新規事業コンサルタントの視点 -2ページ目

新規事業コンサルタントの視点

新規事業コンサルタントの鈴木進介(株式会社コンパス)が、新規事業のツボをコンサルティングや研修の現場と新聞記事の事例より解説し、企画、事業計画作成のヒントをご提供します。

新規事業において数々の事業計画書を見てきましたが、実際に事業を立ち上げて成功する事業計画のポイントを少しお話ししてみたいと思います。単なる「計画書」ではなく、立ち上げて収益を上げて初めて意味がある「計画書」になりますが、実際には計画の精度と立ち上げの精度は必ずしも一致しません。

どういうことかと言えば、事業計画上は市場がいかに魅力的かをうたっていて確かにその通りなのですが、ポイントはその事業を自社で行うにふさわしいかという議論が抜ける点です。

市場分析を的確に行い、市場規模、市場成長率、参入タイミングは論理的にはOKであっても、その会社が参入するにふさわしい事業かどうかは別問題という意味です。つまり市場の魅力だけで参入するのはリスクがあるということです。

私がお勧めしているのは、市場の魅力度と共に、自社に合った事業かどうかという「自社軸」の検討です。市場に魅力があり、企画が優れていても、事業を運営できなければそもそも収益も上がりませんよね。

新規事業は、何をやるかや、どのようにやるかよりも、誰がやるかが一番大事。以前、こんなお話をこのブログでもやってきました。しかし事業計画をつくっていると、ついついその視点が置き去りにされてしまうものなんですよね。

では自社に合うかどうかとはどういうことなのでしょうか?

技術や強み、経営資源があるかどうかやブランドイメージなども大切なのですが、私は「社風」を挙げます。社風とは組織で醸成される空気ですよね?で、この空気とは社員ひとりひとりから構築されていきますが、その中でも「スピード感」が大切だと提唱しています。

市場への参入タイミングが適切であっても、市場の「変化のスピード」に適合していけるかどうかは別問題です。分かり安く言えば、超大企業で官僚的組織風土の会社がスマホを使ったネットサービスを新規事業で行う場合に、スピードの点で、スタートアップのITベンチャーに勝てるとは思えません。

お金や能力、実績、ブランド力、計画力があっても、スピードが命のような市場では、逆に参入してしまうと命取りになってしまいます。

市場の魅力度と共に、自社への適合度合いも確認したうえで参入の可否を決めることが新規事業の検討、最終段階では必須事項ですので留意しておきましょう。スピードとは目に見えない資産(強み)ですが、これが成否の分岐点になることもよくありますので、スピードという視点で企画を見直してみて下さい。



【結論】

新規事業は市場の魅力だけではなく
自社への適合度合いも可否判断で必要である。



※動画での解説は以下より





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今朝、日経のネット版でサイバーエージェントの藤田社長の面白いインタビュー記事を見つけました。詳細は記事に譲るとして、藤田社長が日ごろ感じている新規事業の企画書作成の「5つの落とし穴」というについてのインタビューです。

全て共感できますし、手に取るように分かります。藤田社長は日本一新規事業の企画書に目を通していると言われますが、私も毎日クライアントの企画書を拝読し、添削していますので、このインタビューのリアリティが半端ないです。

今回は、この5つの要点についてご紹介したいと思います。



【1】

「企画を詰める」と「企画書を詰める」の違いを知らず、
企画書作成に時間をかけている。

【2】

企画内容を否定された時に、
「人格を否定された」と感じて反論する。

【3】

「よくつくれた企画書」に自分自身が
騙されていることに気づいていない。

【4】

疑問の全てに答えようとして、
不必要な資料を用意しすぎる。

【5】

相手のアドバイスを
企画書に盛り込まない。




【結論】

企画書は手段であって目的ではない。
顧客へのバリューが目的であって
自分の主張に意味はない。



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新規事業をこれから始めるという会社からご相談頂くもので、異業種市場への参入の可否についてがあります。過去に経験がない異業種市場へは参入してもいいのでしょうか?この質問は業種業態や規模を問わず必ず受けます。さて、あなたはどう思いますか?

