わが校では、学期に三度、漢字テストを行っている。
日本漢字能力検定対応の問題集から範囲を決めて、読み取り5題、書き取り10題、四字熟語等5題の合計20題を出題。
1題5点の配点で100点満点。
70点以上が合格となり、学期末の成績に反映される、というシステムである。

そのうち四字熟語は、四つの文字の一字を空欄にして、そこに入るべき漢字を答えさせる問題である。
むか~し、むかしのそのむかし、「○肉○食」という四字熟語を「弱肉強食」で完成させるべきなのに、「焼肉定食」と答えた学生がいた、というのは日本中で有名な話だけど、きょう日もそれに似たお笑い答案が!

●熟慮断行 
 「熟(  )断行」で出題→生徒の答え 「熟年断行」
 ほほう。「熟女断行」でないだけまだましか。
 歳を取ってくると弱気になって決断力が鈍るもの。「熟年断行」もいいかも。
●自業自得
 「自(  )自得」で出題→生徒の答え 「自損自得」
 損得勘定が働いたのか?
 自分のしでかしたことで損をしようが、得をしようが、自己責任ですよという深い教えかも。
●山紫水明
 「山(  )水明」で出題→生徒の答え 「山鏡水明」
 たぶん、「明鏡止水」と混同している。
 この世を映す大きな鏡が山にはある。悪いことはできないよ、ということ?

まあ、以上は四字熟語の話だが、他にも書き取りで傑作なものが。

●哀愁→生徒の答え 「愛臭」 「哀臭」 いずれにしても、悲しいというより臭いのである。
●矛盾→生徒の答え 「無純」 「盾矛」 「純」なやつはいない?語順が「矛盾」?
●醜態→生徒の答え 「終体」 「臭体」 そうだね、醜態さらしたら終わりかも、臭うかも。

ほかにも傑作はいくつもあるが、国語の先生としては笑ってばかりはいられないのでこれぐらいにしておこう。
それにしても言葉を知らなさすぎるし、漢字は一字一字意味がある表意文字なんだということが徹底されてない。
こんなことは小中学校でしいかり教えてきてほしいものだが。

高校の国語も、まずは漢字から始まるのである。


今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。
また、折を見て傑作を紹介しましょう。