ワインショップ・エノテカから2009年のボルドーのプリムールの案内が来ました。

プリムールというのは、昨年収穫したばかりでまだ発酵の途中、瓶詰めさえされていないワインを早目に予約購入するというものです。

大体において2年後に(実際は収穫年の3年後)に市場に出回る時の価格よりも安いので、ボルドーファンには魅力的です。

私もかつて1999年と2000年のプリムールを購入したことがあります。


その時の値段の一例。

★1999年。スーパーセカンドセット。

シャトー・コスデストゥルネル 6,000円

シャトー・ピション・ラランド 6,000円

シャトー・パルメ 8,798円

シャトー・レオヴィル・ラスカズ 9,358円

シャトー・デュクリュ・ボーカイユ 6,093円

★2000年。

シャトー・コスデストゥルネル 8,200円

シャトー・ピション・ラランド 8,200円

シャトー・カノン・ラ・ガフェリエール 7,000円


まあ、全て1本1万円を切っていて、当時スーパーセカンドものは市場に出回っているものでも1万前後の価格のものが多かったから、こんなものでしょう。

1級5大シャトーものは1万を超えていたはずですが、でも2万も3万もいくのはそう多くは無かったと記憶しています。

それなりに牧歌的な値段だったなぁと、今は思うわけですよ。

コスが6,000円で買えたなんて、今となっては笑い話みたいです。

現在の市場価格では、コスの2000は20,000円ですから、8,200円は安い買い物でした。



ところが、です!


まあ、あなた、2009年ものの値段のすごいこと!すごいこと!!

シャトー・コスデストゥルネル 36,640円!

シャトー・ピション・ラランド 19,200円!

シャトー・パルメ 32,100円!

シャトー・レオヴィル・ラスカズ 33,030円!

シャトー・デュクリュ・ボーカイユ 29,860円!


軒並み3万円を超える!!

こりゃあ、10年前の5倍の価格になっているわけです。

(ピション・ラランドの評価が低いのがちょいと気になるけれども)


じゃあ、1級5大シャトーはどうか。

もう驚天動地の世界です!


シャトー・ラフィット・ロートシルト 162,750円

シャトー・マルゴー 105,000円

シャトーラトゥール 115,000円

シャトー・オーブリオン 105,,000円

シャトー・ムートン・ロートシルト 105,000円


1本10万ですよ、10万!!!!

10年前の当時のカルトワイン、シャトー・ル・パンなんかよりもはるかに高い。

これが市場に出回る日には、どんな値段になっているのか。

恐ろしい!!

ちなみに、シャトー・ル・パンの2009プリムールは、262,500円!!!!

これまた冗談みたいな値段ですわ。


2年後にこんなワインたちをほいほいと買える富裕層が日本にどれだけいるのか、世界にどれだけいるのか。

あまりに高くつけすぎではないのか、ボルドーのシャトーの強気のみなさん。

超セレブしか味わえない1級ものって、いったい存在価値があるのか?

と疑ってみたくもなりますわね。


それにしても、かつてシャトー・オー・ブリオンの1987を4,980円で買ったことがあったけど、もう今となっては神話の世界の出来事ですね。


これからのボルドー。

1級とスーパーセカンドはあきらめて、せいぜい4級・5級あたりをちまちまと買うしかないような気がします。


21世紀1級は遠くなりにけり



今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。

たかが750mlのぶどう酒に、あなたは10万以上払う気になりますか?