私は「原則としては不可。ただし条件付きでOK」といつも同じ回答をします。

これはどういうことかと言えば、やはり慣れない市場で新規事業を成功させるのはハードルが高すぎるので、リスク回避のために”原則”としては「お勧めしない」というのが私の見解です。異業種市場とは、いわゆる飛び地市場という言い方もされますが、ノウハウがない市場は、当然ながらコストや時間がかかり、通常は成功確率も高くないものです。

ただ、実際には異業種市場へ参入して成功している企業が多いことも事実です。また市場の変化で、異業種へ参入せざるを得ないというケースもありますので、何が何でも不可というわけではないのです。ではどういう条件なら参入してもいいと思いますか?

私は3つを揃えることを条件にしてくださいとクライアントにはアドバイスします。
それは「成長市場+ノウハウ+人材」の三要件です。

異業種であっても伸びている市場であれば、競争環境が激しくても共に伸びていくことが可能です。また新規での顧客獲得が比較的容易になります。つまり営業コストが抑えられるという意味です。たとえばかつてSEO対策という言葉が世に誕生した時には、SEO対策して問い合わせの数を増やしませんか?というネット支援企業が急増しました。当初は競争が激しくても、それなりには顧客が獲得しやすかったので、参入リスクは低かったと言えるでしょう。

次に、ノウハウの獲得です。ノウハウがないということは、逆にノウハウが獲得できるのであれば異業種=参入不可という構図は崩れます。ここで問題なのは、ノウハウ不足をどう埋めるかということです。新規事業のコンサルティングの際は、事業計画には”具体的なノウハウ補完方法”を記述するように私は指導していますが、どんな方法があると思いますか?

一番簡単なものから順番にご紹介していきましょう。新規事業コンサルタントの導入⇒FC加盟⇒ノウハウ人材のヘッドハンティング⇒先行企業へサポートを依頼⇒業務提携⇒M&A。方式は色々とありますが、現時点での企業のリソース、経営体力などを総合的に加味して、必要な策を選択するところからノウハウ補完を考えていきましょう。

最後は、ノウハウ補完にも含まれていますが、やはり実務が分かる人材をどう確保するかという点です。新規事業は、何をやるかや、どうやるかより、誰がやるかでかなりの部分が決まります。そういう点でも、妥協せずに人材を集めるまでは新規事業に参入しない心づもりで、人材命で物事を考えて下さい。

考えてみると、近年、化粧品市場には異業種から続々と参入し、一定の成功をおさめた企業が多数存在します。たとえば、富士フィルム、サントリー、ロート製薬、アサヒ、花王、ニチレイ、グリコ、メロディアンなど、全ては三要件を満たしつつ、自社の保有技術や資産をうまく転用されています。

いずれにしろ、異業種市場への参入は条件付きですることを忘れないようにご留意ください。論理的に市場を分析して、ただ良い市場だからという点だけで参入すると、大きなやけどを起こします。過去に私のクライアントで事業計画だけは社内で承認されたのに、人材がいないという理由で宙ぶらりんになっている企業も多数あります。これなどは机上だけで新規事業の企画を「ただやっただけ」という虚しい事例と言えるでしょう。



【結論】

異業種への参入は条件付きで行うこと。



※動画での解説は以下より





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これまで新規事業企画について①足し算、②引き算、③逆張りという視点についてご紹介しておきました。ここでいったん復習がてら整理しておきたいと思います。

まず言いたいことは、頭だけで企画をひねり出さないことです。頭の中にない情報や知識をひねり出すことはできません。また体験したことのない感覚は企画の形にしにくいのが現状です。そこで、頭の良し悪し、経験の有無、センスの良し悪しを超越したところで、「視点」を複数持つことが企画には重要だとお話してきました。

さて、それではいくつか事例を紹介してきたところで、あなたに考えてほしい問題があります。一度時間をかけて考えてみて下さい。


【演習問題】”マクドナルドを勝手にコンサル!”

