わが校は携帯電話は持ち込み不可である。

特別な事情がないかぎり、携帯を持ってこなくても家族と連絡はつくからである。

携帯を持ってきているがためにメールやゲームが気になって授業にうちこめなくなるからである。

家庭で子どもに携帯を持たせることがあっても、学校には持ち込まないよう、新入生登校日などに保護者にお願いしている。


しかし、それでも持ち込む生徒がいるのも現実。


学校としては校内で携帯を持っているのを「発見」したら、それなりの指導をする。

生徒は「スタンプラリー」と言っているが、再び持ち込まないよう反省文を書かせ、学年主任や生徒指導部に「説教」されることになっている。


しかし、それでも持ち込む生徒がいるのも現実。


度重なる場合は、保護者を呼んで「解約」してもらう場合もある。

保護者も子どもの成績下降の原因の一端にもなっていることは重々承知で、ほとんど同意してくださる。

しばらくは携帯なしでの生活となるから、生徒にはけっこうきつい責任の取り方になる。


ことはそこまで行くこともあるのだが、それを生徒にも口酸っぱく言っているのだが、しかし、それでも持ち込む生徒がいるのも現実。


2学期になって携帯持込で指導を受けた生徒はわがクラスで4名。

その中には、もうほとんど携帯中毒になっているような生徒もいる。

1人を指導し、そのたびに他の生徒にも持ち込まないように訴える。

しかし、それでもまた1人、また1人と重なって4人になった。

この調子では、たまたま携帯は見つかっていないものの、持ち込んでいる生徒はもっといると考えてよいだろう。


だったら、いっそのこと持ち込みを許可したらどうかという議論も出てきそうなものだが、そういうわけにもいかない。

いったん許可したら、授業中に携帯を扱う生徒が増えることが予想できるし、休み時間など携帯で堂々と遊ぶ生徒が出て、学校生活にけじめがつかなくなるだろう。

携帯によるいじめや中傷、トラブルなども学校で発生するかもしれない。

それだけは絶対にさせてはいけない。


携帯を持ち込む生徒がいるのは事実だが、持ち込み禁止だからこそ「指導」ができる。

携帯は、学校で生活をいとなむ上で、ほとんど必要ないし、むしろ害悪でさえある。

大人が「正しい携帯の使い方」をいくら教えても、それ以上に子どもたちは「正しくない携帯の遊び方」をよく知っている。

そのような携帯を持ち込ませるのは、学校にはなじまないと思うのだ。