彼が私を見送っていたのかは
振り返らずに歩いたのでわからない
忘れられないことって誰にもあると思うの。
あなたにもあるでしょう?
ふふ、それは恋の話かしら。
それとも子供の頃の話?
例えば、桜の木をみるときなんか思い出すわね。
花びらが雪のように舞い始めたとき。音もなく、ひらひらと。
そして、花は降り続けるの。
励ますように、送り出すように、さよならをするように。
あなたには逢いたい人はいるかしら?
あなたの忘れられない人はどんなひとなのかしらね。
一日一緒に居て別れ際、何度も振り返ってしまったりして。
後ろ姿をずっと見送ってしまうような…そして振り向いてくれたら、私は全力で駆け寄るの。
あなたも同じ気持ちだった事が嬉しくって。私は涙を流して喜ぶわ、きっと。
私の忘れられない人は、そんなひとよ。

誰かを傷つけてしまったり、去られていってしまうことは辛いわよね。苦い思いをするのは誰でも嫌なものだわ。
だったらひとりで居た方がずっと楽。
欲張らなければ、日々は平穏で、何の不満もない。
それでも初めて感じたあの幸福感を私たちは忘れられないの。世界中に優しくしたい、そんな気持ちに。だから人はまた恋をするのよ♪
あなたは相手がどんな気持ちだったか想像したことある?
相手がどんなに勇気を出して話しかけてくれたのか。どんなに悩んで悩んでメールの文面を考えて送ったのか。
何気ない言葉にどれだけ傷ついたのか。
こんなにきっと、胸がつぶれそうなくらい悲しかったんだって。
そう分かったときに、気がついたら走ってたわ。あなたのもとへ。
逢いたくて、逢いたくて、みっともないくらい息を切らして…
私の忘れられない人は、そんなひとよ。

大好きな人にさせてしまった悲しい顔を思い出すと、心の奥がズキッとなるようなことってあるわよね。相手を傷つけてしまったときの罪悪感は心に残る。それも忘れられないこと。
考えなしに喋って、また誰かを傷つけるかもしれない。お互いを大事に思う分だけ臆病になってしまって、一番大切な人の笑顔を閉じ込めてしまう。
その鍵を開けれるのはあなただけ。あなただけが出来るの。あなたの方から大切な人に笑ってあげて。その可愛いらしいホントの笑顔で。
私の忘れられない人は、そんなひとよ。

梅の木を見ると思い出す。
くせのある字をみると思い出す。
バス停をみると、帰り道一緒に歩いた事を思い出す。
校舎を見ると、数学と体育が得意だった事を思い出す。
私の忘れられない人は、そんなひとよ。

P.S. 世界中の誰より君へ
何だろう…空が明るい。
何だろう…空気がいつもよりキレイでうんと吸い込みたくなる。
何だろう…不思議と足が軽い。
世界中にやさしくしたい、その中でも特に君に。
古びたブリキの人形より