マクドナルド向けに新規事業を考えて下さい。
「新たな店舗企画」「新商品企画」「新規サービス」など何でもOK!
また、個人向け、法人向けも問いません。
さらに、実現性も問いません。
ただし、前述した「3つの視点」を必ず使ってください。


いかがでしょうか?3つの視点でひねった時に、どんな新規事業企画が思いつきますか?

以下が回答例です。


【回答例】

①足し算の場合・・・

・医療マック ・花屋マック・宅配サービス など

②引き算の場合・・・

・子供、シニア、ポテト専門 ・自動販売機 ・セルフレジ

③逆張りの場合・・・
・超高級 ・カロリー超高 ・喫煙専門 ・パフォーマンス接客つき


いかがでしょうか?つまり、アイデアがぱっと出なくても、視点を多く持っていれば、ある程度は機械的に当てはめていって企画を出すことは可能です。ここに例えば、男性向け、女性向けなどと掛け合わせていくと、「3つの視点×2つの顧客対象」=「6企画」が生み出されることになります。

さて、これを自社の展開に当てはめるとどうなるでしょう?
自社に置き換えての発想がブログを読むうえで重要です。


ところで、新規事業の企画とは事業内容(商品やサービス)の企画で終わりません。ゼロベースで企画発想しても良い場合は、「業態」そのものも企画をしてみましょう。業態と言えば、事業の提供形式のことです。「業種」は「分野」という意味なので、やや意味が異なることに注意は必要です。

業態とは、例えば「店舗形式」「物販(実演、通販、店舗)」、「物づくり」など大きく分けて3タイプありますね。同じハンバーガーショップをやるにしても、どの業態でやるかの違いで十分新規事業企画になりえます。

ここにリアルだけなのか?ネットだけなのか?ネットとリアルを組み合わせるのか?など、より深いレベルでの”提供形式”も重ねて企画していきます。

ここまで来て初めて、「妄想⇒空想⇒構想⇒事業アイデア⇒事業企画⇒業態企画⇒提供形式」という変遷を経て、新規事業企画の”骨組み”が出来ます。

もう一度繰り返しますが、新規事業の企画創出とは「視点勝負」の部分があるということだけをお伝えしておきたいと思います。



【結論】

事業内容の企画だけではなく、
業態の企画まで含めて考えること。


※動画での解説は以下より





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新規事業の企画の視点の最後になる3つめをご紹介しましょう。それは「逆張り」というものです。読んで字のごとく、他社が通常としている戦略の全て逆を張って、ひとり勝ちを目指す戦略的な新規事業企画の視点になります。

この事例にはユニークな事例が多いので、今回は「逆張り」視点の企画についてお話を進めていきましょう。

一番分かりやすい「逆張り」視点は、”メンズエステ”というものかもしれません。これは顧客(市場)対象を他社とは逆を行くという考え方です。かつてはエステといえば女性向けの市場でした。それが今や男性向けも珍しくはない時代です。はじめに逆張り視点で、この市場に参入した企業の勇気を讃えたいものですね。

また、リクルートのホットペッパーというクーポンつきフリーペーパーは、紙の媒体からスタートしました。これからネットだ!モバイルだ!という時代に、リアルの媒体の広告枠を営業部隊が受注するというアナログ営業からスタートさせました。これにより、リクルートの営業力を活かしながらも、まだネットに不慣れな店主を開拓していったのです。

これからネットだ、モバイルだという時代にあっても自社の強みを活かすために、アナログで逆張り的で参入したというのは英断だと思います。

それから、これは前号でもご紹介しましたが、「らくらくホン」や「LCC」など引き算の事例も、ある種「逆張り」視点でもあります。

また女性向けの下着で言えば「小さく見えるブラ」というヒットした商品があります。なんで胸を大きく見せるブラではないのか、以前不思議でしたが理由があります。それは「小さく見せる」というより「小さく見せるつもりで装着すると、細く見える」という効果があったようです。

さらに、メーションというブライダル企業が提供する「スマ婚」というコンセプトも、典型的な「逆張り」視点で面白い新規事業です。「スマ婚」とは、「スマート結婚」の略です。通常前払いのところを、後払いでOKにしたり、他社のサービス利用もOKにしたりと、とにかく既存会社の逆をつくやり方で急成長したのです。

