時々、卒業生が訪ねてきてくれる。

今年卒業したOB・OGから数年前に卒業した人まで、折を見て来てくれるのはありがたい。

それぞれの仕事や学校の様子を語ってくれるのは、いつも同じ所で棲息しているばかりで外の世界を知らない私学の教師にとっては、いい社会勉強にもなる。


今日も4年前の女子の卒業生2名がやってきてくれた。

男女共学の1期生で、大学生であれば今が4年生。

彼女たちは短大と専門学校に進んだのですでに働いている。

そのうちの介護福祉士をしている卒業生との話。


卒「今、●●という特養で働いているんです」

私「介護福祉士かあ。仕事がたいへんだろう?」

卒「ええ、おじいちゃん・おばあちゃん相手に、お話してやり~の(某イタリアンのCM風)、食事させ~の、しもの世話してやり~の、いろいろしてやっていますよ」

私「夜勤とかあるんだろう?」

卒「もちろんですよ。寝てられないですよ~」

私「へぇ、大変だね」


卒「セクハラもあるんですよ」

私「セクハラ?」

卒「そう、お尻とかさわってくるおじいちゃんがいるんです」

私「ええっ。じいさんが!で、そんなときどうするの?」

卒「ダメダメって、手ではらってやります」

私「そりゃあ、ほんとに?男って枯れないんだね」

卒「そうですねえ」


私「で、仕事では何が一番大変なのかな?」

卒「やはりお風呂に入れてやるのが一番きついです」

私「人を抱えるって重たいからね。腰とか痛めそうだね」

卒「そうですね。でも、楽しいですよ。みんな洗ってあげます」

私「その、じいちゃんとか、お尻触る人とかも洗ってやるわけ」

卒「ええっ。体の隅から隅まで全部洗ってあげますよぉ」

私「へぇ」

卒「もう、全部知ってますよ、見てますよ(笑)。なにもかも」

私「なにも、か・も・・」

卒「ええ、ぜんぶ!(笑)」

私「はぁ・・・」

卒「先生も歳とったらどうですか。待ってますよ~」

私「はぁ・・・・・・・」


爽やかな笑顔を残して彼女たちは帰っていったのでありました。