いやあ、昨夜は眠れなかった。
優勝しなかったら、生徒たちががっかりするだろうし、それを励ますにはどんな言葉がいいかを考え、一方、優勝したらアレッタで食事?
食事代をどうする(笑)
複雑な気分で朝を迎えた。
結果を係の先生に聞いてみたい気もするが、まあ、自信があるのかと思われるのも嫌だし、だめだった場合の心の持ちようもあるので、朝の会(SHR)でも生徒には何も伝えることもなく。
ただ伴奏の女子には朝早く電話して、もしかしたらもしかするかもしれないので楽譜だけは持ってくるよう伝えておいた。
朝の会を終えて、閉会式に向かおうとしたら、係の先生に呼び止められる。
「A組が優勝しているんですよ。でも、ステージに昨日みたいな雛壇は撤去されてないので、そこで雛壇なしで歌ってくださいね。大丈夫ですよね」
閉会式で、合唱優勝クラスは全校生徒・教員を前に歌うことになっている。
「あ、そうですか。(優勝を)ありがとうございます。練習する時間はありますか?」
「いや、ありません」
「ぶっつけ本番ですか?」
「そうです」とこともなげに言われてしまった。
そうか優勝か。
優勝は、それはいい。
うん。
アレッタ?
うん、困った。
どうしよう。
というか、それよりも閉会式で歌うのか。
今日は練習してないぞ。
いきなり歌えるのか。
心配になってきたので、発表前に生徒に伝えるのも好ましくはないけど、指揮者・伴奏者・soliの生徒には心づもりをさせるためにそっと耳打ちする。
さて、閉会式前には教員たちのステージ。
女性デュオ、男性デュオに続いて、男性若手教員たちよる「THE RED THEATRE」。
これが異様に盛り上がった。
テレビ番組の影響だね。
また、女性教員全員による荒城の月も盛り上がった。
「文化祭では、生徒たちだけが盛り上がるんじゃなくて、先生たちもいっしょに盛り上がるのがいいよね」というメッセージが生徒には伝わったのではないだろうか。
荒城の月では、それぞれのキメの場面で3年生女子たちから「ニーニーサンシ、サンニーサンシ!」という掛け声がステージの先生たちにかかる。
自然発生的に生まれた掛け声が、会場の一体感をいやがうえにも盛り上げていたなあ。
さて、教員のステージが終わって、いよいよ閉会式。
合唱の成績が発表になる。
「優勝、1年A組!」の声とともに、抑制した生徒たちの歓声が聞こえる。
「まあ、大方の予想通りのA組の優勝でした」という声を聞いたものの、さてすぐに歌の準備だ。
ステージ裏に生徒を集合させる。
「すげぇ、ドキドキする」「怖い」など気の弱い声が聞こえてくる。
アレッタのアの字も出てこない。
副担のT先生にも男声陣に加わって歌ってもらうことにする。
制服を着ると、まったく生徒みたいです、新卒のT先生は。
私は譜めくりとして伴奏の女子につくことにした。
本当はいっしょに歌いたかったけど。
さて、このお披露目の合唱、私の心配をよそに生徒は堂々と歌ってくれた。
soliも昨日の本番よりもよく聞こえた。
文化祭の全ての催しの最後にステージで歌える喜びを感じ取ってくれたのではなかろうか。
soliの女子は校長から声をかけられて涙ぐんでいた。
つらかったもんなぁ、いろいろ言われたり悩んだりして。
やめようと思ったときもあったが、他の女子生徒の励ましもあって最後までsoliを務めることができた。
校長から「おめでとう!」と握手をいただく。
担任として、初めて文化祭のコンテスト部門で優勝した。
やはりうれしいものです。
生徒には「ありがとう」とお礼を言いました。
さて、いつアレッタに・・・・(笑)