このように紹介していけば、枚挙に暇がないくらいにある「逆張り視点」の新規事業ですが、実際にどのように進めていくのかを最後にお話ししておきたいと思います。

まずは、競合他社の特徴を全てリストアップしてください。できれば、A社、B社・・・などと比較表にまとめると良いでしょう。次に自分の会社で提供するサービスで競合他社のやり方を全て逆にすればどういう展開ができるのかを比較表の一番端の欄に書き込んでいってください。

最後に、逆のやり方の中で、最も顧客が欲する価値を1つだけ残して、事業全体のビジネスモデルをイメージしていきます。

「逆張り」視点の企画は、既存の会社に不満を持つ顧客を一気に取り込めるビッグチャンスも創りだせますので、新規事業の企画の視点にはぜひ取り入れたい切り口です。


【結論】

既存会社へ不満を持つ顧客を
全て取り込むつもりで企画を作ること。


※動画での解説は以下より





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新規事業の企画において、私が注目している視点は「引き算」です。なぜなら、これだけモノあまりで成熟化している日本で、たくさんサービスや機能をつけられても、”もうお腹いっぱい”という消費者が増えてきているからです。

提供するものをたくさん増やせば、顧客が喜んでくれるように思うかもしれませんね。しかし、それは既に幻想です。「あれもこれも」提供しても、どこが一番の特徴なのか分かりにくいものですよね。これだけ情報が氾濫している中で、「総花的」というのは弱点になるリスクさえあります。

それよりは、「この事業はこの1点が特徴です。ただ、この1点はどこにも負けません」とうたった方が、顧客に見つけてもらいやすいばかりか、1点に関しての競争力に全精力を集中させれますので事業としての継続性も強固なものができるでしょう。

それでは、提供物を減らして「引き算」するとはどういう事業の企画方式なのでしょうか。引き算のいくつかのパターンを事例と共に解説したいと思います。

引き算の種類はいくつかありますが、まずは物理的に提供するモノを引き算するという視点が一番分かりやすいでしょう。

たとえば女性向けフィットネスクラブのカーブスは、プールもサウナも、ダンススタジオもありません。あるのは、マシーンだけです。そして各マシーンを40分間を目安に順次こなしていくというものです。これにより出店の際のコストは軽減しながら、開設期間も短縮化して、世界最速でのFC展開のスピード記録を持っています。

コンセプトは「主婦が買い物帰りにノーメイクで立ち寄れるフィットネス」と言いますから、顧客対象⇒コンセプト⇒引き算視点まで秀逸な事例ですね。

次に、機能という点では「らくらくホン」の事例が分かりやすいです。かつては、いや、今も携帯電話(スマホ)は、機能がとにかくてんこ盛り!でもそこまで機能を使わないという人や、中高年など機能が多くては使いこなせないという層もいます。だからこそ、機能をとことん省いて必要最小限にした「らくらくホン」はヒットしたのです。

最後に、今となっては著名な事例ですが、QBハウスという「プロセスを引き算」した事例についても触れておきましょう。QBハウスという理髪店は髪をカットしてもらった後は、シャンプーもブローもシェイビングもやってくれません。その分10分間で仕上げ、切った後の髪の毛は掃除機のような機械で吸ってくれてキレイにしてくれます。そして価格は千円少々。

つまりプロセスを引き算することで、時間と値下げを実現して、昼休みの短時間に会社員の方が通いやすくして顧客を増やした良い事例です。

また、最近航空産業で勢力を伸ばしてきているLCC(低価格航空)も、機内食を排し、通常とされるサービスを切り離して全て別料金にすることで、価格を安くしています。これもプロセスの引き算事例の典型ですよね。

そもそも顧客は、たくさん商品やサービスを提供してもらうだけが満足ポイントというのは、成長期のかつての日本だけです。いまは、いかに機能を絞り、その機能や特徴を磨き、シンプルにしたうえで、買いやすい価格におさえるか。こんな視点も新規事業の切り口としてはますます重視されてくることでしょう。

