書きたいことその1
00年代 個人的ベスト10アルバム 洋楽編 第2位
White Stripes - Elephant (2003)

落書帳-white

革新的であることはもちろん素晴らしいことでありそこに疑問の余地はないけれど
だからといって革新的であることが全てかと問われたらそれも違うな、絶対に違うな・・・
なんてことを思わせてくれる、ガレージリバイバルの中でも異質な存在感を放つ
ホワイトストライプスの4枚目のアルバム。大好き。

The White Stripes - Seven Nation Army


06年のワールドカップで優勝したイタリア代表が決勝戦の後に合唱したなんてエピソードもある
Seven Nation Armyのリフは、ロック界における00年代最高の発明品なんじゃないかと。

ベースは居ないし、メグ・ホワイトのドラムはへっぽこのふにゃふにゃ(つまり下手)だけど
そういったバンドの背景、環境と楽曲の性質が生む音と音の隙間がたまらなく気持ち良い。

The White Stripes - Ball and Biscuit


チャットモンチーの染まるよという曲が好きなのはボーカルのえっちゃんが可愛いからではなくて
恐らく計算の元にギリギリまで削られた音数の中で
緊張感もセンチメンタルも全部表現されているから。
これって簡単なようで実は凄く難しいんじゃないかと。
数年前にお友達の女の子がチャットモンチーのコピーバンドでライブをするということで
暇な体を運んで観にいったけど、それはそれは酷かった。肥料にもならないウンコって感じだった。
スカスカの音からは緊張感とは程遠い絶望感が消えることなく漂い続けていた。
僕は協調性に欠ける部分がある嫌なヤツだと自覚しているけど
それでも感じた感想をストレートに伝えるのは流石に躊躇し、適当言って誤魔化した覚えがある。
チャットモンチーは凄いのだ。安易に真似したら怪我するだけだと思うんだよ、はは。

・・・って急に何言ってんだって話だな。
そう、ホワイトストライプスのソリッド感が好きだって話から脱線したんだ。

チャットモンチーが三人の絶妙なバランスによって成り立っているのに対して
ホワイトストライプスはジャック・ホワイト一人のとんでもない才能ありきで成り立っている。

こう言うとへっぽこドラムのメグは要らないだろって気分になりがちだけど
実はそれも違ったりするのがまた不思議で魅力的なところ。
上のBall and Biscuitの映像はその最たるもので
へっぽこドラムに完璧なタイミングで絡みまくるジャックのギターと
それに答えるメグとのやりとりでなんというか興奮するというかエロい。たまらなくエロい。

The White Stripes - Black Math (Live)


ジャックばかり褒めていまいちメグを持ち上げきれていない気がするが。
僕は現代のギタリストの中ではジャック・ホワイトが圧倒的ナンバーワンで
他にも好きなギターを弾く人は何人も挙がるけどジャックとは5馬身差以上離れている・・・
くらいのことを大真面目に思っているし感じているので仕方ないということにしておく。

あのLed Zeppelinのジミー・ペイジがこれと似たようなことを言っていることからもわかるように
彼等の音楽のルーツは60-70年代のブルーズ/ロックンロールである。
つまりそこらへんにイマイチ馴染みが無いというか人気が無い日本では
ホワイトストライプスも知名度のわりに人気はイマイチなのが若干切ない。
1:50~のギターソロとか死ぬほどカッコイイと思うんだけどなあ。オシッコ漏らしそう。

が、そんなことはどうでもいいのだ。大事なのは自分の気持ち。
2010年代も革新性ばかりに捉われずにオールドスタイルでもガシガシ才能を発揮して
素晴らしい音楽を生み出してくれるバンドが出てきて欲しいなー、という願いも込みでの2位!

オマケに・・・邦楽にもこういうギターを鳴らすバンドが欲しい!頼む!
なんて欲張りも言ってみたり。ひひ。

Elephant
Elephant
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