南紀にも導入されたばかり。これでJR東海すべてのディーゼル特急が最新型車両に統一されています。

今回はこのHC85系で名阪間を移動。
それと同時に普通席とグリーン席を比較してみます。
グリーン車に乗車するのは、HC85系営業運行初便以来。

完全に車内が見えないこの扉、中の空間がどうなっているのか楽しみになります。

デッキ洗面台横のナノミュージアムもぜひ見ておきたい所。こちらでは美濃和紙と岐阜うちわが飾られていました。
今回はほとんど岐阜を楽しめないので、ここでパワーをチャージしておきます。

座席の形はN700S新幹線のグリーン席と同じと言って差し支え無いのですが、この色彩による爽やかさは特別なものです。
名古屋駅は後ろ向きで出発しました。
高山まで行くのに岐阜駅で進行方向が変わるため、予め逆方向にしてあるのです。


『アルプスの牧場』の車内チャイムが流れ、ディスプレイには各停車駅が表示されます。
乗客の9割が目的地とする飛騨地域ですが、ここまで連れてかれると大阪へ行けません。
リクライニングはしっかり倒れ、座面も少し傾けられています。最近では主流の、少し固めで支えてくれる座席です。
大きなフットレストも備わっており、開くことで靴を脱いで使う面になります。








丸いライトが手元を照らしてくれます。
高さを変えられるヘッドレストは、しっかり頭を支えてくれました。
HC85系はハイブリッド気動車で、かなり静かな走行となっています。
その仕組みが車内の液晶に表示されていました。
基本的にはご覧の状態、エンジンが発電した電気を使ってモーターを動かします。発電機を列車に積んでいるイメージです。
ブレーキをかける時、モーターからバッテリーを充電。加速する時にはエンジンが発電した電気に加え、バッテリーに充電していた電気も手助けして、モーターを回します。

天守閣の赤い柵がアクセントの、清洲城のすぐ横を通過します。外国人観光客にとっては大興奮の景色でしょうね。

稲沢の貨物駅横を通過。東海道から名古屋へ来る貨物列車は、一旦ここに集まってから貨物線を走ります。

HC85系は東海道本線で120km/h出しており、周りの電車に影響を与えない走りを見せてくれます。

一部特急が停車する尾張一宮駅には停まらず、通過しました。ここから少しの間名鉄名古屋本線と並行します。
名鉄でも新型車両9500系が2019年、9100系が2021年にデビューしていますが、それでもHC85系の方が新しいのでこちらを選んでいます。
名古屋駅から20分足らず、岐阜駅に到着です。

金華山の頂上には、ぽつんと岐阜城。写真に収めてもちょっと認識しづらいです。

遂に岐阜駅構内へ入線。あまりに短かったグリーン車のくつろぎも終わりです。
16:22 岐阜駅 着

特急ひだ号は岐阜駅で進行方向を変えます。先程まで先頭だった車両のおでこが赤くなっていました。

東海道本線から高山本線へ入り、飛騨川沿いの渓谷美を楽しませてくれるのでしょう。
と思っていたら発車標に答えが出ちゃっていました。1日1本だけ運行されている、大阪行きの特急ひだ号に乗車します。



改札外へ出てきまして、指定席特急券を購入しました。特急ひだ36号大阪行きです。

1時間近く時間があるので、モスバーガーへ来ました。
なぜか水が欲しくなったんですよね〜(すっとぼけ)
30分前に4番線ホームに上がってきました。
先ほどは表示されていなかったのですが、特急ひだ36号大阪行きの上に特急ひだ16号名古屋行きが表示されています。
岐阜駅に特急ひだ36/16号が入線しました。この列車は高山から一緒に走ってきたのですが、岐阜駅で連結を外してそれぞれ大阪行き、名古屋行きになるのです。
岐阜駅で解結作業が行われるため、大阪行きの扉が一旦閉まります。
再び扉を開けまして、特急ひだ16号名古屋行きが先の出発です。
今回乗車する大阪行きについては2両編成での運行、多客時や団体客がいると増結されます。残念ながらグリーン車が入ることはありません。

17:44 岐阜駅 発

2号車指定席に乗り込みまして、岐阜駅を出発しました。自由席も指定席も半分くらいの区画が埋まる程度の乗車率です。
JR西日本エリアに乗り入れるため、液晶ディスプレイでは、丸い駅ナンバリングを付した停車駅も案内されます。



高架を走っており新幹線と同じような状況ですが、この大きな窓から市街地を見下ろせるのは、在来線特急ならではの魅力です。
向こうに停まっている水色の列車は樽見鉄道。
元々国鉄でしたが、貨物鉄道の西濃鉄道が主に出資する第三セクターとして残っています。

ここから特急ひだ大阪行きは、東海道本線もう一つのルートである、新垂井線に入ります。
垂井駅に停車しない大阪方面(下り)の特急と貨物が走行します。
左手奥の方を見ていると、東海道本線沿いの街が広がっています。今走っている方が町外れなのは明らかです。
新垂井線の途中に存在するのが、新垂井駅跡です。
下り列車が垂井駅を通らないため救済措置として開業したのですが、乗る場所と降りる場所が違っては不便で、1986年に廃止されました。
東海道本線と新垂井線が合流しまして、関ヶ原駅から東海道本線に復帰します。



岐阜県から滋賀県に入りました。
ちょうど東海道新幹線が疾走するところ、その向こうには伊吹山が見えています。車内の暖色とナチュラルな車窓のコントラストが素敵です。
東海道新幹線の乗換駅でもある、米原駅に到着。

ここからJR西日本エリアへ入ることになり、乗務員さんもJR東海からJR西日本へ交代されました。
近江鉄道へ乗り換えることもできまして、最新型ディーゼル車からレトロ電車を眺められます。
左手に注目していると、歴代の新幹線試験車両が展示されています。
各時代で技術の結晶がここに詰め込まれており、どんどん高速化が図られました。
しばらくすると東海道新幹線と交差する地点、ちょうど新幹線がやってきました。
以前乗車した時も見られたので、ぜひ注目してみてください。




夕暮れの紫の空や紅葉をイメージしたという、グラデーションがかった色合い。ちょうど陽が落ちていくところで、それに照らされる座席もこの上なく美しいです。
列車はかなりスピードを落としてきました。ここはまだ複線のため、おそらく前後に列車がいるのでしょう。
次の停車駅は草津駅、草津線ホーム階段には列車を降りたお客さんが集中しています。古い国鉄113/117系電車が走っていましたが、2023年春にJRの車両へ統一されました。

草津駅は東海道本線の主要駅ですが、これに代わる東海道新幹線の駅は無く、米原〜京都の駅間距離は青函トンネル区間を除いて日本一長いです。南びわ湖駅が計画され着工したものの、県知事により工事凍結が決められました。
普通席でもこの通りかなり倒れている印象。背もたれが高くなっており、プライベート感が向上しました。
全席にコンセントが備わっており、現代には欠かせない電源事情を解決しました。

テーブルも十分広々しており、やはりN700S感が漂います。

こちらにもナノミュージアムがありまして、高山市の一位一刀彫です。
木目と次第に艶が出る茶褐色の美しい一位の木を材料に、鋭く彫り上げることで作られる工芸品になります。
滋賀県からトンネルを抜けまして、京都市内へ。

道路上を走る上、京都市営地下鉄へ乗り入れまで果たす、京阪京津線の線路を越えます。
京都駅に到着しました。この列車は高山〜京都・大阪へ一本で行き来したい、外国人観光客にも人気です。