黒き双龍(銀魂夢小説) -2ページ目

黒き双龍(銀魂夢小説)

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(さて………あとは妙達に任せといて大丈夫か……


オレもみんなのところに戻るか。


ええと……どっちだった?広いから迷うな……。)




来た道を戻るが、どこかで間違えたようだ。



「………………のだな……。」


カチャッ……


(………ん?………今のは刀の音か………?)



ある部屋をふすまの隙間から覗くと、10人ほどの攘夷志士が円を作って話していた。



(攘夷志士………!?)



全員剣を携えているが、この程度の数なら倒せそうだ。


だが、こういう時にとった軽はずみな行動で、前に注意をうけた。



もう二度と同じ過ちを繰り返してはいけない。



とりあえず戻らなくては。



来た道を戻り始める。


「申し訳ございません、お客様、こちらの通路は関係者以外立ち入り禁止となっております。」



「あ、部屋に行きたいんだけど、迷って……

どっちに行けば……」



「すみません、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」



「坂田で予約した………」



その瞬間、その通路に真選組の隊士が通った。



「わりぃ、真選組だ。」



その女官に手帳を見せると、中に入った。



「おい、何があったんだ!?」



「わ、篠原さん!

合コンじゃなかったんですか!?」



「いいから!」



「は、はい!

この屋形船に上様が乗りたいと仰られて、今松平様とお酒を…………

俺たちはその護衛に……」



「原田隊長いるか!?

そっちのほうが早い!」





「原田隊長!!」



「篠原!?

なんでここに?

合コンは?

あーいい女いなかったのか?

お前、顔はいいからすぐに………」



「それより……(原田の耳元に手を添えて

この船に上様の身を狙う志士の侵入の恐れが……。」


「何!?」



原田隊長の顔つきがみるみる変わっていく。



「おい!みんな!集まれ!」



作戦を立て始めた隊士達をよそに、夏希は土方さんに電話しようとした。




グラッ…………ガクンッ………




船が跳ねた……!



そう皆が思った途端、船は重力に伴って急降下を始めた。



「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」




「天誅ーーー!!!」




遠くで鋭い声がした。




次に聞こえる、刀がぶつかり合う音。




ガシャンッ……バリンッ…



船が縦になり、柱に掴まって凌いでいた。



「将軍様ァァァ!!!」



急な揺れで隊士達が将軍様の着物から手を離してしまったらしい。



一生懸命、柱に掴まっていた夏希だったが、無理に手を伸ばす。




ガシッ!



「くっ…………!」



重力、自分の体、上様。



それらを1本の腕で支える。



「あっ………!ぐっ………ぅっ………

(ちぎれる……っ!くそっ……!)」



「夏希!」



「銀時………っ!

しょ、将軍様を…………っ!」




将軍を掴む手をありったけの力で引き上げる。




ガシッ!




「すまない!」



将軍も銀時の腕を掴んで引き上げられる。



ガクンッ………



「九ちゃん!」



「え………!」



妙の声とともに、九兵衛が夏希達の横を滑り、落ちていくのがスローモーションのように見えた。



「九兵衛!!」



銀時が将軍を新八と神楽に預け、走り出した。



が、九兵衛はすごい勢いで落ちていく。



カァンッ………



グラっと揺れて、九兵衛が止まった。



夏希が咄嗟に投げたその小太刀が九兵衛の肩口に刺さっていた。



それから、気絶させられていた船員が目を覚まし、舵を取った。



攘夷志士達の作戦は失敗………全員が我ら真選組のお縄についた。



また、誰一人として重傷者は出なかった。




「篠原殿。」




「あ?あ、九兵衛か……悪かった。

怪我はなかったか?」




「ああ。君のおかげでな。」



2人は軽く笑い合った。



九兵衛が手を差し出す。




「君とはいい友人になれそうだ。

これから、よろしく頼む。」



「ああ。こちらこそな。」



夏希も強く握り返した。






「って…いい感じに締めましたけど、これ結局………合コンやった意味ないじゃないですか。

誰も九兵衛さん口説いてませんよ!」




「まぁ、いいんじゃねーの?

女同士の友情が芽生えたっつーか。」



「ええ!でももしかしたら本当に………。」




「女同士っつっても、九兵衛は男だと思い込んでるだろ?

夏希のこと。」



「…………!そうでしたね!」




「男にちょっと触れただけで投げ飛ばしちまう九兵衛の奇跡的な大進歩だろ?」




「じゃあ!それでもいいかもしれませんね!」




「っつーことで、帰るぞ、ぱっつぁん、神楽!」




「はい!」



「おうネ!」



銀時は軽く2人を見ると、万事屋に帰っていった…………。




~後日談~


“ゴスロリ専門店”



バベルの塔建設の広告の下に書かれたその文字を見つめ………



「若、一生ついて行きます…………」



と何やらボソボソと呟く東条の姿が目撃されたという。








合コン行くぜ![完]