あなたが提供しようとする事業の機能や価値を全て書き出してみて下さい。
そして、あえて一つだけ絞るとすればどの価値を提供するのか考えて下さい。
それ以外は、全て引き算してみるところから発想を白紙に戻してみる。

こんなアプローチで引き算思考での新規事業企画をお考えください。
意外に盲点になっている視点です。


【結論】

引き算することで
逆に満足度が上がる場合もある。


※動画での解説は以下より





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これまで、新規事業企画の視点で使える切り口を3つだけ概要とお話してきました。今号では「足し算」の視点を掘り下げてご紹介していきます。足し算には二つの考え方があります。①AとBを足して新たなCを生み出すもの。そして②Aを拡張してA’まで手掛けるものです。

では、一つずつ見ていきましょう。

①に関しては分かりやすくいえば「コラボ」のことです。自社単独で全てを手掛ける新規事業は少数派になってきている時代です。コストを軽減させながらスピードアップさせるには、コラボを前提にした新規事業というのも一つの在り方です。

例えば、ツタヤとスタバが共同出店している事例などは分かりやすいですね。レンタル業界もカフェ業界も成熟してきていますし、なにより人口減少の時代です。そのため、単独で展開しても物理的に市場のパイが減少してしてきます。そこでお互い「送客」という考え方でコラボ展開すれば、互いの顧客層を取り込み、パイを広げることも可能になります。

また、理屈で考えてもこの事例は理に適っています。ツタヤで書籍やDVDを立ち読みしていてのどが渇けばスタバでコーヒーを頼み、スタバでコーヒーを飲んでいて手持無沙汰になれば、ツタヤで本を開けばいいですよね。このように理に適っていて、互いにメリットがあるコラボ型の事業は店舗形態に限らず、有効的な戦略になります。

ちなみに、モノづくりの世界においては、これまでも数々の足し算企画が世に定着しています。たとえば、消しゴムつき鉛筆もよく考えてみると、足し算式の企画ですよね。それから、大福もちについて考えてみましょうか。「いちご+大福」、「アイス+大福」などそれぞれ”いちご大福”や”雪見だいふく”として商品が定着しています。

このように、足し算式という単純発想もベタですが、決してバカにせずに発想のキッカケに使ってみて下さい。

次に②の足し算式ですが、これは企業が提供する範囲を”拡張”するという意味での「足し算」と捉えるのが良いでしょう。

例えば、クリーニング屋といえば、いまや価格以外で差別化が難しい業種です。ところが、クリーニングした後に取りに行くのが面倒くさいという顧客向けに、来シーズンまで服を保管してあげようというレンタル倉庫業のような事業にまで拡張するサービスが定着してきました。

これにより衣替えの時期だけ売り上げが高くなるのを防ぎ、月額課金という収益も加わり、さらに顧客動線の全てをサポートできるようになり、一石三鳥くらいの効果が生まれるのです。

②の方式での企画は、例えばアフターフォロー(サービス)、修理、保守、管理、改造、パーツ販売、リサイクル、リユースなど「売った後」の工程を収益化するという考えが主流ですが、有望な市場として自社での新規事業時にも検討してみて下さい。

新規事業の企画とは、頭で考えるだけではなく、足し算式のような組み合わせから発想することも、楽にたくさん企画を生み出すコツといえるでしょう。



【結論】

新規事業企画における「足し算式」とは、
①コラボ型と②拡張型の2種類がある。


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新規事業の企画に悩むんです・・・そう相談を頂くことが日々多いものです。そこで今号では私が企画のアドバイスですぐできて、よく使う「視点」をご紹介します。それは「足し算、引き算、逆張り」という3つの視点です。

そもそも前号では、企画に頭の良さや、知識・情報量やセンスは不要である。必要なのは視点であるということをお話ししました。そして今回はその代表的な3つの視点をご紹介するものです。あれこれ難しく考えずに、まずは3つの視点を徹底的に使いこなせるようにしましょう。そして3つの視点でまわりや世の中を見渡してみて下さい。こんなお話をいつもしております。

