この作品の序奏の部分は、独奏ピアノと、オーケストラの掛け合いによる華麗なる共演が聞かれる。そして、ピアノはしばらく休み、堂々たる第一主題が提示される。これが行進曲調に大きく発展してゆくと、曲の様相が変化し、弱音のスタッカートとともに弦が第二主題を奏する。そしてそれは、大変優雅なホルン二重奏に受け継がれる。次に第一主題をもとにして開始される小結尾が終わると、再び独奏ピアノが登場する。なんといっても、第一楽章の冒頭から中間部であるここまでが、この協奏曲では、圧巻である。何度聞いてもわくわくした気分になれる。この作品が作曲された時期について、僕はよく知らないが、作品全体から漂うはつらつさは、どこか「英雄交響曲」に通じるものがあるように思える。