キラキラネーム認容指針を 法務省が 発表したそうだ
5月から 戸籍の氏名に読み仮名を記載するよう 戸籍法が改正されるため
キラキラネームが話題になったのは だいぶ前のような気がする
「幻の銀侍(まぼろしのぎんじ)」っていう名前で届けようとして 役所で揉めたと 聞く
名前の中に 「の」 という 助詞が含まれているので
個人的には好きだけどなあ 自分の子には付けないだろうけどね ![]()
落語で こんなのが あった
江戸時代 ある地域の町民は 出身地で相手を呼んでいたって
おい相模 とか おい丹波 とか おい美濃 とか
でも土地の名前では 人間味が無い
そこで 守名(かみな) という 武士や公家が使う官職名を 自分たちにも使わせてくれ と 奉行所に願い出た
相模守(さがみのかみ) 丹波守(たんばのかみ) 美濃守(みののかみ) みたいに
てっきり 門前払いかと 思いきや
お奉行様は 「わかった 守名を許してつかわす」「ただし『の』を使うことはまかりならん」と 条件付きで 承認なさった
とても許されると思っていなかった 町人たちは 大喜び
これでおいらは 美濃守 おめえは 丹波守だなあ ![]()
んんん~ ちょっと待てよ お奉行様は 「の」の字を使ってはならない と おっしゃった
じゃあ 「みののかみ」 じゃなくて 「ミノガミ」かよ 障子紙みてえじゃねえか ![]()
(6代目三遊亭圓生『佐々木政談』YouTubeより)
お墓から 名前を取った
小説家の阿川弘之さんが 亡くなられて ことしで 10年
ご生前の話しだが
長男がお生まれになって 産院に向かう道すがら ふと 横を見ると
墓地
南さんというお宅の墓所で いくつも 立派な墓石が並んでいる
その中で 南尚之 という名前が 目に入った
尚之 いいねえ 自分は弘之だから ちょうどいい これ もらおう ![]()
ということで ご長男は 阿川尚之 と 名づけられて
永年 弁護士・法学者として活躍され 昨年2024年11月に ご逝去なさった
長男の次に長女がお生まれになり 再び 南家の墓所にある 墓石から
南佐和子 という 名前を見付けられ
長女は 阿川佐和子 と名づけられて
エッセイスト タレント として 活躍中 ![]()
お前たちの名前は 墓からもらった と 聞かされて育った 佐和子さん
実際にそのお墓を 見に行って ほんとだ と 確認
でも なんか 変だな!? 尚之 が ??? と気づく
墓石には「南尚之墓」と刻まれている
これは 南尚之 じゃなくて 「南 尚 『の』 はか」と読むのではないか
「みなみ なおゆき はか」とは 読まないよね
とすれば この墓は 尚之さんじゃなく 尚さんのお墓 ![]()
お父ちゃん 早とちりして ![]()
(「強父論」阿川佐和子 文藝春秋 2016年)
戸籍法が改正されて フリガナ は 振るけれど
あれこれ悩んだ人も サクッと名前を付けた人も 命名した理由までは 書かなくてよい
誰の子 という連体助詞の「の」や
その名前でいいの
という終助詞の「の」が
辺りに漂うばかりだ![]()