それでは「足し算、引き算、逆張り」という視点について概要をご紹介していきます。

まず「足し算」とは、文字通りAとBという要素を組み合わせてCという新たな付加価値を生み出すものです。店舗であれば異業種同士がコラボして共同出店したり、モノづくりであれば「消しゴム付鉛筆」のように新たな組み合わせのモノを作ったり。また、単なる組み合わせだけではなく、事業のプロセス拡張という意味の足し算もあります。マクドナルドが店舗で展開するだけではなく、宅配事業まで手掛ける事例などは典型です。

次に「引き算」とは、一言で言えばシンプル化です。もっと言えば、提供機能を減らすことによる新たな価値を生み出すものです。今はやりのLCCという航空機ビジネス、QBハウスなど洗髪を伴わずに値段を安くして仕上げの時間も早くする理髪店など、事例は枚挙に暇がありません。成熟化した日本では、機能を付け加えるのではなく、引き算して分かりやすく、時間は短縮、価格は低減するという切り口は今後さらに需要が増えそうです。

最後に、「逆張り」とは、まさに競合他社と真逆の戦略をとるものです。たとえば、健康に意識が高いご時世において、あえて喫煙カフェを展開したり、カロリーを気にしない層を顧客対象にしたりと、顧客のニーズを的確に拾えれば、一人勝ちする可能性すら秘めています。競合他社が目につけている大きな市場にストレートにど真ん中直球勝負せずに、逆をつく変化球というのは新規事業の企画においても大切なポイントです。

大切なことは、企画を立てよう!と思って意気込むのではなく、常に意識を3つの視点で世の中を見続けることで、企画は自然と湧き出てくるもの。出て来なくても見つけることは十分可能であるということです。頭をひねって「考える」のではなく、多くの視点(例えば3つの視点)を徹底的に使いこなして今までとは異なるものの見方をしてみること。これが新規事業の企画においては大切なポイントになります。

次号からは、一つずつ掘り下げて解説していきます。


【結論】

新規事業の企画の視点は
「足し算、引き算、逆張り」で考えると
新たな事業が見えてくる。



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新規事業コンサルティングの仕事をしていると、ゼロベースで新規事業を起こす際に、企画づくりで行き詰るケースが多いようです。アイデアが出ない、構想を具体的に企画にできないというものです。しかし、この企画作りには、知識の量も頭の良し悪しも、もちろんセンスの有無も関係なく、一定のツボが存在します。今回からそんな新規事業の企画の視点というテーマについて書いたみたいと思います。

多くの会社から新規事業の企画のコンサルティングオファーを頂くと、共通した発言を聞きます。それは、「わが社の社員では発想力に乏しいので、良いアイデアが出ないんです」と。発想力がないと新規事業の企画を生み出せないという大きな誤解がそこには存在するようです。

しかし、考えてもみて下さい。我々は発明家ではないのですから、いきなり突飛なアイデアやいつも世界初のことばかり出そうと思わなくていいのです。まずは身近なところへの関心や疑問が全ての原点であってもいいのです。その後、どうひねり、どう発展させるかを考えるだけでいいのです。

そもそも企画の卵を生み出すには、思考回路が二系統あります。一つは「直感的ひらめき」です。ある日、ある瞬間に天からアイデアが降りてくるというものです。これは日ごろ、関心や問題意識をもって生活していないと天から降りてきません。しかし、現実的には直感からスタートする人も多いものです。

ところが、直感でなかなかひらめかないと嘆かれる人はどうすればいいのでしょうか?その時は、無理に頭でひねり出そうとするのではなく、左脳(ロジック)を使ってある種機械的に生みだして下さい。たとえば、市場トレンド、注目されているビジネスモデルやお店、市場の成長率などある種の客観的データから、”おいしそうな市場”に目をつけて分析しながら、「ビジネスチャンス」を探っていくというやり方です。

ハッキリ言って、左脳型の企画は面白みに欠け、思考がジャンプすることもありませんので、無難な企画に陥りがちな点は注意が必要でしょう。シニア向けに~や、●●カフェや、専門特化型のSNS(アプリ)開発や、健康サロンなど、どの会社でもたいてい出てくる企画案は同じです。

