子供の時は、「クリスマス=ケーキが食べられる日、プレゼントがもらえる日」くらいの感覚でした。
バブル期の時は“彼氏が彼女に高価なプレゼントをあげて、高級ホテルで一夜を過ごす日”な感じでしたが、私が就職したころは既にバブル崩壊した後でしたし、就職先がお寺だったので、クリスマスなどどこ吹く風。
そんな私が嫁いだ先はカトリック教徒の国といっても過言ではないアイルランド。奇縁です。
キリスト教徒にとって、クリスマスは大事な行事。毎年この時期は皆さん気合いれてクリスマスショッピングしたり、親しい人にカードやプレゼント送ったりしています。
日本のクリスマスとはもちろん色々違いますし、クリスマスに関する「へぇ~」なものがあるので、それらをご紹介いたしましょう。
まずはちょっと歴史的なことから。
☆12月25日にイエス・キリストの降誕を祝うようになったのは、キリスト教がローマ帝国の国教になってからで、もともとローマ神話の太陽神の誕生を祝う日だった。
☆1647年、英国ではクリスマスを禁止する法律ができた。理由は清教徒にとって「喜びは罪」であり、その清教徒のオリバー・クロムエルが護国卿として君臨していたから。
ちなみに、彼が英国の支配者だった時期は、音楽、ダンス
、酒
、スポーツ
、観劇
、化粧
など諸々の娯楽・嗜好品が禁じられた。ただし、タバコはOKだったらしい。
なお、クロムエルが亡くなり、チャールズ2世が王位についてから、クリスマスは再び祝われるようになった。
☆1790年代、英国では「クリスマスを祝うのは古い習慣」と考えられるようになり、ほとんど祝われないようになった。
☆クリスマスツリーを飾る習慣が根付いたのはヴィクトリア女王の夫君、アルバート公がツリーをドイツから持ち込んだことから。
そして1843年、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』が英国で爆発的に売れ、その影響で英国でほぼ廃れかけたクリスマスが再び祝われるようになった。
☆マルチン・ルターが星が瞬く夜に森を通り抜ける際、その美しさに心うたれ、自宅にツリーを飾ったのがクリスマスツリーのはじまりという説がある。
なお、電飾ができるまで蝋燭を使っていたが、ツリーに炎が燃え移って、火事になることも多かった。
☆サンタクロースの伝説として、塩漬けにされた子供のバラバラ死体を生き返らせたというものがある。
そこからサンタロースは子供の守護聖人となった。
☆ヴィクトリアン時代、変な(不気味な)クリスマスカードがあった。
※クランプスですね。
他にも、抜けた歯を張り付けたもの、スライスベーコンを張り付けたもの、はたまたローストされたネズミを張り付けたカードなんてのもあったとか。
さて、お次は現代のアイルランドのクリスマス。
〇クリスマス25日はほとんどの店・ホテル・交通機関が休むので、街はゴーストタウンのような静かさになる。当日営業しているのはガソリンスタンドと病院の救急くらい。
26日はパブや交通機関は営業再開するが、スーパーマーケットやホテルは引き続き閉まっているところが多い。
〇アメリカの映画などではサンタクロースを労をねぎらうためにクッキーとミルクを置くが、英国・アイルランドではミンスパイとミルクを置く。
※このパイが売られるのはクリスマス時期だけ。甘いです。
大昔は肉(ひき肉)のパイも作られていたらしいですが、現在はドライフルーツが使われた甘いミンスパイが主流です。
〇こちらの“クリスマスケーキ”といえば、これ、クリスマス・プディング
ブランデーなどをかけ、火をつけて温めて食べる。+ホイップクリームをのせて食べる人も多い。
※日本ではイチゴのショートケーキやブッシュ・ド・ノエルが“クリスマスのケーキ”という感じですが、こちらの一般的なケーキはアイシングでがっちりコーティングした、激甘ケーキです。
〇アイルランドのパブ、オフ・ライセンス(酒屋)はクリスマスデー(25日)とグッド・フライデーの営業は法律で禁じられている。
〇クリスマスの飾りをしまうのは1月6日。この日をもってクリスマスは終了となる。
なお、その日はEpiphanyとかTwelfth Nightとも言われ、異邦人に対する救世主(イエス・キリスト)の顕現を祝う日だとか。
アイルランドではこの日を「リトル・クリスマス」とか「ウィメンズ・クリスマス」と言い、その日は男性が家事をして、女性たちはレストランやパブで楽しい一夜を過ごしたり、家族からプレゼントをもらったりする。
※主人は毎年、当日の夜になって「あ今日はウィメンズ・クリスマスだった。
」と・・・
自分の文化ではないし、別に構わないんですが、本当にうっかり忘れているのか、故意に忘れているのか疑問です。
〇ユリウス暦では1月7日がクリスマスデーとなるので、その日クリスマスを祝う人たち(ポーランド人とか)がいる。その際の御馳走は鯉料理らしい。
クリスマスに関する無駄知識でした。
まぁ、話のネタとしてどうぞ。