嫌な予感がする。

30歳を目前に控えた2016年11月、虚無感に震えながら私は悲しみの世界から逃避するべく、すがる思いでインディ・ジョーンズシリーズを全て観なおした。4は劇場でガッカリした記憶があった。観なおすと、やっぱり3が1番面白いのは言うまでもなかったが、それ以上に印象に残ったのが、2があまり面白くないという事。4はラストの落とし所を間違えたという点以外は2とさして変わらなかった。シリーズを並べてみると、1の良い点は新鮮さぐらいだ。つまり、3以外はどっこいどっこいだ、ということだった。見比べてみると、3には宝を求める冒険のほか『疎遠だった親子が絆を取り戻す』という感動ポイントが物語にしっかりと入っている。まさに娯楽映画の手本のようだった。1、2、4にはない。だからだ。スピルバーグは007のような映画が作りたくてインディを作ったらしいから、1、2、4に感動ポイントが無いのは当たり前で、むしろ3のような構造の映画は007らしくない。スピルバーグは結局007みたいでなおかつ面白い映画は作れなかったんだろうなと思った。