しかし、だからと言って直感ばかりに頼って、ひらめきを待っていては時間がもったいないですよね。そこで、適時「右脳と左脳」を切り替えながら企画を生み出していく。そんな思考の使い方が適切だとオススメしています。

そして、それでも企画が頭に浮かばないときにオススメしているのが、世の中に既にあるものを視点を変えて捉えてみるというものです。著名放送作家の小山薫堂さんは、「勝手に世の中をテコ入れする」と称しては、頭の中は身近なもののアレンジで企画がどんどん出てくると言います。もちろん小山さんは天才型だとは思いますが。。。

つまり、企画に困る人は、世の中のものや身近なものを「視点を切り替えて」捉えてみること、アレンジすること。そんなところから始めれば企画も考えやすいということを覚えておきましょう。言い方を変えれば、センスも知識も頭の良さも不要ですが、物事を見るときの「視点」は多い人の方が企画は量産できます。

次号からはこの視点についてご紹介していきますが、最後に新規事業の企画の本質を捉えた言葉をご紹介しておきたいと思います。



【結論】

新規事業とは、
未知なるものへの挑戦ではない。

当たり前のことに疑問の目を持ち、
今までとは異なる視点で
事業をつくることである。


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前号に引き続き、今号も新規事業の失敗要因の分析を試みます。これが失敗要因の最後の書き込みにして最大に大切なことは、実はリーダーが新規事業に本気になってない。これが最大のガンとして組織に存在しているケースが私の経験上8割を占めます。

リーダーとは経営者から、大企業のプロジェクト推進の主力メンバーまで多岐にわたりますが、そのテンションや取り組み姿勢に共通項があるという意味です。

よく見られる光景がリーダーに新規事業の経験と理解が不足しているというものがあります。経験に関してはむしろある方が少数派なので、特別問題だとは思っていません。ただし、経験がないまでも理解しようと努めることは必須事項だと思います。

ところがどうでしょうか。たとえば既存事業と同列に新規事業の取り組みを評価したり、既存事業のやり方に引っ張られた頭で新規事業の方針を部下に押し付けたりと、残念な光景をよく見ます。挙句の果て、部下にはとりあえずセミナーか研修でも受けて基礎知識を身につけて来い!という指示で終わってしまう状態。開いた口がふさがりません。

個人的には新規事業とは、トップまたはトップに近いリーダーマターの事項だと考えています。新規事業とは副業ではなく、「将来の本業」です。それを「おい、お前、企画を考えてこい!」とどこか他人事で済ませようとする姿勢が氾濫している状況は正していかなければなりません。

トップまたはリーダー自らが、出来る限り新規事業の実務に近いところへ降りていって、”皮膚感覚”をしっかりと持たない限り、部下への指導や推進を加速していくことなどできないでしょう。ハーバードビジネスレビューや日経ビジネス誌を読んでいても、知識という脂肪ばかりが身についてしまいます。

次に、問題だなぁと思うリーダーの振る舞いは、「部下に任せて放ったらかし」というものです。一見すると、権限移譲しているようにも見えますし、権限移譲しているから・・・とドヤ顔で語るリーダーも世の中には多く見かけます。

しかし、放ったからしと節目節目でコーチングしていくのでは意味が違います。何もすべてに目をかけて口を出すべきだとは思いません。しかしながら、放ったからしで結果だけを求めるというのは筋違いだとも思います。これはリーダーが新規事業の失敗責任を回避するための愚策ではないかと疑ってしまうほどです。

リーダーに新規事業の理解がなかったり、放置するというスタンスについてお話ししましたが、いずれも本気さの問題に起因しています。

現在のように複雑で先が見えにくく、既存事業の維持・成長ですら難しい時代に、リーダーが新規事業でのほほんとしている暇は1秒足りともないのです。口先だけの新規事業ではなく、自らが恥も外聞も捨てて飛び込む勇気と強い意志を持ってプロジェクトに参加して欲しいものです。新規事業だけは、”少数の全員野球”を目指しましょう!



【結論】

新規事業コンサルタントの
たった一つの願い。

それはリーダーが新規事業に本気に
なってもらうこと。
ただそれだけです。



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